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医中誌からのお知らせ

医中誌からのお知らせ

医中誌からのお知らせ 「新型インフルエンザ(H1N1)に関する情報ページ」へ戻る

2009/11/06更新

・医中誌Webから抽出した、関連する国内医学文献の情報です。
・文献複写をご希望の場合は、文献複写サービスをご利用下さい。

J929080001
医中誌Web
病院情報システム部門での業務継続計画(BCP)策定 新型インフルエンザinfluenza A(H1N1)、パンデミック時にわれわれはどうするか?
Source:医療情報学(0289-8055) 28巻5号 Page243-248(2009.09)
Author:大原達美(東京医科大学附属病院 病院管理部), 成清哲也, 松村一
Abstract:東京副都心にある大学病院、病院情報システム部門の新型インフルエンザ(H1N1)パンデミック時における業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定ならびに今後の課題に関して報告する。BCP策定にあたって、重要業務の選定、その継続の方法、パンデミック時の制限された業務体制となった場合の業務継続に必要な対策、計画書・マニュアル作成の順に作業を進めた。この結果、2009年秋以降に想定されるパンデミック時までに、業務継続に最低限必要な業務を職員が誰でもできるようにする相互業務理解、消耗品の備蓄量、備蓄方法の変更、パンデミック時に変更される診療体制に順応したネットワークや情報端末の配置などの物的資源の調達が必要で、早急に対応すべきことがわかった。今回の病院情報システム部門のBCP策定をきっかけとして、病院全体の各部署にBCP策定を広げていくことが必要である。最後に、われわれの策定したBCP策定の手順等は他病院の同部門BCP策定にも参考になりうると考えられた。(著者抄録)

J925420008
医中誌Web
【新型インフルエンザ流行対策 国立保健医療科学院の取り組みと今後の活動に向けて】 新型インフルエンザ対策において国立保健医療科学院に期待すること 保健所の立場から
Source:保健医療科学(1347-6459) 58巻3号 Page248-254(2009.09)
Author:緒方剛(茨城県筑西保健所)
Abstract:保健所は新型インフルエンザ発生の準備を行うとともに、新型インフルエンザ(H1N1)発生後は発熱相談センターの設置や患者の発熱外来への紹介を行っている。全国保健所長会は新型インフルエンザの対応マニュアル作成を行ったが、今後国の研究班に協力して保健所を対象とする新型インフルエンザについての調査を行う予定である。国立保健医療科学院では、保健所で新型インフルエンザなどの感染症管理に従事する人材育成に有用となるよう、研修、研究、e-ラーニング教材開発、H-CRISISと呼ばれるウェブ上の情報提供、国際交流活動を行っている。一部の保健所はこのような国立保健医療科学院の事業に協力していている。今後国立保健医療科学が、健康危機管理に従事する人材の育成機能をさらに充実することを期待している。(著者抄録)

J925420002
医中誌Web
【新型インフルエンザ流行対策 国立保健医療科学院の取り組みと今後の活動に向けて】 新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)の流行に関する情報のWeb配信 H-CRISISの役割に関する考察
Source:保健医療科学(1347-6459) 58巻3号 Page207-214(2009.09)
Author:橘とも子(国立保健医療科学院研究情報センター), 泉峰子, 緒方裕光
Abstract:健康危機管理支援ライブラリーシステム(以下、H-CRISISとする)の運営事務局は国立保健医療科学院研究情報センター内に設置され、厚生労働省地域保健室と連携しシステムを運営している。今回、新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)の流行に対してH-CRISIS事務局は、H-CRISISの機能「健康危機情報アラート」および「健康危機管理アーカイヴ」を中心としてWebによる迅速かつタイムリーな情報送受信に係る役割を果たした。(著者抄録)

J925420001
医中誌Web
【新型インフルエンザ流行対策 国立保健医療科学院の取り組みと今後の活動に向けて】 我が国の新型インフルエンザの発生に係る対応と課題
Source:保健医療科学(1347-6459) 58巻3号 Page201-206(2009.09)
Author:高橋亮太(自衛隊中央病院 内科), 関なおみ, 梅田珠実
Abstract:我が国は以前より、新型インフルエンザ対策行動計画の策定や、新型インフルエンザ対策ガイドラインの改定等の体制整備や法律改正等を進めてきた。今回の新型インフルエンザA(H1N1)に対する、海外及び国内での発生状況を踏まえた国の対応について、7月初旬までの取り組みを振り返るとともに、今後の課題について検討した。(著者抄録)

J918050008
医中誌Web
LANI(Long-Acting Neuraminidase Inhibitor) CS-8958、吸入1回投与のインフルエンザ治療薬
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 35巻11号 Page461-466(2009.10)
Author:小林慶行(第一三共 プロジェクト推進部)
Abstract:ここ数年、高病原性H5N1型鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染例とその死亡例が増加する一方で、最近ではH1N1型ウイルスの変異獲得が社会に脅威をあたえている。昨年のH1N1型インフルエンザウイルスのほぼ100%がタミフル耐性化していたこと、更にはこの春の豚に起因する新型H1N1型インフルエンザウイルスが出現したことなど、その記憶はまだ新しい。この環境下で第一三共は、現在、吸入型のノイラミニダーゼ阻害剤であるCS-8958をインフルエンザ治療薬として自社開発を進めている。その大きな特徴は1回吸入での治療完了と既存薬に対する耐性ウイルスや新型インフルエンザウイルスなどにも効果を示すといった点である。パンデミック対策が盛んに議論、検討される中にあって、当化合物は次世代インフルエンザ治療薬として期待されている。(著者抄録)

J918050004
医中誌Web
【ウイルス感染症のメカニズム】 インフルエンザウイルスの病原性
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 35巻11号 Page445-448(2009.10)
Author:坂部沙織(東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:今春、ブタ由来H1N1亜型のインフルエンザウイルスによるパンデミックが起こった。パンデミック発生以来、感染者は世界中で鰻登りに増え続けており、死者も出ている。新型ウイルスは、当初想定されていたH5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスに比べると病原性は低いものの、季節性インフルエンザウイルスに比べると肺でよく増殖し、病原性は強い。今後さらに病原性が強くなる可能性も指摘されており、注意が必要である。一方、H5N1高病原性鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染も、散発的にではあるが増え続けており、今後も監視を続ける必要がある。(著者抄録)

J914010006
医中誌Web
大学生の新型インフルエンザH1N1集団感染例におけるSpO2検査の重要性
Source:日本医事新報(0385-9215) 4455号 Page54-58(2009.09)
Author:菖蒲川由郷(飯塚病院附属有隣病院), 飯塚卓, 齋藤玲子, 滝浪真, 金子孝之, 工藤節, 瓜生敏郎, 生亀トヨ子, 板橋ケイ子, 大堀加寿江, 高橋信江, 鈴木かおる, 山崎哲, 鈴木宏

J914010001
医中誌Web
新型インフルエンザA(H1N1)の疫学的特徴と今後の想定
Source:日本医事新報(0385-9215) 4455号 Page20-24(2009.09)
Author:和田耕治(北里大学 医学部衛生学公衆衛生学)

J909460087
医中誌Web
新型インフルエンザ(A/H1N1)の経験 今後の課題に向けての整理
Source:CAMPUS HEALTH(1341-4313) 46巻3号 Page68(2009.09)
Author:中川克(立命館大学保健センター), 楠田佐江子, 土家幸子, 八田文裕子, 鷲見長久, 伊東宏

J907100002
医中誌Web
市中型MRSAとブタフルA/H1N1の謎 抗菌・抗ウイルス薬、耐性産生の再検証
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 45巻9号 Page35-37(2009.09)
Author:沼田稔(())
Abstract:院内型MRSAとは明らかに異なる祖先系体を持つ市中型MRSA(CA-MRSA)の出現と、もうひとつ、ブタフルA/H1N1の不可解なオセルタミビル耐性株の世界的地域分布という謎に逢着して、薬剤の多用による耐性菌産生という、これまでの常識に短絡的に依拠するだけでは、今日の感染病原体の生態系に対処できないのではないかとする議論が持ち上がっている。CA-MRSAについては「言い換えれば、何十年にもわたる病院での抗菌薬の過剰使用が生み出したものではない」ということであり、A/H1N1については、例えば、めったに抗ウイルス薬が使われることのないノルウェーで、A/H1N1株の67%がオセルタミビルに耐性であり、これに対して日本での耐性はたったの3%であった(WHO:2007-2008)。この不可解な差異をどのように解釈するかということだ。(著者抄録)

J904330009
医中誌Web
季節性インフルエンザと新型インフルエンザ 新宿区における新型インフルエンザ(豚型H1N1)対策をふりかえって
Source:東京女子医科大学雑誌(0040-9022) 79巻8号 Page376-377(2009.08)
Author:島史子(新宿区保健所 保健予防課)

J904330008
医中誌Web
季節性インフルエンザと新型インフルエンザ インフルエンザ 新型インフルエンザ(豚由来H1N1)、鳥インフルエンザ(H5N1)、スペインインフルエンザ等の病態と対策
Source:東京女子医科大学雑誌(0040-9022) 79巻8号 Page376(2009.08)
Author:工藤宏一郎(国立国際医療センター国際疾病センター)

J903110028
医中誌Web
新型インフルエンザ(H1N1)情報 ニューヨーク市における流行状況から学ぶこと
Source:綜合臨床(0371-1900) 58巻9号 Page2005-2008(2009.09)
Author:朝野和典(大阪大学 医学部感染制御部)

J825440004
医中誌Web
【新型インフルエンザ対策】 神戸市における新型インフルエンザA(H1N1)への対応について
Source:プレホスピタル・ケア 22巻4号 Page30-36(2009.08)
Author:神戸市消防局警防部救急救助課(神戸市消防局警防部救急救助課)

J825270020
医中誌Web
子どもたちの感染症 新型インフルエンザ 豚由来H1N1型ウイルス
Source:小児看護(0386-6289) 32巻10号 Page1402-1404(2009.09)
Author:中野貴司(国立病院機構三重病院 小児科)

J804210015
医中誌Web
医療機関におけるインフルエンザ感染の拡大について新型インフルエンザ大流行時における医療対応に関する疫学研究
Source:化学療法の領域(0913-2384) 25巻8号 Page1755-1760(2009.07)
Author:神垣太郎(東北大学 大学院医学系研究科病理病態学講座微生物学分野), 橋本亜希子, 押谷仁
Abstract:新型インフルエンザA(H1N1)によるパンデミックが世界保健機関により宣言された状況では、医療機関への受診者数の増加が予期され、その対策が非常に重要であると考えられる。今回我々は季節性インフルエンザにおける医療機関への負荷を検討することが重要であると考え、2008年~2009年シーズンでの医療機関を受診したヒトを対象として、調査研究を行った。そこでは、小児科のシーズン中の来院者の増加を観察しており、来院者の多くは自家用車による来院であり、付き添い者をともなっていることが分かった。また、医療機関の待合室における患者密度を検討した結果、待合時間の大部分では1m以内の接触機会が認められ、感染管理が必要であると考えられた。(著者抄録)

J625460284
医中誌Web
山形県におけるオセルタミビル耐性H1N1インフルエンザウイルスの分離と一小学校での流行
Source:日本小児科学会雑誌(0001-6543) 113巻6号 Page1024(2009.06)
Author:松嵜葉子(山形大学 医学部臨床看護学講座), 三條加奈子, 須藤亜寿佳, 青木洋子, 水田克巳, 氏家誠, 小渕正次, 小田切孝人, 田代眞人

J611320002
医中誌Web MedicalOnline J-STAGE
リツキシマブ-CHOP投与後のB細胞非ホジキンリンパ腫患者においてインフルエンザワクチン接種の一次抗原に対する抗体反応は減弱するがリコール抗原に対する抗体反応は減弱しない(Attenuated Antibody Reaction for the Primary Antigen but not for the Recall Antigen of Influenza Vaccination in Patients with Non-Hodgkin B-Cell Lymphoma after the Administration of Rituximab-CHOP)
Source:Journal of Clinical and Experimental Hematopathology(1346-4280) 49巻1号 Page9-13(2009.05)
Author:TakataTohru(福岡大学 医学部内科学第一), SuzumiyaJunji, IshikawaTakahiko, TakamatsuYasushi, IkematsuHideyuki, TamuraKazuo
Abstract:リツキシマブ-CHOP投与後のB細胞非ホジキンリンパ腫患者(NHL)のインフルエンザワクチンに対する液性応答を評価するために、2005/2006シーズンにNHL7例と対照群10例の抗血球凝集素(HA)力価を測定した。全てのNHL例において、ワクチン接種4週間後、以前から用いられていたのと同じ抗原であるインフルエンザA H1N1型及びB型抗原に対するHA力価の上昇がみられた。一方、2005/2006シーズンに新たに加えられたA H3N2型抗原に対し、対照群では幾何学的平均力価の有意な上昇がみられたが、NHL例では上昇がみられなかった。以上より、B細胞非ホジキンリンパ腫患者において、インフルエンザワクチン接種はリコール抗原に対し明らかな液性応答を誘導するが、一次抗原に対しては誘導しないことが示された。

2009306221
医中誌Web MedicalFinder
新型インフルエンザアウトブレイク,大阪からの緊急報告
Source:公衆衛生(0368-5187) 73巻9号 Page676-681(2009.09)
Author:野田哲朗(大阪府健康医療部保健医療室)

2009305120
医中誌Web
新型インフルエンザ 公衆衛生学的観点から
Source:日本公衆衛生雑誌(0546-1766) 56巻7号 Page439-445(2009.07)
Author:尾身茂(自治医科大学 公衆衛生学教室)

2009304687
医中誌Web
インフルエンザウイルスの抗原変異
Source:日本医事新報(0385-9215) 4451号 Page124-125(2009.08)
Author:中島捷久(())

2009304290
医中誌Web
新型インフルエンザの流行と今後の課題
Source:Nursing BUSINESS(1881-5766) 3巻9号 Page788-790(2009.09)
Author:酒井美絵子(日本赤十字看護大学 看護学部)

2009303775
医中誌Web
感染症に関する最近の話題 新型インフルエンザの世界的流行について
Source:東洋医学(1341-7460) 15巻3号 Page41-48(2009.07)
Author:降井佐太郎(明治東洋医学院専門学校)

2009303712
医中誌Web
都市型地域医療の実践 新型インフルエンザに対する現場からの報告
Source:医療経営情報(0913-6037) 26巻4号 Page24-25(2009.08)
Author:和座一弘(和座クリニック)

2009300719
医中誌Web
庄原赤十字病院における新型インフルエンザ感染対策への取り組み
Source:外来看護最前線: 生活習慣病&外来がん看護 14巻6号 Page104-111(2009.08)
Author:中藤好美(庄原赤十字病院)

2009299456
医中誌Web
2006/2007シーズンの栃木県におけるインフルエンザ流行について
Source:栃木県公衆衛生学会抄録集 45回巻 Page154-156(2007.09)
Author:平田明日美(栃木県保健環境センター), 大金映子

2009298343
医中誌Web
漢方薬で備える新型インフルエンザ対策
Source:日本口腔感染症学会雑誌(1346-9150) 16巻1号 Page22-23(2009.06)
Author:久保茂正(くぼ歯科)

2009289436
医中誌Web
2007~2008年シーズンにおけるレバノン人小児のインフルエンザウイルス感染(Influenza Virus Infections in Lebanese Children in the 2007-2008 Season)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 62巻2号 Page137-138(2009.03)
Author:ZaraketH.(新潟大学 医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学), DbaiboG., SalamO., SaitoR., SuzukiH.
Abstract:中東の温暖な国であるレバノンでは最初となるインフルエンザの疫学的検討を行った。対象は2008年1~5月にベイルートの大学病院を受診した小児外来患者で、この期間中のインフルエンザ様疾患の患者39名を調査した。これらの患者の発生は、その51%(20/39)が1月に集中したのに対して5月には全く発生しなかった。これらの全患者39名中の11名はA型インフルエンザ、4名はB型インフルエンザであることが迅速診断キットで決定され、10名は呼吸器多核体ウイルスであることがリアルタイムPCRで決定された。これらのインフルエンザウイルスは遺伝学的に2007/2008年シーズンのワクチン種とは異なっていたが、同じシーズン中の他国での流行種に類似していた。

2009286733
医中誌Web
2007/2008シーズンに栃木県において分離されたインフルエンザウイルスの解析
Source:栃木県公衆衛生学会抄録集 46回巻第2分冊号 Page151-153(2008.09)
Author:平田明日美(栃木県保健環境センター), 舩渡川圭次

2009286316
医中誌Web
新型インフルエンザ判明の経緯
Source:日本医事新報(0385-9215) 4448号 Page79-80(2009.07)
Author:大槻公一(京都産業大学 鳥インフルエンザ研究センター)

2009285839
医中誌Web
松山記念病院発 院内感染対策のススメ 新型インフルエンザにどう備えるか?
Source:精神科看護(0910-5794) 36巻8号 Page60-65(2009.07)
Author:山内勇人(創精会松山記念病院)

2009285454
医中誌Web MedicalOnline
新型インフルエンザの出現について思うこと
Source:臨床と微生物(0910-7029) 36巻4号 Page357-360(2009.07)
Author:牛島廣治(藍野大学 藍野健康科学センター)

2009285324
医中誌Web
パンデミックインフルエンザ発生時の医療施設におけるサージキャパシティに関する検討
Source:日本災害看護学会誌(1345-0204) 11巻1号 Page119(2009.06)
Author:塚本容子(北海道医療大学), 松澤由香里, 三宅隆仁

2009285323
医中誌Web
新型インフルエンザに関する演習前後における学生の態度の変化
Source:日本災害看護学会誌(1345-0204) 11巻1号 Page118(2009.06)
Author:池田清子(神戸市看護大学), 岩本里織, 安藤幸子, 江川幸二, 細見明代, 高田昌代

2009285322
医中誌Web
新型インフルエンザ 発熱外来シミュレーションを実施して
Source:日本災害看護学会誌(1345-0204) 11巻1号 Page117(2009.06)
Author:荒尾修平(四街道徳洲会病院)

2009284753
医中誌Web
専門薬剤師倶楽部 感染制御 新型インフルエンザ対策と薬剤師の役割
Source:薬事(0016-5980) 51巻7号 Page1051(2009.07)
Author:白石正(山形大学医学部附属病院)

2009284537
医中誌Web
認定看護分野のトゥデイズケア 感染管理 新型インフルエンザへの対応 看護職が取り組むべき感染対策
Source:ナーシング・トゥデイ(0912-2974) 24巻9号 Page9-11(2009.08)
Author:雨宮みち(日本看護協会看護教育研究センター)

2009284119
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
インフルエンザワクチンにはどのようなアジュバントが使われていますか
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page267(2009.07)
Author:村上晋(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕

2009284118
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
2007/2008インフルエンザシーズンにヨーロッパを中心にオセルタミビル耐性ウイルスが流行しましたが、2008/2009インフルエンザシーズンの日本の流行状況はどうなりましたか
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page266(2009.07)
Author:田村大輔(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野)

2009284117
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
地域のパンデミックプランニング 地域医療の現場の守り ブタインフルエンザの流行勃発と発熱外来の課題(その1)
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page257-264(2009.07)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)

2009284116
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
インフルエンザ講座 CS-8958とは
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page252-256(2009.07)
Author:久保淑(第一三共生物医学第四研究所), 山下誠

2009284115
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
1976年の米国のブタインフルエンザ騒動について(その2) 事の始まりからセンサーの売り込み(1976年3月10日~3月18日)
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page246-251(2009.07)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)

2009284113
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
公衆衛生 ソ連かぜの起源
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page231-236(2009.07)
Author:中島捷久(())
Abstract:1977年に出現した新型のソ連かぜA/H1N1ウイルスは1946~1957年にヒトに流行したウイルスと類似のH1血球凝集素(HA)とN1ノイラミニダーゼ(NA)抗原をもつA/H1N1ウイルスであった。1978年に抗原性の解析、RNAハイブリダイゼーション法およびRNAフィンガープリント法により、ソ連かぜH1N1ウイルスは1950年の標準株、A/Fort Warren(FW)/1/50と近いことが明らかにされた。今回、A/USSR/90/77ウイルスと1947~1957のH1N1ウイルスの遺伝子の塩基配列を解析したが、同様の結果が得られた。ソ連かぜH1N1ウイルスは実験室から流出したインフルエンザウイルスによる流行の可能性が考えられる。(著者抄録)

2009284110
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
疫学 抗原循環説について
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻3号 Page211-216(2009.07)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)
Abstract:抗原循環説という言葉を聞き、何を思い浮かべるであろうか。インフルエンザを昔から勉強している人たちは、次のパンデミックを想像するであろうか。あるいは、あんなものと一蹴するであろうか。最近やたら目立つようになった「感染症の専門家」と自分を称する方々なら、理解の程度はともかく、この漢字5文字を字面ぐらいはみたことがあるかもしれないくらいの、有名な概念ではある。だが若い研究者や勉強し始めて間もない人たちには、初耳かもしれない。別にこれを知っているから、知らないからどうだという話ではない。だが、およそインフルエンザ関係者なら、知的には非常に興味深い概念ではある。これを筆者なりに料理してみた。(著者抄録)

2009283876
医中誌Web
【世界標準にはるかに及ばないわが国の予防接種体制】 インフルエンザワクチン
Source:日本医師会雑誌(0021-4493) 138巻4号 Page677-680(2009.07)
Author:熊谷卓司(くまがい小児科)

2009277318
医中誌Web
インフルエンザの問題点
Source:化学療法の領域(0913-2384) 25巻6号 Page1310-1314(2009.05)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野), 斎藤玲子
Abstract:インフルエンザの緊急問題のひとつは、高頻度な耐性株発生であり、3~4年前からのアマンタジン耐性株に始まり、今冬のタミフル耐性株発生となった。これら発生原因はヒトへの薬剤投与とは関連せず、アマンタジンでは鳥類の飼料としての投与とされるが、タミフルでは不明なままである。いずれにおいても、耐性株陽性患者であっても当該薬剤投与による解熱効果が見られる例もあるなど、薬剤感受性度と臨床への影響の関連を検討するべき新たな時代となった。もうひとつは、ワクチン接種率の高い高齢者施設における多数の死亡者を含む流行であり、院内感染予防法の徹底に加え、患者の早期発見・早期治療の重要性が改めて示された。(著者抄録)

2009277317
医中誌Web
新型インフルエンザH1N1の流行 パンデミックへの助走か
Source:化学療法の領域(0913-2384) 25巻6号 Page1308-1309(2009.05)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野)
Abstract:これまで、世界中で高病原性トリインフルエンザH5N1が次の新型インフルエンザの最大候補として、その対応策を練ってきた。しかし、予想されたとはいえ、豚からの新型インフルエンザ発生が現実化した。現在のところ伝播状況からフェーズ5であり、重症度からは低い程度と思われ、これまでの高い重症度を念頭とした国の新型インフルエンザ対策計画の再検討が必要となっている。さらには、流行の疫学情報が不足しており、今後の早急な情報収集と解析により、訪れる冬期の流行最盛時期への的確で有効な対応を行う準備が重要となっている。(著者抄録)

2009274488
医中誌Web
【感染曝露vsPPE 個人防護のセオリーとTPO】 新型インフルエンザとPPE
Source:感染対策ICTジャーナル(1881-4964) 4巻3号 Page314-321(2009.07)
Author:黒田恵美(国立国際医療センター 医療安全管理室)

2009273870
医中誌Web MedicalOnline
【豚?新型?インフルエンザの正体】 高病原性インフルエンザのパンデミックは起きない
Source:薬のチェックは命のチェック 35号 Page27-30(2009.07)
Author:浜六郎(医薬ビジランスセンター)

2009273869
医中誌Web MedicalOnline
【豚?新型?インフルエンザの正体】 タミフル全面解禁の怪 1歳未満、妊婦、予防、10歳代にも使う 季節性インフルエンザにも解禁
Source:薬のチェックは命のチェック 35号 Page21-26(2009.07)
Author:浜六郎(医薬ビジランスセンター)

2009273868
医中誌Web MedicalOnline
【豚?新型?インフルエンザの正体】 メキシコで死亡が多いのはなぜ?
Source:薬のチェックは命のチェック 35号 Page18-20(2009.07)
Author:浜六郎(医薬ビジランスセンター)

2009273867
医中誌Web MedicalOnline
【豚?新型?インフルエンザの正体】 50歳代以上がかかりにくい理由
Source:薬のチェックは命のチェック 35号 Page12-17(2009.07)
Author:浜六郎(医薬ビジランスセンター)

2009273866
医中誌Web MedicalOnline
【豚?新型?インフルエンザの正体】 インフルエンザウイルスの構造と変異
Source:薬のチェックは命のチェック 35号 Page10-11(2009.07)
Author:浜六郎(医薬ビジランスセンター)

2009273356
医中誌Web
新型インフルエンザ対策ガイドラインから「医療体制に関するガイドライン」 (平成21年2月17日 新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議)
Source:感染防止(1340-9921) 19巻4号 Page61-76(2009.07)
Author:厚生労働省

2009273165
医中誌Web
薬局薬剤師のための新型インフルエンザ対応マニュアル Ver.1.1
Source:千葉県薬剤師会雑誌 55巻7号 Page617-663(2009.06)
Author:社団法人千葉県薬剤師会薬事情報センター研究部門(石野薬局)

2009273123
医中誌Web MedicalOnline
病気百話 よくわかる疾患の病態生理 副鼻腔炎、蓄膿 膿を出す
Source:薬局(0044-0035) 60巻8号 Page3016-3020(2009.07)
Author:北岡建樹(望星病院)

2009272150
医中誌Web
新型インフルエンザH1N1の現状と考え方
Source:新潟県医師会報(0912-2796) 711号 Page2-5(2009.06)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野), 齋藤玲子

2009271833
医中誌Web
新型インフルエンザの恐怖 対策としての歯科医療・口腔ケア
Source:歯界展望(0011-8702) 114巻1号 Page6-13(2009.07)
Author:奥田克爾(東京歯科大学)

2009262048
医中誌Web
「薬が効かない」を科学する 「薬が効かない」メカニズム 薬剤耐性インフルエンザ(アマンタジン、タミフル耐性)
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 45巻7号 Page165-171(2009.07)
Author:鈴木宏(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野), 斎藤玲子, 鈴木康司, HassanZaraket, TatianaBaranovich
Abstract:今まではインフルエンザへの抗ウイルス剤による治療効果が示されてきた。しかし、最近ではアマンタジン耐性A/H3N2とタミフル耐性のA/H1N1株が高率に発生し、日常診療への影響が出はじめるといった新たな局面を迎えた。これらの耐性株においては、それぞれアマンタジン耐性株でのM2遺伝子変異、タミフル耐性株でのNA(ノイラミニダーゼ)遺伝子変異に加え、HA(ヘマグルチニン)遺伝子でも特異な変異を持つことにより、容易に伝播する現象が確認されている。これらの状況から、抗ウイルス剤使用法の再検討と、耐性株発生を常にモニタリングする必要性が高まっている。しかし、耐性株発生の臨床への影響に関する研究はやっと始まったばかりであり、今後のこの分野の精力的な発展が切に望まれる。(著者抄録)

2009262034
医中誌Web
季節性フルにこそ本当の新型対策 侮らず恐れず、隠れた別の主役を見逃すな
Source:医薬ジャーナル(0287-4741) 45巻7号 Page39-41(2009.07)
Author:沼田稔(医薬ジャーナル)

2009261329
医中誌Web
流感雑感
Source:順天堂医学(0022-6769) 55巻2号 Page200-201(2009.06)
Author:久原孝俊(順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター)

2009260888
医中誌Web
おもしろ看護泌尿器科学 新型インフルエンザ(1)
Source:泌尿器ケア(1349-6549) 14巻7号 Page717-720(2009.07)
Author:根本良介(鳥取県立中央病院)

2009260830
医中誌Web
【新しいワクチンの展望】 インフルエンザワクチン
Source:化学療法の領域(0913-2384) 25巻7号 Page1453-1458(2009.06)
Author:板村繁之(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
Abstract:現行インフルエンザワクチンの課題を克服するために、経鼻接種ワクチン、細胞培養ワクチン、アジュバント添加ワクチン、組換えワクチンなどの新規ワクチンの開発が進められている。新規ワクチンは、(1)粘膜免疫誘導に優れ、感染防御能が高いこと、(2)ウイルスの宿主変異による抗原変異の問題がなく、流行株に対して有効な抗体応答が誘導できること、(3)広範囲の抗原変異したウイルスに対応できることなどが、ワクチンとして期待される。また、新型インフルエンザなどの緊急事態に対応できるように、現行の発育鶏卵を使用したワクチンと異なり製造方法がスケールアップに対応しやすいことや、ワクチンに使用するウイルス抗原量を節約できることなども重要な点である。(著者抄録)

2009260415
医中誌Web
新型インフルエンザ対策を考える 豚由来新型インフルエンザ(A型H1N1)
Source:プレホスピタル・ケア 22巻3号 Page38-46(2009.06)
Author:浦島充佳(東京慈恵会医科大学)

2009260411
医中誌Web
【健康管理について考える】 感染症の病原体に暴露した時の対応 特に新型インフルエンザ、結核、ウイルス性肝炎について
Source:プレホスピタル・ケア 22巻3号 Page18-24(2009.06)
Author:西塚至(渋谷区恵比寿保健相談所)

2009260202
医中誌Web
ライフサイエンスQ&A 新型インフルエンザH1N1の「H」と「N」とは何?
Source:Medical Bio(1881-9354) 6巻4号 Page98(2009.07)
Author:山口美佳(日本科学未来館)

2009259573
医中誌Web
新型インフルエンザ発生で考えたこと パンデミックの歴史と経験から
Source:臨牀と研究(0021-4965) 86巻6号 Page11-14(2009.06)
Author:加地正郎(久留米大学)

2009257323
医中誌Web
新型インフルエンザと慢性透析治療
Source:臨床透析(0910-5808) 25巻6号 Page758-759(2009.06)
Author:秋葉隆(東京女子医科大学 血液浄化療法科)

2009256845
医中誌Web
企業と新型インフルエンザに関して 新型インフルエンザとその対策
Source:交通医学(0022-5274) 63巻1-2号 Page2(2009.03)
Author:森島恒雄(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科小児医科学)

2009247274
医中誌Web
話題を探る 新型インフルエンザA(H1N1)の最新知見 内外の公開情報から具体的特徴がみえてきた
Source:MMJ 5巻6号 Page324-325(2009.06)
Author:和田耕治(北里大学 医学部衛生学公衆衛生学)

2009246295
医中誌Web
医療従事者のための新型インフルエンザへの具体的な対応 冷静で適切な対応のために何が必要か?【ブタ由来インフルエンザA(H1N1)】
Source:INFECTION CONTROL(0919-1011) 18巻7号 Page642-646(2009.07)
Author:森兼啓太(国立感染症研究所感染症情報センター)

2009246225
医中誌Web
【救急医療と医療安全】 感染と医療安全 救急室(ER)における感染対策
Source:救急医学(0385-8162) 33巻6号 Page703-708(2009.06)
Author:松田外志朗(近畿大学医学部附属病院 救急診療部), 嶋津岳士

2009246121
医中誌Web
新型インフルエンザ(A:H1N1swine)について さしあたっての11ポイント
Source:Virus Report(1349-6956) 6巻1号 Page8-9(2009.05)
Author:松本慶蔵(長崎大学)

2009243435
医中誌Web MedicalOnline
奈良県における抗インフルエンザ薬耐性ウイルスの発生状況(2008/09) オセルタミビルおよびアマンタジン
Source:臨床とウイルス(0303-8092) 37巻3号 Page207-210(2009.05)
Author:北堀吉映(奈良県保健環境研究センター), 今西芳貴, 岡山明子, 井上ゆみ子, 堺春美
Abstract:2008年11月~2009年3月に県感染症発生動向調査の定点医療機関で採取された咽頭ぬぐい液及びうがい液から同定されたA型インフルエンザウイルス46株(A/H1N1型32株、A/H3N2型14株)を対象に、RT-PCR/ダイレクトシーケンス及びBLASTで解析した。県南部で11月に採取されたA/H1N1型ウイルスを初発とし、12月にはA/H3N2型が先行し、本格的な流行を迎え、ピークは1月でA/H1N1型優位で推移し2月後半まで継続し、3月に終息した。A/H1N1型32株のうち30株はオセルタミビル耐性でNA領域のアミノ酸275位のヒスチジンがチロシンに置換していた。残り2株は正常配列であった。A/H1N1型ではオセルタミビル耐性が圧倒的優位で、同時期に流行したA/H3N2型は全てアマンタジン耐性が確認され前シーズンからの継続的傾向がうかがえた。

2009230111
医中誌Web
2009A/H1N1インフルエンザをどう考える
Source:正しい治療と薬の情報(0914-434X) 24巻5号 Page52-54,56-58(2009.05)
Author:浜六郎(医薬ビジランスセンター)

2009229653
医中誌Web MedicalOnline
【このワクチン必要か】 新型インフルエンザワクチン
Source:臨床とウイルス(0303-8092) 37巻3号 Page112-125(2009.05)
Author:堺春美(みやぎ会介護老人保健施設とわだ), 木村三生夫

2009229006
医中誌Web
【Emergency 実戦ガイド】 疾患と対応 呼吸器 インフルエンザ・トリインフルエンザ・新型インフルエンザ
Source:内科(0022-1961) 103巻6号 Page1224-1230(2009.06)
Author:樫山鉄矢(東京都立府中病院 救急診療科)

2009227958
医中誌Web
ナースが知っておきたい 新型インフルエンザAへの対応とマスクの使い方
Source:Expert Nurse(0911-0194) 25巻7号 Page126-127(2009.06)
Author:大久保憲(東京医療保健大学 大学院感染制御学)

2009221382
医中誌Web
感染症流行予測調査事業(2007-2008) インフルエンザ感受性調査、感染源調査及び麻疹感受性調査
Source:京都府保健環境研究所年報(1341-4232) 53号 Page7-14(2009.03)
Author:石崎徹(京都府保健環境研究所), 渡邊英史, 木上照子, 柳瀬杉夫
Abstract:2007年8~10月に得られた京都府内3ヶ所の病院の患者(0~83歳)、および病院関係者の血清220検体を対象に、抗インフルエンザウイルス抗体価を測定した。各株の抗体保有率は異なり、抗体保有率が低い年齢群がみられた。すなわち、抗A/Solomon islands/3/2006は40歳以上、抗A/Hiroshima/52/2005は社会的免疫度の低い年齢層、抗B/Malaysia/2506/2002は全年齢層、抗B/Florida/7/2004は10-19歳群を除いた年齢層、抗A/Kyoto/14/2007は5歳まで、30歳代、50歳代であった。以上のような抗体保有率が低い年齢群に対しては積極的にワクチン接種をする必要があると考えられた。府内の2007-2008シーズンのインフルエンザ患者数は2006-2007シーズンの1/4であった。流行の主流はA/H1N1型で、ブタへの進入はなかったものと推察された。また、麻疹の抗体保有率は高率であったが、すべての年齢層において8.9~63%の感受性者が存在し、麻疹ワクチンの継続接種が流行抑制には必要だと思われた。

2009216439
医中誌Web CrossRef
Clinacanthus siamensis(CS)の葉抽出物がインフルエンザウイルス感染に及ぼす効果(Effects of Clinacanthus siamensis leaf extract on influenza virus infection)
Source:Microbiology and Immunology(0385-5600) 53巻2号 Page66-74(2009.02)
Author:WirotesangthongMali(タイ), NagaiTakayuki, YamadaHaruki, AmnuoypolSurattana, MungmeeChutichot
Abstract:薬用植物20種のエタノール抽出物のインフルエンザウイルスNA阻害およびin vitro抗ウイルス性活性を、MDCK細胞を用いてMTTアッセイでスクリーニングした。NA阻害分析ではinfluenza virus A/New Caledonia/20/99(H1N1)、mouse-adapted influenza virus A/Guizhou/54/89(A/G)(H3N2)、mouse-adapted influenza virus B/Ibaraki/2/85(B/I)のワクチン蛋白質を、またin vitro抗ウイルスアッセイではmouse-adapted influenza virus A/PR/8/34(H1N1)、A/G、B/Iを用いた。in vitro抗ウイルスアッセイの結果では、A/Gウイルスが最も強い感受性を示し、CSの葉抽出物が最も高いin vitro抗A/Gウイルス活性(41.98%)を有していた。このことから、in vivo抗インフルエンザウイルス活性の研究には、A/GウイルスとCS抽出物を選択した。BALB/cマウスに、感染の4時間前から4日後まで、CS抽出物を経口投与した(100mg/kg/日、5回)。CS抽出物は、BAWにおける抗インフルエンザウイルスIgG1抗体の産生を有意に誘発し、感染19日目のoseltamivir投与群(0.1mg/kg/日)や17~19日目の水投与群と比較して、マウス体重を増加させた。さらにCS抽出物は、BAWにおいてoseltamivirより高い抗インフルエンザウイルスIgA抗体を産生し、水と比較して抗インフルエンザウイルスIgAの増加傾向を示した。これらの結果は、CS抽出物がインフルエンザウイルス感染に対して防護効果を有することを示唆していた。

2009215241
医中誌Web
2007~2008年インフルエンザシーズン中の、横浜市における起源の異なるoseltamivir耐性インフルエンザA/H1N1ウイルスの分離(Isolation of Oseltamivir-Resistant Influenza A/H1N1 Virus of Different Origins in Yokohama City, Japan, during the 2007 - 2008 Influenza Season)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 62巻1号 Page83-86(2009.01)
Author:KawakamiChiharu(横浜市衛生研究所), ObuchiMasatsugu, SaikusaMiwako, NoguchiYuzo, UjikeMakoto, OdagiriTakato, IwataMami, ToyozawaTakahiro, TashiroMasato

2009213911
医中誌Web MedicalOnline
小児のA香港型インフルエンザは低年齢児に多い 奈良県における1998/99~2007/08シーズンのウイルス分離成績から
Source:小児科臨床(0021-518X) 62巻6号 Page1105-1110(2009.06)
Author:松永健司(済生会御所病院 小児科), 野並京子, 林有紀子, 大村真曜子, 山田佳世, 武山雅博, 矢本陽子, 今津美由紀
Abstract:インフルエンザ(Flu)のなかで、熱性けいれんや脳症はA香港型に最も多い。1998年以降、当科では小児科定点としてFluの動向に注目し、Flu様疾患のうち脱水症や熱性けいれんなど合併症のみられる児を対象にウイルス分離を行ってきた。10年間(1998/99~2007/08シーズン)に172例の鼻咽頭拭い液からFluウイルスが検出された。内訳はAソ連型(AH1)41例、A香港型(AH3)77例、B型54例で、この172例を対象に、罹患年齢や年度別および月別発生など疫学的特徴について検討した。Aソ連型とB型には流行年とともに、非流行年(両型とも3年連続を含む)があるのに対して、A香港型はすべての年度で検出された。罹患年齢を比較すると、Aソ連型(5.0±3.2歳)とB型(5.0±3.1歳)に比べて、A香港型(3.5±3.2歳)で有意に(p<0.01)低かった。A香港型Fluが特徴的な流行態度(10年連続)から浸透して、年長児の抗体保有率が上昇し、低年齢児に罹患が集中するのではないかと推察される。(著者抄録)

2009213631
医中誌Web
タミフル耐性インフルエンザの状況・対処法
Source:日本医事新報(0385-9215) 4439号 Page76-77(2009.05)
Author:川名明彦(防衛医科大学校 内科学講座2)

2009207917
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2007年10月~2008年4月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 47号 Page81-88(2008.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 百木智子, 七種美和子, 野口有三, 田代好子, 佐々木一也, 豊澤隆弘
Abstract:横浜市におけるインフルエンザの流行について報告した。2007年11月6日から2008年3月13日までに発生した集団かぜは、11区18施設154学級と中規模な流行で、AH1N1型ウイルスが主流であった。また、オセルタミビル耐性ウイルスによる国内初の集団発生を確認した。病原体定点ウイルス調査におけるウイルス分離状況ではAH1N1型ウイルスが85.9%を占め主流であったが、シーズン後半にはAH3N2型やB型ウイルスも分離した。AH1N1型ウイルスの抗原性状は、今シーズンのワクチン株と低い反応性を示す抗原変異株が多くみられ、その割合は分離株総数の74.4%であった。AH3N2型ウイルスの抗原性状は、ワクチン株と反応性が低い抗原変異株がみられ、その割合は分離株総数の57%であった。B型ウイルスは山形系統のウイルスが分離され、2005/2006シーズンのワクチン株との反応性は低かった。

2009204360
医中誌Web
本邦6地域におけるオセルタミビル耐性H275Y変異A/H1N1インフルエンザウイルス発生頻度
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 83巻臨増号 Page187(2009.03)
Author:鈴木康司(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生学分野), 齋藤玲子, 西藤岳彦, ザラケット・ハッサン, 小熊妙子, バラノビッチ・タチアナ, 川島崇, 佐藤勇, 日比成美, 生嶋聡, 藤原史博, 橋田哲夫, 真崎宏則, 星野和彦, 麻生憲史, 出川聡, 川上千春, 鈴木宏

2009204359
医中誌Web
2007/2008、および2008/2009 オセルタミビル耐性H1N1インフルエンザウイルスの流行
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 83巻臨増号 Page186(2009.03)
Author:田村大輔(東京大学医科学研究所 感染免疫部門ウイルス感染分野), 菅谷憲夫, 三田村敬子, 山崎雅彦, 市川正孝, 藤野元子, 韮澤真理, 安倍隆, 浅野喜造, 川上千春, 清水英明, 渡邊寿美, 秦真美, 皆川洋子

2009201776
医中誌Web
小児血液・腫瘍患者におけるインフルエンザワクチンの抗体反応
Source:日本小児科学会雑誌(0001-6543) 113巻3号 Page533-538(2009.03)
Author:大嶋宏一(埼玉県立小児医療センター 血液・腫瘍科), 菊地陽, 望月慎史, 花田良二
Abstract:化学療法中もしくは免疫抑制剤内服中の小児血液・腫瘍患者24例及び治療を終了した10例を対象に、インフルエンザワクチンの有効性について検討した。年齢は1~16歳で、中央値は7歳である。ワクチンの接種は、シーズン前に31例に2回、3例に1回行った。接種前にHI抗体価40倍未満であった例で40倍以上の抗体価を獲得したのは、H1N1で38%、H3N2で12%、Bで10%であった。また、4倍以上の抗体価上昇例はH1N1で35%、H3N2で32%、Bで12%で、6歳以上のH1N1の有効防御免疫抗体価は有意に多く獲得していた。副反応は認めなかった。以上より、小児血液・腫瘍患者に対してインフルエンザワクチン接種を積極的に行うことは意義があり、特に6歳以上の例に有効性があると考えられた。

2009198920
医中誌Web MedicalOnline
オセルタミビル(商品名タミフル)耐性インフルエンザA/H1N1ウイルスの国内外の流行
Source:Medical Technology(0389-1887) 37巻5号 Page440-441(2009.05)
Author:小田切孝人(国立感染症研究所 ウイルス第3部インフルエンザウイルス室)

2009182353
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
1976年の米国のブタインフルエンザ騒動について(その1)
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page152-160(2009.04)
Author:西村秀一(国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部病因研究室)
Abstract:1976年1月に、米国の陸軍キャンプでインフルエンザが流行し、新兵の一人が行軍中に死亡した。調査の結果、この流行のなかからブタインフルエンザウイルスが分離され、これが1918年のものと同じようなパンデミックを引き起こすことが懸念され、全国民向けのブタインフルエンザワクチンの大規模接種事業が開始された。だが、ブタインフルエンザのパンデミックは起きず、それどころか接種者のなかにギランバレー症候群を発症する人たちが出てきたためにこの事業は中止を余儀なくされた。そして、これがもとでフォードはその年にあった大統領選挙での再選が絶たれた。(著者抄録)

2009182350
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
治療 耐性ウイルスを見据えた抗インフルエンザ薬治療 オセルタミビルの有効性の推移
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page125-131(2009.04)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 岩城紀男, 前田哲也, 川島崇, 廣津伸夫, 池松秀之, 柏木征三郎
Abstract:最近、世界的にオセルタミビル耐性ウイルスの出現が報告されている。本稿では2003/2004年以降のウイルス培養、感受性試験(IC50)、遺伝子解析、臨床効果などから同薬の有効性の推移を検討し、耐性ウイルスを見据えた抗インフルエンザ薬治療について考えた。同薬投与4~6病日のウイルス残存率は2007/2008年まで5シーズン、A/H1N1,A/H3N2,Bの各型で年度間に有意差はなかった。IC50は2006/2007年までA/H3N2,Bとも投与前後で有意変化なく、Bでのみ2004/2005年と2006/2007年間に投与前、投与後ともに有意な増加を認めた。日本臨床内科医会の臨床分離株では現時点までに判明した遺伝子解析で耐性ウイルス関連変異はなかった。迅速診断A型例での解熱時間は過去5シーズン大きな変化はなかった。2007年末以降の本薬耐性A/H1N1の世界的増加などを考慮した抗インフルエンザ薬治療指針の私案も作成した。(著者抄録)

2009182348
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
インフルエンザ 最近の話題
Source:インフルエンザ(1345-8345) 10巻2号 Page105-118(2009.04)
Author:菅谷憲夫(神奈川県警友会けいゆう病院 小児科), 川上千春, 三田村敬子

2009180840
医中誌Web
オセルタミビル投与前から耐性株が検出されたAソ連型インフルエンザの小児例
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 83巻2号 Page162(2009.03)
Author:三田村敬子(ライフ・エクステンション研究所附属永寿総合病院 小児科), 田村大輔, 山崎雅彦, 市川正孝, 清水英明, 川上千春, 渡邊寿美, 河岡義裕, 菅谷憲夫

2009180839
医中誌Web
2007/08オセルタミビル耐性H1N1インフルエンザウイルスの流行
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 83巻2号 Page162(2009.03)
Author:田村大輔(東京大学医科学研究所 感染免疫部門ウイルス感染分野), 菅谷憲夫, 三田村敬子, 山崎雅彦, 市川正孝, 藤野元子, 韮澤真理, 小林紫英, 安倍隆, 浅野喜造, 川上千春, 清水英明, 渡邉寿美, 秦眞美, 皆川洋子, 高橋和郎, 河岡義裕

2009180838
医中誌Web
オセルタミビル耐性AH1N1型インフルエンザウイルスの地域流行
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 83巻2号 Page161-162(2009.03)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所), 七種美和子

2009178155
医中誌Web
免疫抑制薬を使用している小児リウマチ性疾患児(若年性特発性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、皮膚筋炎、混合性結合組織病)に対するインフルエンザワクチンの免疫原性、安全性の検討
Source:埼玉県医学会雑誌(0389-0899) 43巻2号 Page443-448(2009.03)
Author:大石勉(埼玉県立小児医療センター 感染免疫科), 冠木智之, 田中理砂, 大宜見力, 田村英一郎, 山本英明, 荒井孝
Abstract:免疫抑制療法中の小児リウマチ性疾患児48例を対象にインフルエンザワクチンの2回接種を行い、その免疫原性、安全性について検討した。ワクチン接種前後2回の抗体検査を行い、免疫未使用の非リウマチ性疾患患児31例(対照児)と比較した結果、対象患児はワクチン接種後に対照児とほぼ同等の抗体価を獲得していた。また、接種後4倍以上の抗体価上昇を示した割合、HIが40倍以上示した割合に関しても両群間で有意差はみられなかった。尚、重大な副作用や接種による病態の悪化などは観察されなかった。以上より、免疫抑制療法中の小児リウマチ性疾患児に対するインフルエンザワクチン接種は、良好な抗体反応を呈し、かつ安全に投与できることが示唆された。

2009177490
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2007/2008年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 49号 Page91-96(2008.12)
Author:小村珠喜(島根県保健環境科学研究所), 田原研司, 糸川浩司, 飯塚節子, 保科健
Abstract:2007/2008年におけるインフルエンザ様疾患の流行状況を解析した。その結果、1)今シーズンの島根県の流行は、99/00シーズン以降3番目に少ない小流行であったが、流行の開始(11月初旬)や立ち上がりが早く、2月上旬にピークとなり、4月下旬にほぼ終息した。2)年齢別患者数は4~9歳が他年代に比べ突出して多く、次いで1~4歳であった。3)分離されたウイルスは169株で、内訳はAソ連型138株(82%)、A香港型7株(4%)、B型24株(14%)とAソ連型主体の流行であった。4)分離されたウイルスの抗原性解析では、Aソ連型のウイルスはワクチン株のA/Solomon Islands/3/2006とその類似株の2種類であり、A香港株(A/H3N2)はHI価がワクチン株と4倍以上異なる株がほとんどであった。尚、B型の24株中17株が山形系統、7株がビクトリア系統であった。5)A/H1N1抗インフルエンザ薬剤耐性株サーベイランスでは、島根県の83株中1株がタミフル耐性株であった。

2009177305
医中誌Web
福岡県で分離されたインフルエンザウイルス株の抗原及び薬剤耐性に関する遺伝子レベルでの解析
Source:福岡県保健環境研究所年報(0918-9173) 35号 Page65-70(2008.12)
Author:世良暢之(福岡県保健環境研究所), 江藤良樹, 中山志幸, 石橋哲也, 千々和勝己
Abstract:著者らは福岡県で分離されたインフルエンザウイルス株の抗原および薬剤耐性に関する遺伝子レベルでの解析を行った。対象は平成17~19年度に分離されたインフルエンザウイルス株であった。1)分離されたインフルエンザウイルス株の亜型は平成17、18年度ではA/H3型が最も多く、平成19年度はA/H1型が優位であった。2)抗原解析ではA/H1型株はワクチン株のA/Solomon Islands/3/2006(H1N1)株類似株、A/H3型株はワクチン株のA/Hiroshima/52/2005(H3N2)株からの変異であった。3)赤血球凝集素(HA)遺伝子解析ではA/H1N1型株はワクチン株のA/Solomon Islands/3/2006株とA/New Caledonia/20/99株から分岐し、A/H3N2型株はワクチン株のA/Hiroshima/52/2005株と近縁、B型株もワクチン株のB/Malaysia/2506/2004株と近縁であった。4)NA遺伝子解析では塩基配列決定を行った55株すべてで治療薬のリン酸オセルタミビルに対する耐性は認められなかった。

2009176298
医中誌Web
平成19年度感染症流行予測調査結果
Source:群馬県衛生環境研究所年報(1340-265X) 40号 Page68-73(2008.11)
Author:塩野雅孝(群馬県衛生環境研究所 保健予防課), 鈴木智之, 塩原正枝, 森田幸雄, 加藤政彦
Abstract:平成19年度における群馬県の感染症流行予測調査結果を報告した。1)インフルエンザの流行状況では2006/07シーズンの流行のピーク時期は2004/05、2005/06シーズンに比べ遅かった。2)2007/08シーズン用のインフルエンザワクチン株に対する抗体保有状況では、A/ソロモン諸島/3/2006(H1N1)株に対するHI抗体保有率は26.6%、A/広島/52/2005(H3N2)では35.4%、B/マレーシア/2506/2004株では11.6%、B/フロリダ/7/2004株では23.6%であった。3)ブタの日本脳炎感染源調査では160頭の赤血球凝集抑制試験によるHI抗体価はすべて10以下であり、平成19年度の県内のブタの日本脳炎流行は極めて少なかったと考えられた。4)風疹のHI抗体価8以上の抗体保有率は88.6%、32以上の抗体保有率は79.7%と感受性者が多く存在すると推定された。5)麻疹のPA抗体価16以上の抗体保有率は93.4%、128以上の抗体保有率は80.8%であったが、若年者に64以下が10~20%前後存在し、注意が必要と考えられた。

2009175076
医中誌Web CrossRef
L-シスチンとL-セアニンの併用投与は高齢者のインフルエンザワクチンの効果を高める 栄養状態依存免疫原性(Co-administration of L-cystine and L-theanine enhances efficacy of influenza vaccination in elderly persons: Nutritional status-dependent immunogenicity)
Source:Geriatrics & Gerontology International(1444-1586) 8巻4号 Page243-250(2008.12)
Author:MiyagawaKoichi(名古屋市厚生院 内科), HayashiYoshimitsu, KuriharaShigekazu, MaedaAkiko
Abstract:養護施設の入所者55名に、無作為にL-シスチン(C)とL-セアニン(T)かプラセボを投与した。C+T投与群は32名(男14名、女18名、平均76.0±9.2歳)、プラセボ投与群は33名(男15名、女18名、平均77.4±9.2歳)であった。これらをインフルエンザワクチン接種前の14日間経口投与し、ワクチン接種前と接種後4週間に血清インフルエンザウイルス抗体を測定した。ワクチン接種により血球凝集抑制(HI)試験値は全員が上昇した。ワクチン接種後のHI値は両群で有意差は認めず、セロコンバージョン率にも有意差はなかった。層別分析でインフルエンザウイルスAのセロコンバージョン率は、血清総蛋白とヘモグロビンの低いC+T投与群の方がプラセボ群より有意に大きいことが分かった。

2009160960
医中誌Web
滋賀県におけるインフルエンザの流行について(2007/2008年シーズン)
Source:滋賀県衛生科学センター所報(1880-4519) 43巻 Page45-51(2009.03)
Author:松本文美絵(滋賀県衛生科学センター), 大内好美, 田中千香子, 南祐一, 吉田とも江, 川添正幸
Abstract:2007/2008年シーズンにおける滋賀県内のインフルエンザ流行状況について報告した。その結果、1)2007/2008年シーズンの滋賀県内におけるインフルエンザの流行はAH1型が主流であり、全国の結果と同様であった。2)最初の患者発生報告は例年より早い2007年第42週であったが、流行のピークは2008年第6週と例年どおりであった。3)感染症発生動向調査における過去10年間の流行シーズン別定点あたり総患者数からみると、2007/2008年シーズンは滋賀県が122.82人/定点、全国が140.61人/定点で、滋賀県では過去10シーズンで8番目と少なかった。

2009160810
医中誌Web
平成19年度感染症流行予測調査
Source:栃木県保健環境センター年報(1342-6397) 13号 Page77-83(2008.10)
Author:栃木県保健環境センター微生物部(栃木県保健環境センター 微生物部)
Abstract:平成19年度の栃木県において、日本脳炎の感染源調査、風疹、麻疹及びインフルエンザの感受性調査を行った。生後6ヵ月齢肥育豚を対象に、1回あたり20頭、計8回160頭の採血を行った。赤血球凝集抑制(HI)試験を行い、HI抗体価10倍以上を陽性とした。風疹感受性調査は190例を対象とした。麻疹感受性調査とインフルエンザ感受性調査は風疹と同じ被検血清を用いた。HI抗体価陽性検体は4検体で、HI抗体価10倍であった。風疹抗体陽性率は92.1%であった。麻疹抗体陽性率は99.5%であった。インフルエンザ抗体保有状況は、A/Solomon Islands/3/2006/3/2006(H1N1)HI抗体陽性率81.6%、A/Hiroshima/52/2005(H3N2)HI抗体陽性率は91.1%、B/Malaysia/2506/2004HI抗体陽性率は96.8%、B/Florida/7/2004HI抗体陽性率は96.8%であった。

2009160808
医中誌Web
2007/2008シーズンに栃木県において分離されたインフルエンザウイルスの解析
Source:栃木県保健環境センター年報(1342-6397) 13号 Page71-72(2008.10)
Author:栃木県保健環境センター微生物部(栃木県保健環境センター 微生物部)
Abstract:2007/2008シーズンにおけるインフルエンザ流行状況を明らかにするため、搬入された検体についてウイルス分離、同定および抗原解析を行い、2007/2008シーズンの流行の主流となったAH1亜型インフルエンザウイルスはHA1遺伝子の系統樹解析およびノイラミニダーゼ阻害薬耐性調査を行った。集団事例および発生動向調査のインフルエンザ患者から採取した55検体、117検体を用いた。55検体中24検体からインフルエンザウイルスを分離し、全てAH1亜型であった。また、117検体中94検体からインフルエンザウイルスを分離し、87株がAH1亜型であった。ワクチンから抗原性が変異した株が90%以上を占めた。AH1亜型のHA遺伝子解析では2007/2008シーズンは大きく二つのグループに分かれ、ワクチン株とは異なるグループに分類された。AH1亜型のNA遺伝子解析でオセルタミビル耐性株を確認した。

2009160018
医中誌Web
2007/08シーズンノイラミニダーゼ阻害剤耐性H274Y変異A/H1N1インフルエンザウイルスの発生
Source:外来小児科(1345-8043) 11巻3号 Page391(2008.11)
Author:鈴木康司(新潟大学 国際感染医学講座公衆衛生学分野)

2009158356
医中誌Web
ウイルス感染 インフルエンザウイルス感染で誘導される急性肺障害におけるIL-15の役割(A crucial role of IL-15 in acute lung injury induced by influenza virus infection in mice)
Source:日本免疫学会総会・学術集会記録(0919-1984) 38巻 Page240(2008.11)
Author:MaedaNaoyoshi(九州大学生体防御医学研究所附属感染防御研究センター 感染制御学分野), TangCe, ShibataKensuke, ItsumiMomoe, YamadaHisakata, KaseTetsuo, YoshikaiYasunobu

2009156654
医中誌Web
【アトラス消化管感染症】 消化管感染症診療に必要な法律の知識 感染症新法、対応法
Source:消化器内視鏡(0915-3217) 21巻3号 Page326-332(2009.03)
Author:高橋央(長野県立須坂病院 感染症内科)
Abstract:「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、感染症新法」は、1世紀の間改変されなかった旧伝染病予防法を基とした感染症基本法である。国内で重要な疾病を類別化し、その発生動向について、情報収集および公表、健康診断、就業制限および入院の規定、消毒その他の処置が網羅的に規定された。患者の人権にも配慮した適正な医療についても、全国一律の基準を設けた。病原体を保有した動物の輸入に規制をかけ、バイオセーフティレベルに合わせて実験室での病原体保有を制限している。これらの規定には、罰則も設けられている。消化管感染症診療では、三類感染症を中心として、しばしば遭遇する感染症がある。また、ウイルス性肝炎やHIV感染症は術前スクリーニング検査で見つかることがある。患者個人の消化器病を治療するだけでなく、隠れた感染症にも目を向け、施設内や地域の感染症対策も念頭に入れた法律の遵守とサーベイランスデータの活用が求められる。(著者抄録)

2009155825
医中誌Web MedicalFinder
パートナーシップ時代の国際保健協力 これから国際保健協力を志す若者への10章 国際保健における知的所有権問題とUNITAIDなどの新しい動きについて
Source:公衆衛生(0368-5187) 73巻4号 Page294-298(2009.04)
Author:鷲見学(世界保健機構 本部総務局), エドワード・ベラ, 武井貞治, 中谷比呂樹

2009154276
医中誌Web MedicalOnline
ROOTS&ROUTES 感染の嵐 Microbial Storm
Source:臨床と微生物(0910-7029) 36巻2号 Page170-173(2009.03)
Author:栗村敬(大阪大学)

2009149998
医中誌Web MedicalOnline
新型インフルエンザが地域で散発的に発生した場合のNICU医療者としての対応
Source:日本未熟児新生児学会雑誌(1347-8540) 21巻1号 Page142-145(2009.02)
Author:原田明佳(大阪市立総合医療センター), 北島順子, 佐藤歩, 添野愛基, 野矢三樹, 藤岡一路, 宮島悠子, 山本和歌子
Abstract:新型インフルエンザとは過去に経験したことがない、ヒト-ヒト感染により伝播するインフルエンザウイルスである。今回我々は、平成19年に厚生労働省が作成しガイドラインを参考に、周産期医療に特徴的な問題を抽出、患者発生時の感染拡大防止について、新生児科医の目線で検討した。その結果、問題点として、経母乳感染など一部の感染経路が特殊であること、治療・予防法が未確立であること、医療設備に改善の余地が多く残されていること、地域の医療機関の役割分担が必要であることが挙げられた。新型インフルエンザ発生は、遠くない未来に濃厚に起こりえる危急事態であり、実際に患者が発生し、日本中がパニックに陥れば、周産期医療への配慮が希薄になる事も多いに予想される。我々新生児科医が、今から対策を講じ、実際に発生した場合には感染拡大防止に尽力できるよう、備えていかなければならないと思われた。(著者抄録)

2009144884
医中誌Web J-STAGE
Madino-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞で評価したMyrica rubra葉エタノールエキスの抗インフルエンザウイルス活性(Anti-Influenza Virus Activity of Myrica rubra Leaf Ethanol Extract Evaluated Using Madino-Darby Canine Kidney (MDCK) Cells)
Source:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry(0916-8451) 72巻11号 Page3018-3020(2008.11)
Author:MochidaKyo(島根県保健環境科学研究所)
Abstract:Myrica rubra(ヤマモモ)にはメラニン合成阻害作用や抗腫瘍作用が知られているが、抗インフルエンザウイルス活性に関する報告は見られない。ヤマモモの葉のエタノールエキスを、インフルエンザウイルスを接種したMadino-Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞培地に添加し、本エキスがインフルエンザウイルスの複製阻害に及ぼす効果を検討した。その結果、本エキスはA型インフルエンザウイルス(H1N1)とそのサブタイプ(H3N2)、ならびにB型インフルエンザウイルスの血球凝集素抗原型とは無関係に、抗インフルエンザ活性を示すことが分かった。ヤマモモはカテキンやタンニンなどのポリフェノールを含むため、抗インフルエンザウイルス活性を示す活性本体はポリフェノールと思われた。

2009142142
医中誌Web MedicalOnline
【その治療、耐性菌誘発の原因になっていませんか? 耐性菌呼吸器感染症の予防と治療の最新動向】 病原体別にみた薬剤耐性の現況と対応 インフルエンザウイルス
Source:分子呼吸器病(1342-436X) 13巻1号 Page65-69(2009.01)
Author:畠山修司(東京大学医学部附属病院 感染制御部・感染症内科)
Abstract:<Lecture Key Notes>・現在,A型インフルエンザウイルスのアマンタジンに対する耐性率はきわめて高い.・ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスに対する知見が集積されつつある.臨床経過に与える影響は今後検討されるべき課題である.・オセルタミビル耐性A型インフルエンザウイルス(H1N1)の流行がみられた.耐性ウイルスの出現とその拡がりに厳重な監視を継続する必要がある.(著者抄録)

2009133743
医中誌Web
蛋白分解酵素阻害剤(FOY)投与によるインフルエンザウイルス感染および重症化抑制の検討
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 82巻6号 Page762(2008.11)
Author:小佐井康介(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座(第二内科)), 関雅文, 栗原慎太郎, 中村茂樹, 泉川公一, ・ 屋弘, 柳原克紀, 山本善裕, 田代隆良, 河野茂

2009124573
医中誌Web
インフルエンザA/H1N1オセルタミビル耐性株(H275Y)の国内発生状況
Source:小児科(0037-4121) 50巻1号 Page59-68(2009.01)
Author:氏家誠(国立感染症研究所 ウイルス3部インフルエンザ室), 小田切孝人

2009101920
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 31号 Page85-93,95(2008.12)
Author:堀元栄詞(富山県衛生研究所), 中村一哉, 小原真・ , 岩井雅恵, 長谷川澄代, 滝澤剛則, 倉田毅, 田中桂子, 南部厚子, 中澤保文, 田中有易知, 上田順子, 嶋尻悟志
Abstract:インフルエンザ流行期前の富山県住民の抗体保有状況、および流行期のインフルエンザ様患者からのウイルス分離を実施した。県内住民300例について調査を行った。抗体保有率は、2007/08シーズンワクチン株のA/Solomon Islands/3/2006(H1N1)40.7%、A/Hiroshima/52/2005(H3N2)38.3%およびB/Malaysia/2506/2004(ビクトリア系統)13.0%、参考株のB/Florida/7/2004(山形系統)28.0%、2006/07シーズンワクチン株のA/New Caledonia/20/99(H1N1)51.3%およびB/Shanghai/361/2002(山形系統)45.7%であった。シーズン序盤はAH3型、年明けからはAH1型が中心となり、終盤にはAH3型とB型が混在した。分離株の抗原解析の結果、AH1型はワクチン株と異なる抗原性を示す株が多く、AH3型は比較的類似する株が多かった。B型分離株のほとんどは山形系統で、ワクチン株と抗原性が類似する株が多かった。

2009081717
医中誌Web
病院職員におけるインフルエンザワクチン接種後のインフルエンザウイルス抗体価の検討
Source:旭川厚生病院医誌(0917-8066) 18巻1号 Page21-24(2008.06)
Author:坂田宏(旭川厚生病院 感染制御チーム)
Abstract:著者らの施設における職員有志の協力者を得、2006年10月上旬のワクチン接種前、ワクチン接種が終了した2007年1月上旬、3月下旬におけるインフルエンザウイルスに対する血清抗体価を測定した。その結果、1)協力者の2006年のワクチン接種回数は未接種33名、1回接種57名、2回接種105名であった。2)ワクチン接種回数別による有効抗体価の獲得率では、A型H1N1における未接種群と2回接種群、A型H3N2における未接種群と2回接種群の間で有意差が認められた。3)3月末のA型H1N1における抗体価分布は有意差が得られなかったが、2回接種群の方が高い抗体価を有する傾向を示した。

2009073609
医中誌Web
【H5N1鳥インフルエンザ パンデミックとヒト感染メカニズム】 パンデミックウイルスの発生機構
Source:Medical Bio(1881-9354) 6巻1号 Page41-46(2009.01)
Author:山田晋弥(東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野), 河岡義裕

2009073607
医中誌Web
【H5N1鳥インフルエンザ パンデミックとヒト感染メカニズム】 スペイン風邪ウイルスの高病原性のメカニズム
Source:Medical Bio(1881-9354) 6巻1号 Page34-35(2009.01)
Author:渡辺登喜子(米国), 河岡義裕

2009073126
医中誌Web
2007年度感染症流行予測調査結果(日本脳炎、インフルエンザ、風しん、麻しん)の概要
Source:三重県保健環境研究所年報(1882-9139) 10号 Page86-91(2008.09)
Author:矢野拓弥(三重県科学技術振興センター保健環境研究所), 前田千恵, 中野陽子, 赤地重宏, 岩出義人, 永田克行
Abstract:感染症流行予測調査では、人の抗体調査による免疫保有状態の程度について年齢等の別により分布を知る感受性調査と、病原体の潜伏状況及び潜在流行を知る感染源調査を実施している。その結果確認された主な事実は次のとおりである。(1)日本脳炎感染源調査については三重県中部地域で飼育された豚の日本脳炎ウイルス(JEV)に対する赤血球凝集抑制(Hemagglutination inhibition:HI)抗体保有の有無を調査した。2007年7月9日にHI抗体陽性率が30%となり、IgM抗体の指標となる2-Mercaptoethanol(2-ME)感受性抗体は2頭で認められた。(2)ヒトの日本脳炎感受性調査での中和抗体価保有率は267人中170人(63.7%)であった。(3)動物のインフルエンザウイルスの侵入を監視する体制強化の一環として、豚100頭からのインフルエンザの分離を実施したが、ウイルスは分離されなかった。(4)ヒトのインフルエンザウイルスの流行動態及び規模に最も影響を及ぼす乳児から学童期の年齢層の流行期前のHI抗体保有率(40倍以上)は、A/Solomon Islands/3/2006(H1N1)は0-4歳7.9%、5-9歳46.2%、A/Hiroshima/52/2005(H3N2)は0-4歳32.9%、5-9歳50%であった。B型インフルエンザに対しては、B/Malaysia/2506/2004(ビクトリア系統)は0-4歳0%、5-9歳30.8%、B/Florida/7/2004(山形系統)は0-4歳5.3%、5-9歳38.5%であった。(5)風しん感受性調査での全年齢層におけるHI抗体保有率は83.5%(男性:78.0%、女性:90.6%)であった。(6)麻しん感受性調査での全年齢層におけるPA(Particle Agglutination Test)抗体保有率は95.5%であり、免疫獲得状況は良好であった。(著者抄録)

2009071694
医中誌Web MedicalOnline
【新型インフルエンザと季節性インフルエンザ】 新型インフルエンザ 新型インフルエンザA(H5N1)の臨床
Source:臨牀と研究(0021-4965) 85巻12号 Page1687-1690(2008.12)
Author:柏木征三郎(国立病院機構九州医療センター)

2009070275
医中誌Web
1918年スペインかぜ流行に学ぶ新型インフルエンザ対策
Source:大分県医師会会報 651号 Page21-23(2008.12)
Author:三倉剛(())

2009070112
医中誌Web MedicalOnline
2007/2008年冬におけるインフルエンザの解析
Source:日本医事新報(0385-9215) 4416号 Page70-75(2008.12)
Author:河合直樹(日本臨床内科医会), 池松秀之, 岩城紀男, 廣津伸夫, 高安健, 近藤邦夫, 金澤英夫, 松浦伸郎, 前田哲也, 洞庭賢一, 田中治, 佐々木義樓, 山内知, 小川直, 山西康仁, 原田知行, 大里篤志, 佐藤家隆, 井本雅美, 吉村緑, 外山学, 玉井精雄, 河村研一, 永井徹, 岡山勁, 田名毅, 友利博朗, 越野慶隆, 木村孝, 川島崇, 後藤由夫, 柏木征三郎
Abstract:日本臨床内科医会の全国41医療機関が参加した2007/8年シーズンのインフルエンザ研究結果を報告した。本シーズンの流行規模は小さく、ほとんどがA型で、2月まではA/H1N1、3月以降はA/H3N2が中心であった。ワクチンについては、非接種群よりも接種群でインフルエンザ発生率は有意に低かった。A型ワクチン有効率は1、2月は46~60%前後であったが、3月は6%と低く、A/H1N1とA/H3N2におけるワクチン接種前後の40倍以上の抗体価保有率の差異を反映している可能性が考えられた。抗インフルエンザ薬は、A型ではオセルタミビルとザナミビルの有効性は変わらず、オセルタミビルは過去5シーズンにおいて有効性に大きな変化はなかった。過去5シーズンのウイルス分離結果からは、A/H3N2ではオセルタミビル、B型ではザナミビルの有効性が高い可能性が示唆されたが、A/H3N2における両薬剤の差は臨床的には大きくないと考えられた。

2009046032
医中誌Web
2004年と2005年にタイで蔓延していたインフルエンザウイルス(Influenza Viruses Circulating in Thailand in 2004 and 2005)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 61巻4号 Page321-323(2008.07)
Author:WaicharoenSunthareeya(タイ), ThawatsuphaPranee, ChittaganpitchMalinee, ManeewongPaiboon, ThanadachakulThanasapa, SawanpanyalertPathom
Abstract:タイのNational Influenza Centerに集められたインフルエンザ患者の咽喉分泌物又は鼻咽喉吸引液は2004年3854サンプル、2005年3834サンプルであった。そのうち、2004年は539サンプルがインフルエンザ陽性(インフルエンザA 461,インフルエンザB 78)で、2005年は748サンプルが陽性(インフルエンザA 492,インフルエンザB 256)であった。インフルエンザAのサブタイプはH1N1 55,H3N2 437,H4N1 5で、H1N1は全てA/New Caledonia/20/99様であった。H3N2は2004年の前半はA/Fujian/411/2002様、後半はA/Wellington/1/2004様、A/California/7/2004様、A/wisconsin/67/2005様の混ざったものに徐々に移行していた。インフルエンザBはB/Sichuan/379/99様、B/Hong Kong/330/2001様、B/Shanghai/361/2002様、B/Malaysia/2506/2004様であった。2004~2005年に蔓延していた株はWHOにより推奨されたワクチンと抗原性が似通っていた。

2009043743
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 新型インフルエンザに対するワクチン
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1291-1295(2008.11)
Author:岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:パンデミックによる健康被害を少しでも軽減させるためには、公衆衛生的介入、医学的対応、社会的対応が必要であるが、ワクチンに期待するところは大きい。パンデミックワクチン、プレパンデミックワクチンは夢のようなワクチンではないが、わが国においても開発が進められている。プレパンデミックワクチンH5N1は、事前接種をすることによって基礎免疫を付与し、別系統のH5N1ウイルスの出現に対して交叉免疫、パンデミックワクチンによるブースター効果が期待できる。国産プレパンデミックワクチンは、ベトナム株(A/Viet Nam/1194/2004)の供与を受けて、既知の弱毒ウイルスA/PR8/(H1N1)とのリコンビナントウイルスを作製、ホルマリン不活化アルミアジュバント加全粒子型ワクチンが試作された。第II/III相臨床試験では、副反応は局所反応が中心であり、重大な副反応はなかった。70%以上に中和抗体の優位上昇がみられた。現在臨床研究としての大規模(6,000人目標)接種が行われ、安全性、プライミング、交叉免疫性、ブースター効果などの確認が進められている。ワクチンは感染症防御の重要な道具であり、余裕を持って手順を踏んだ開発を行っていくことが必要である。(著者抄録)

2009043735
医中誌Web
【新型インフルエンザ その対策】 インフルエンザの歴史
Source:成人病と生活習慣病(1347-0418) 38巻11号 Page1237-1243(2008.11)
Author:松本慶藏(長崎大学)
Abstract:インフルエンザはヒポクラテス時代から知られていた疫病であり、日本でも平安時代から知られていた疫病であった。今日の新しい見方から20世紀に入って、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜの3回の世界的大流行が良く知られている。スペインかぜの病原ウイルスは、今日の分子生物学の進歩から合成しうるまでになっている。しかし、この病原ウイルスは1933年、英国の研究者により、フェレットを用いて分離されたのが、ウイルス認知の始めてであった。インフルエンザウイルスはBurnet卿が鶏の受精卵内で増殖できることを明らかにして以来、血清学的試験も確立されて長足の進歩を遂げた。さらに、近年抗ウイルス薬(アマンタジンやノイラミニダーゼ阻害薬)が有効で、その後に簡便な迅速診断法も確立され、診断、治療も新しい時代を迎えている。インフルエンザはかぜ症候群としてとらえるより、インフルエンザ単独疾患としてとらえるべきである。現時点でトリ高病原性インフルエンザの鶏での大流行と、それより感染したヒト感染症があるが、これらはいずれもトリ型感染であって、新型インフルエンザではない。(著者抄録)

2009041277
医中誌Web
【インフルエンザとの戦い】 新型インフルエンザとは何か
Source:Medical Science Digest(1347-4340) 34巻14号 Page614-617(2008.12)
Author:岩附研子[堀本](東京大学 医科学研究所ウイルス感染分野), 河岡義裕
Abstract:前世紀、人類は新型インフルエンザによる3回の世界的大流行(パンデミック)を経験した。近代医学が発展し、ウイルスが分離され、そのさまざまな性状が明らかになった現代においても、いつ新型インフルエンザウイルスが出現するのか予測することは難しい。パンデミックは本当に起きるのか。また、起きるとしたら、いつどの程度の規模のパンデミックになるのか。それを予測することは困難である。しかし、過去のパンデミックの経験と教訓を生かし、新型インフルエンザを正しく理解し、十分な対策をとる必要がある。(著者抄録)

2009040416
医中誌Web
感染症流行予測調査事業におけるインフルエンザ感受性調査概要(平成19年度)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 30号 Page102-107(2008.11)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 増本久人, 坂本晃子, 舩津丸貞幸
Abstract:インフルエンザ流行前(ワクチン接種前)における抗体保有状況調査(感受性調査)を実施した。インフルエンザ流行前に採取した0~84歳までの血清231例を用いた。AH1亜型(A/Solomon Islands/3/2006)、AH3亜型(A/Hiroshima/52/2005)、B型ビクトリア系統株(B/Malaysia/2506/2004)、B型山形系統株(B/Florida/7/2004)の4種のウイルス株に対する抗体保有状況を調査した。ワクチン接種歴別での抗体保有状況をみると、HI抗体価10未満の群と10以上の群の間では、4種の株全てにおいて接種歴あり群のほうが接種歴なし群より有意に抗体保有率が高かった。また、有効防御免疫の指標とみなされる40以上と40未満の間で比較しても、4種の株全てにおいて接種歴あり群のほうが接種歴なし群より有意に抗体保有率が高かった。

2009040415
医中誌Web
感染症流行予測調査事業におけるインフルエンザ感受性調査概要(平成18年度)
Source:佐賀県衛生薬業センター所報(0285-6077) 30号 Page96-101(2008.11)
Author:平野敬之(佐賀県衛生薬業センター 微生物課), 増本久人, 坂本晃子, 真茅美樹, 舩津丸貞幸
Abstract:インフルエンザ流行前(ワクチン接種前)における抗体保有状況調査(感受性調査)を実施した。インフルエンザ流行前に採取した0~92歳までの血清279例を対象とした。HI抗体価10未満の群と10以上の群の間では、4種の株(A/New Caledonia/20/99、A/Hiroshima/52/2005、B/Malaysia/2506/2004、B/Shanghai/361/2002)全てにおいて接種歴あり群のほうが接種歴なし群より有意に抗体保有率が高かった。有効防御免疫の指標とみなされる40以上と40未満の間で比較すると、B/Malaysia/2506/2004(ビクトリア系統株)では明らかな有意差を認めなかったが、他の3種の株においては有意差を認めた。

2009032761
医中誌Web J-STAGE
A型インフルエンザ感染に伴った急性眼麻痺(Acute Ophthalmoparesis Accompanied with Influenza A Infection)
Source:Internal Medicine(0918-2918) 47巻18号 Page1627-1629(2008.09)
Author:YamashitaSatoshi(国立病院機構熊本医療センター 精神・神経科), KouzakiYanosuke, KawanoRyoko, TokunagaMakoto, UchinoMakoto
Abstract:39歳女性。2004年2月初旬に発熱(38.5℃)、咳および多発性筋痛が出現した。近医を受診しインフルエンザ感染を疑われ、内服治療を開始した。同日夜間に複視が出現し、翌日には解熱傾向を認めたが複視は持続した。翌日に当院を受診し診察したところ、片側性の動眼神経麻痺を認めた。血清A型インフルエンザウイルス抗体、髄液A型インフルエンザウイルス抗体は上昇していた。髄液培養検査は陰性であった。頭部核磁気共鳴検査では異常所見は認めなかった。免疫グロブリン(Ig)GおよびIgMに関しては、抗GM1、GM1b、GD1a、GD1b、GalNac-GD1a、GT1a、GQ1bいずれも陰性であった。リン酸オセルタミビルによる治療を5日間行い、眼症状は10日後には完全に消失した。

2009005774
医中誌Web MedicalOnline
2007年から2008年にかけてのインフルエンザの流行を振り返って
Source:臨牀と研究(0021-4965) 85巻10号 Page1483-1494(2008.10)
Author:岩城紀男(国立病院機構九州医療センター), 河合直樹, 廣津伸夫, 池松秀之, 柏木征三郎

2008379513
医中誌Web
2003/2004シーズンに秋田県内で分離されたインフルエンザウイルスの抗原分析とインフルエンザ流行における絶対湿度の役割
Source:環境と病気(1340-9476) 17巻1-2号 Page15-20(2008.10)
Author:原田誠三郎(秋田県衛生科学研究所), 福山正文, 庄司眞, 天野憲一
Abstract:秋田県内における2003/2004年のインフルエンザ流行シーズンに分離されたウイルスの抗原分析を赤血球凝集抑制試験で行った。また、県内の大館市、秋田市および横手市におけるウイルス分離からその流行における絶対湿度との関連性について検討し、以下の結果が得られた。1)2003/2004年のインフルエンザ流行シーズン中に、インフルエンザウイルスが分離されたのは72人(男性41人・女性31人)で、その中でインフルエンザワクチン接種を受けていたのは15人(20.8%)であった。2)秋田県内において分離されたインフルエンザウイルスは主にA/熊本/102/02(H3N2)類似株であった。また、B/ヨハネスバーグ/5/99株類似ウイルスも大館市と湯沢市で分離された。3)大館市、秋田市、および横手市でインフルエンザウイルスA型(H1N1・H3N2)並びにB型が分離された時は、絶対湿度2.6g/m3から5.6g/m3の範囲であった。4)インフルエンザの流行は、時間と場所によって異なるので、インフルエンザ流行と絶対湿度の関連性をさらに検討する必要がある。(著者抄録)

2008377525
医中誌Web MedicalOnline
松本市におけるインフルエンザ(2007/08年期)の疫学的病因的調査 特に再感染の検討
Source:小児科臨床(0021-518X) 61巻11号 Page2251-2259(2008.11)
Author:松岡伊津夫(松岡小児科医院), 松岡高史, 松岡明子, 粕尾しず子
Abstract:迅速診断キットを多用し、同時に分離培養を併用すればインフルエンザの疫学的病因的調査に役立つうえ、流行株の推移および抗原性、ワクチンの有効性に有力な資料となる。2007/08年期の流行は例年になく小規模で、特に中学生以上に顕著であった。キット検査ではA型が大部分、B型は僅かで、分離培養によるとAソ連型主流だが、後半(2月中旬以後)はA香港型が加わった混合流行で小さな二峰型になった。Aソ連型、A香港型、B型の分離株はいずれもワクチン株との抗原変異が目立ち、したがって小規模流行の主因はワクチン効果とは考え難く、むしろ流行株に対する抗体保有率が、特に10歳代以降に高かったためかと思う。数年間における再感染例を追跡した結果、分離株が同型でも、ある程度の期間を経て遺伝子系統樹解析上、変異が大きくなれば再罹患があり得る実態を知った。その「きっかけ」は4年間に5回罹患した症例の病因究明からである。(著者抄録)

2008375145
医中誌Web
インフルエンザウイルスの病原性とプレパンデミックワクチン
Source:日本医事新報(0385-9215) 4407号 Page97-98(2008.10)
Author:庵原俊昭(国立病院機構三重病院)

2008370177
医中誌Web
TAプライマー:多種ウイルス同時検出のための新たなdegeneratedプライマーの設計方法
Source:日本獣医学会学術集会講演要旨集(1347-8621) 145回巻 Page193(2008.03)
Author:遠藤大二(酪農学園大学 獣医学部放射線学教室), 奥島順子, 水谷哲也, 酒井宏治, 森川茂, 林正信

2008364292
医中誌Web J-STAGE
多重PCR法によるインフルエンザウイルスA型、B型およびA亜型(H1、H3、H5)の検出(Detection of Influenza Virus Types A and B and Type A Subtypes (H1, H3, and H5) by Multiplex Polymerase Chain Reaction)
Source:The Tohoku Journal of Experimental Medicine(0040-8727) 215巻3号 Page247-255(2008.07)
Author:BoonsukPitirat(タイ), PayungpornSunchai, ChieochansinThaweesak, SamransamruajkitRujipat, AmonsinAlongkorn, SongsermThaweesak, ChaisinghArunee, ChamnanpoodPornchai, ChutinimitkulSalin, TheamboonlersApiradee, PoovorawanYong
Abstract:インフルエンザウイルスA型およびB型による感染は世界的規模で重大な公衆衛生学的問題となっている。A型ウイルスのみが多くの種の中で致死的流行を引き起こすことが報告されている。適切な臨床治療とウイルスのさらなる流行の予防には、有効かつ効果的な臨床診断が不可欠である。インフルエンザウイルスA型、B型とおよびA亜型(H1、H3、H5)を検出するための多重PCR法を開発した。型特異的プライマーを有する多重PCR法を実施するために、A型とB型を明確に識別できる産物をアガロースゲル電気泳動法によって分離した。加えて、ヒトで最も一般的なA型ウイルスの亜型(H1、H3、H5)は亜型特異的プライマーセットを用いたPCR法によって容易に識別でき、増幅された亜型に依存して、各種サイズのPCR産物が得られた。本法を2006~2008年に鶏・イヌ・ヒトから採取した46種のインフルエンザウイルスについて試行した。各型や各亜型特異的プラスミドの既知量について検討した本法の感度は、10^3 copies/μLの検出を可能にした。本法の特異度は、A型ウイルスの別の亜型(H2、H4、H6~H15)とヒトで一般的に検出される呼吸器系病原体を検査することで検証した。それらのいずれも増幅しなかったことから、交差反応から除外した。以上の結果から、開発した多重PCR法は、迅速性、特異度、費用対効果において優れていた。

2008352836
医中誌Web Medical e-hon
今年、ヨーロッパで流行したオセルタミビル耐性ウイルスの流行経過はどうなりましたか
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻4号 Page320(2008.10)
Author:田村大輔(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野)

2008352830
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
オセルタミビル耐性ウイルスの出現とその対応
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻4号 Page273-282(2008.10)
Author:柏木征三郎(国立病院機構九州医療センター), 河岡義裕, 菅谷憲夫

2008349125
医中誌Web MedicalOnline
当院におけるインフルエンザ抗原検出迅速診断キットの選択
Source:医学検査(0915-8669) 57巻9号 Page1177-1181(2008.09)
Author:伊藤聡史(順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床検査部), 山本剛正, 石井清, 堀井隆, 三宅一徳, 近藤成美, 大坂顯通
Abstract:市販されている8種類(A~H)のインフルエンザ抗原検出迅速診断キットについて、日常検査への適合性を重視した比較検討を行った。遺伝子組換え型インフルエンザ抗原でA型はA/Panama/2007/99(H3N2)(A型Panama)およびA/北京/262/95(H1N1)(A型北京)、B型はB/Shandong/7/97(Victoria Type)(B型Shandong)およびB/山東/7/97(B型山東)の4種類を用いた。各キットの工程数は4~6の範囲にあり、キット間では2工程の差があった。検査環境を考慮して、操作性と判定容易度を優先した結果、キットG(ラピッドテスタFLUII)の評価が高かった。キットGの検出限界は、キットC、E、Bに次いで4番目であったが、許容範囲であると判断した。キットGは判定時間が短く、有効期限が長いことから次シーズンまで試薬を持ちこせることも、選択要因の1つとなった。

2008344603
医中誌Web MedicalOnline
Aソ連型インフルエンザの臨床的特徴 奈良県御所市の1小児科定点における検討
Source:小児科臨床(0021-518X) 61巻8号 Page1691-1694(2008.08)
Author:松永健司(済生会御所病院 小児科), 赤澤英樹, 大村真曜子, 山田佳世, 武山雅博, 矢本陽子, 今津美由紀
Abstract:小児におけるAソ連型インフルエンザウイルス(H1N1)感染症の臨床的特徴について自験確定診断例を対象に検討した。ウイルス分離対象を、インフルエンザ様疾患のうち何らかの合併症(脱水症や熱性けいれんなど)のみられる児とし、咽頭拭い液を採取した。ウイルス分離にはMDCK細胞が用いられた。1998年以降、H1N1の分離された30例を検討対象とした。年齢は日齢24から16歳4ヵ月まで分布(中央値4歳3ヵ月)。乳幼児が多く、3歳以下が約半数(14例、47%)を占めた。性別は男児が17例(男女比1.3)。年度別には1999年度から3年連続流行し、25例(83%)を占めた。その後3年間なく、2005年度4例、2006年度1例と散発。月別発生は12月から4月までみられ、2月が最多(10例、33%)であった。30例中23例が入院治療例で、その臨床診断は脱水症(10例)、下気道炎(7例)、熱性けいれん(4例)、熱せん妄(異常言動の1例)、筋炎(1例)であった。入院期間7.0±2.3日で、全例が軽快退院した。(著者抄録)

2008340771
医中誌Web
アデノウイルスベクターを用いたインフルエンザワクチンのマウスでの検討
Source:横浜医学(0372-7726) 59巻2号 Page131-137(2008.04)
Author:大村賢治(横浜市立大学 大学院医学研究科分子生体防御学)
Abstract:インフルエンザの主要な抗原であるhemagglutinin(HA)、nucleoprotein(NP)、membrane protein(M)蛋白を標的抗原としてアデノウイルスベクター(Ad-HA,Ad-NP,Ad-M)を作成し、マウスに免疫した。ウイルス感染に対する効果(体重減少、死亡回避)を検討し、結果は以下の通りであった。A/PR/8/34(H1N1)ではAd-HAが最も有効であり、Ad-NP,Ad-Mも部分的に有効であって、筋注の方が経鼻投与よりも若干有効であった。A/Udron(H3N2)ではAd-NP,Ad-Mは有効であったが、Ad-HAは筋注、経鼻共に効果がなかった。A/Guizhou(H3N2)では僅かに生存率でAd-NPが有効であったが、その他は殆ど効果がなかった。NP,Mの共通抗原に関しては異種間での感染防御能は限定的だが有効であり、HAに関しては型が一致する場合は単回投与で十分であった。以上より、HA,NP,Mを組み合わせたアデノウイルスベクターを用いたワクチンは異種間に対するものとして有効と考えられた。

2008338899
医中誌Web
【かぜとインフルエンザのすべて】 インフルエンザの診断と治療 新型インフルエンザ
Source:からだの科学(0453-3038) 259号 Page101-105(2008.11)
Author:岩附(堀本)研子(東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野), 河岡義裕

2008338883
医中誌Web
【かぜとインフルエンザのすべて】 かぜとインフルエンザの基礎 かぜの季節とインフルエンザの流行
Source:からだの科学(0453-3038) 259号 Page25-29(2008.11)
Author:有本寛(有本小児科内科)

2008338882
医中誌Web
【かぜとインフルエンザのすべて】 かぜとインフルエンザの基礎 インフルエンザにかかる仕組み
Source:からだの科学(0453-3038) 259号 Page21-24(2008.11)
Author:小渕正次(国立感染症研究所 ウイルス第三部), 田代眞人

2008316066
医中誌Web
タミフルを超えられるか? ホスホン酸誘導体
Source:ファルマシア(0014-8601) 44巻8号 Page818-819(2008.08)
Author:馬場康隆(富山化学工業綜合研究所)

2008301024
医中誌Web
インフルエンザ抗体価調査の結果と考察 鹿児島市を生活圏とする各年齢層の抗体保有状況
Source:鹿児島県環境保健センター所報(1346-2393) 7号 Page75-79(2006.12)
Author:上野伸広(鹿児島県川薩保健所), 新川奈緒美, 御供田睦代, 石谷完二, 吉國謙一郎, 藏元強, 宮田義彦
Abstract:鹿児島市に生活圏を持つ378名(男199名・女179名・0~73歳)を対象に、インフルエンザ抗体価調査およびアンケート調査を行った。過去2年間の経歴は、予防接種歴のみ105名(C群)、感染・予防接種歴あり30名(D群)、感染歴のみ51名(E群)、感染・予防接種歴なし175名(F群)、不明・無回答17名であった。C群およびD群の40倍・160倍以上の抗体保有率は、2005/06ワクチン株のAソ連型、A香港型、B型(山形系統株)で高値を示したが、2004/05シーズンのワクチン株に含まれていないB型(ビクトリア系統株)は低値で、E群・F群との差はなかった。E群ではA香港型抗体価160倍以上は13.7%と他群に比較して高く、県内流行状況と一致していた。年齢別平均予防接種率は35~39歳51.4%、7~9歳47.4%、50~59歳44.4%の順に高く、低かったのは20~24歳20.5%、60歳以上25.0%、1歳29.4%であった。インフルエンザ罹患率は2~14歳の学童期が30%以上であった。

2008301023
医中誌Web
鹿児島県におけるインフルエンザ流行状況
Source:鹿児島県環境保健センター所報(1346-2393) 7号 Page72-74(2006.12)
Author:石谷完二(鹿児島県立大島病院), 御供田睦代, 吉國謙一郎, 上野伸広, 新川奈緒美, 藏元強, 宮田義彦
Abstract:鹿児島県感染症情報システムのデータを用い、過去5シーズンのインフルエンザ流行状況を調べた。患者報告数は2002/2003シーズンが37079人と最も多く、次いで2004/2005が31273人、2005/2006が18534人、2001/2002が14037人、2003/2004が13728人であった。一定点当たりの患者数が1.00を超えた週が最も早かったのは2005/2006シーズンの第49週、次いで2002/2003の第50週、20001/2002の第1週、2004/205と2003/204の第3週であった。一定点当たりの患者数のピーク時期が最も多かったのは2002/2003シーズンの69.96、次いで2004/2005の48.23、2005/2006の43.60、2001/2002の28.55、2003/2004の26.96であった。患者数1.00を超えた週が早いほど、保健所による集団発生事例の初発報告日が早くなる傾向であった。ウイルス分離結果からみた各シーズンの特徴は、2001/2002シーズンはH1N1(ソ連型)が優位、2002/2003はH3N2(A香港型)6割、B型4割の混合、2003/2004はA香港型主流、2004/2005はA香港型3割、B型7割の混合、2005/2006はA香港型主流であった。

2008296479
医中誌Web
奈良県において2007~2008年に単離されたamantadine耐性インフルエンザH1N1ウイルスの高罹患率(High Incidence of Amantadine-Resistant Influenza H1N1 Viruses Isolated during the 2007-2008 Season in Nara Prefecture, Japan)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 61巻3号 Page253-254(2008.05)
Author:KitahoriYoshiteru(奈良県保健環境研究センター ウィルス細菌担当), ImanishiYoshitaka, InoueYumiko

2008286532
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
最近、A(H1N1)ソ連型が流行しているようですが、A(H1N1)とはどのようなウイルスですか
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻3号 Page255(2008.07)
Author:柏木征三郎(国立病院機構九州医療センター)

2008286531
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
オセルタミビル耐性ウイルス(H1N1)は、なぜヨーロッパで拡がったのでしょうか
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻3号 Page254(2008.07)
Author:岩附研子[堀本](東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野)

2008284327
医中誌Web MedicalOnline
透析患者におけるインフルエンザワクチンの抗体誘導能の検討 2006/2007冬
Source:日本臨床内科医会会誌(0914-9627) 23巻1号 Page81-84(2008.06)
Author:越野慶隆(越野病院)
Abstract:透析患者におけるインフルエンザワクチンによる抗体価の変動を検討した。慢性血液透析患者119例を対象とした。インフルエンザワクチンは53例が受けた。透析患者で有熱者はインフルエンザ感染を疑ったが、インフルエンザ発症はワクチン非接種者の1例にA型を認めた。ワクチン接種による抗体価40倍以上の到達率は、A型では全国調査結果や職員群と比べると、A/H1N1では少し劣るが、A/H3N2では透析患者が3群で一番高かった。B型では40倍以上の到達率、4倍以上の上昇率とも全国調査結果に比較して職員群、透析患者群でともに著しく低かった。前年の未接種者では接種前は抗体保有率は50%で、この数値は接種後もほとんど変化はなかった。連続接種者では接種前にすでに70%以上が抗体を保持し、接種で90%が40倍以上の抗体価を有し、80倍以上高値の症例の増加も認めた。

2008274045
医中誌Web
インフルエンザの重症化のメカニズムとマクロライド 重症インフルエンザの発生 1918年から現在まで(Pathogenesis of severe influenza from 1918 to the present day)
Source:The Japanese Journal of Antibiotics(0368-2781) 61巻Suppl.A号 Page111-116(2008.03)
Author:NichollsJohn M.(ホンコン), PeirisJS Malik

2008264657
医中誌Web CrossRef
新たに構築したヒトFabライブラリーからの、H3N2亜型のA型インフルエンザウイルス株に対する中和活性をもつヒトモノクローナルFabの同定(Identification of a human monoclonal Fab with neutralizing activity against H3N2 influenza A strain from a newly constructed human Fab library)
Source:Microbiology and Immunology(0385-5600) 52巻3号 Page162-170(2008.03)
Author:ShibuyaTadamasa(大分大学 医学部感染分子病態制御), YamashiroTetsu, MasaikeYuka, OhuchiMasanobu, UechiGen-ichiro, NishizonoAkira
Abstract:A型インフルエンザから回復した健常者の末梢血リンパ球を用いてpComb3Hファージミッドベクター上にコンビナトリアルFabライブラリーを作成し、ウイルス蛋白質に特異的なヒトFabを呈示するファージを選抜した。クローンIF1A11でトランスフォームした大腸菌がH3N2亜型のA型インフルエンザウイルス株に対する中和活性のあるヒトFab抗体分子(FabIF1A11)を呈示した。精製したFabIF1A11はA/Okayama/6/01(H3N2)及びA/Kitakyusyu/159/83(H3N2)に対する中和活性を示し、A/USSR/77(H1N1)及びB/Kanagawa/73には活性を示さなかった。FabIF1A11はA/Okayama/6/01(H3N2)のヘマグルチニン上のconformational epitopeを認識すると考えられ、H3N2亜型のA型インフルエンザウイルス感染者の治療及び短期予防への応用が可能である。

2008258223
医中誌Web
Spanish Fluの謎とBird Fluの憂鬱
Source:岩手医学雑誌(0021-3284) 60巻1号 Page1-12(2008.04)
Author:佐藤成大(岩手医科大学 医学部、細菌学講座)
Abstract:数千万人の死者を出したスペイン風邪(1918~1919)の原因がH1N1亜型のA型インフルエンザウイルスであったことが,古いパラフィン包埋標本に保存されていたウイルスRNAの解析により明らかにされた.さらに,このウイルスはトリ型から哺乳類型へ変異する過程にあったことも示され,今日の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)の行方を考える上で興味深い.H5ウイルスのビルレンスはHA分子における高度開裂部位の存在,RNAポリメラーゼの変異による哺乳動物細胞での増殖促進,および非構造タンパクNS1による炎症性サイトカインの誘導などに起因している.しかし,今後さらにヒトへ馴化するために,どのような変異を必要とするかは,予測し難い.我々は,新型ウイルスによるパンデミアに備えるため,高密度細胞培養法によるワクチン産生方式について,研究を遂行している.(著者抄録)

2008238948
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2006年11月~2007年5月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 46号 Page71-76(2007.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 百木智子, 七種美和子, 野口有三, 佐々木一也, 豊澤隆弘
Abstract:横浜市における2006年11月~2007年5月シーズンのインフルエンザの流行状況を分離ウイルスの抗原性状及び遺伝子解析結果から検討した。その結果、2007年2月7日~3月15日に発生した集団かぜは、15区23施設8学級と小規模な流行であり、主にB型ウイルスが原因であったが、AH3N2型ウイルスによる集団発生もみられた。定点ウイルス調査におけるウイルス分離状況ではAH3N2型とB型が主流であったが、AH1N1型ウイルスも共存する混合流行であった。AH1N1型ウイルスの抗原性状は、ワクチン株であるA/New Caledonia/20/99と低い反応性を示す抗原変異体株が多くみられ、その割合は分離株総数の72.7%(8/11)であった。AH3N2型の抗原性状は、今シーズンのワクチン株であるA/広島/52/2005と類似していた。B型ウイルスはVictoria系統が分離され、ワクチン株であるB/Malaysia/2506/2004と抗原性状が類似していた。進化系統樹解析ではAH1N1型ウイルスは昨シーズンA/New Caledonia/20/99に低い反応性を示した変異株と同様、抗原決定領域のアミノ酸がK144Eに置換したアミノ酸変異がみられた。AH3N2型ウイルスはS193F及びD225Nのアミノ酸置換を共通に2グループに分けられ、ワクチン株から更にR142Gの置換を共通したグループがみられた。B型ウイルスはVictoria系統のB/Malaysia/2506/2004と1~2個のアミノ酸変異にとどまっていた。

2008238763
医中誌Web
【抗菌薬の使用と耐性菌への対応】 タミフル耐性インフルエンザウイルスの問題
Source:日本医師会雑誌(0021-4493) 137巻3号 Page512(2008.06)
Author:川名明彦(防衛医科大学校 感染症科)

2008215083
医中誌Web CiNii MedicalOnline J-STAGE
ウメ(Prunus mume SIEB. et ZUCC)果汁濃縮液によるヒトインフルエンザAウイルス感染のin vitro阻害(In Vitro Inhibition of Human Influenza A Virus Infection by Fruit-Juice Concentrate of Japanese Plum (Prunus mume SIEB. et Zucc))
Source:Biological & Pharmaceutical Bulletin(0918-6158) 31巻3号 Page511-515(2008.03)
Author:YingsakmongkonSangchai(中部大学 生命健康科学部生化学), MiyamotoDaisei, SriwilaijaroenNongluk, FujitaKimie, MatsumotoKosai, JampangernWipawee, HiramatsuHiroaki, GuoChao-Tan, SawadaToshihiko, TakahashiTadanobu, HidariKazuya, SuzukiTakashi, ItoMorihiro, ItoYasuhiko, SuzukiYasuo
Abstract:プラーク減少法により、ウメ(Prunus mume SIEB. et ZUCC)果汁濃縮液によるヒトインフルエンザAウイルス治療は、ウイルス吸着後では活性を示さないが、ウイルス吸着前にはin vitroでの強い抗インフルエンザ活性を示した。A/PR/8/34(H1N1)ウイルス、A/Aichi/2/68(H3N2)ウイルス、A/Memphis/1/71(H3N2)ウイルスに対する50%阻害濃度は、それぞれ6.35±0.17、2.84±1.98、0.53±0.10μg/mLであった。ウメ果汁濃縮液はモルモット赤血球に対する血球凝集反応活性を示した。血球凝集反応活性は単糖類のN-アセチルノイラミン酸とシアロ糖タンパク質(fetuin)によって阻害されたが、調べた他の単糖類(マンノース、ガラクトース、グルコース、N-アセチルグルコサミン)では阻害されず、ウメ果汁濃縮液中のレクチン様分子の存在が示唆された。ウメ果汁濃縮液がレクチン様活性により宿主細胞表面へのウイルス血液凝集素付着を阻害することにより、ヒトインフルエンザAウイルスによる感染を防止、減少させることが示唆された。

2008183256
医中誌Web
感染症流行予測調査事業(2006-2007) インフルエンザ感受性調査、感染源調査及び麻疹感受性調査
Source:京都府保健環境研究所年報(1341-4232) 52号 Page6-13(2008.03)
Author:木上照子(京都府保健環境研究所), 江崎久雄, 渡邊英史, 石崎徹
Abstract:インフルエンザ及び麻疹感受性調査を実施した。0歳から87歳までの患者及び病院関係者から採血した血清194検体について、抗インフルエンザ抗体価及び麻疹抗体価を測定した。小、中学校で集団発生したインフルエンザ様疾患の患者から採取した25検体、6定点医療機関のうち3医療機関で採取した97検体の咽頭ぬぐい液についてウイルス分離及び同定を行った。新型インフルエンザ感染源調査は、屠蓄検査に供されたブタの鼻腔ぬぐい液26検体についてインフルエンザウイルスの分離を行った。抗A/H1N1型抗体は、就学年齢から29歳代までは比較的良好な保有率であった。A/H3N2型抗体は、10~29歳の年齢層で比較的良好な保有率であった。流行の主流はA/H3N2型とB型との混合で、全国の傾向と一致した。ブタの鼻腔ぬぐい液26検体からウイルスは分離しなかった。

2008183167
医中誌Web
新型インフルエンザ ヒトのインフルエンザ、鳥のインフルエンザ、新型インフルエンザ
Source:SRL感染症フォーラム講演集(0912-0912) 12回巻 Page24-29(2008.03)
Author:岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター), 平山宗宏

2008165957
医中誌Web MedicalOnline PierOnline Medical e-hon
【ARDSとインフルエンザ 呼吸器不全の病態と発症機構】 ヒト(H1,H3)と鳥(H5N1)インフルエンザウイルスによる重症感染症の病態と発症機序の違い
Source:医学のあゆみ(0039-2359) 224巻11号 Page832-833(2008.03)
Author:布井博幸(宮崎大学 医学部生殖発達学講座小児科学分野(小児科))

2008162694
医中誌Web
インフルエンザワクチン株と流行株の適合(第2報)
Source:薬事新報(0289-3290) 2514号 Page13-16(2008.02)
Author:福澤正人(松本歯科大学附属病院)
Abstract:インフルエンザワクチンは、その年に流行するインフルエンザの株と合致することで十分な予防効果を発揮するため、わが国のインフルエンザワクチン株と流行株の適合について検討した。インフルエンザワクチンに含まれる全ての株が流行株と適合していたシーズンはなかった。ワクチン株と流行株が適合していた12回のうち10回は適合していた型も流行していた。

2008155297
医中誌Web CrossRef
抗腫瘍壊死因子治療は慢性関節リウマチの日本人患者におけるインフルエンザワクチンに対する免疫反応を減弱しない(Anti-tumor necrosis factor therapy does not diminish the immune response to influenza vaccine in Japanese patients with rheumatoid arthritis)
Source:Modern Rheumatology(1439-7595) 17巻6号 Page531-533(2007.12)
Author:KubotaTetsuo(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科), NiiTokiko, NankiToshihiro, KohsakaHitoshi, HarigaiMasayoshi, KomanoYukiko, SugiharaTakahiko, NonomuraYoshinori, HiroseWataru, NagasakaKenji, SakuraiTetsushi, MiyasakaNobuyuki
Abstract:抗腫瘍壊死因子治療製剤(インフリキシマブまたはエタナーセプト)を使用している慢性関節リウマチ(RA)症例(Bio群、27例)、使用していないRA症例(非Bio群、36例)、および健常対照群(52例)を対象に、インフルエンザワクチンに対する免疫反応を検討した。平均年齢はBio群55.7歳、非Bio群59.7歳、対照群55.9歳であった。全例、A型/ニューカレドニア/20/99(H1N1)株(A-NC)、A型/広島/52/2005(H3N2)株(A-Hiro)、B型/マレーシア/2506/2004株(B-Ma)を接種した。その結果、Bio群においてA-NCに対する反応者の割合が対照群よりも有意に多く、A-Hiro株およびB-Maに関しても同様の傾向が認められた。プレドニゾロンおよびメソトレキセート使用の有無によるワクチンに対する反応性の差は認められなかった。抗体価は全体的にワクチン接種後では上昇したが、特にBio群では他群と比較してワクチン接種前のA-NCに対する抗体価は有意に低値であった。抗腫瘍壊死因子治療は慢性関節リウマチの日本人患者において、インフルエンザワクチンに対する免疫反応を減弱しないと考えられた。

2008148669
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 30号 Page81-90(2007.12)
Author:堀元栄詞(富山県新川厚生センター), 小原真・ , 岩井雅恵, 長谷川澄代, 滝澤剛則, 倉田毅, 田中桂子, 南部厚子, 中澤保文, 田中有易知, 上田順子, 宮田英喜
Abstract:インフルエンザ流行期前の富山県民の抗体保有状況を調べ、県民の免疫状況とインフルエンザ流行の実態を把握した。インフルエンザ流行期前における富山県住民275例の抗体保有状況について、4種類のインフルエンザ抗原を用いて調べ、B型(ビクトリア系統)に対する抗体保有率は依然低く、流行が危惧された。インフルエンザ患者の報告は1月中旬(第4週)より上昇し、3月中旬(第12週)をピークにして5月上旬(第20週)に終息し、累積患者数は966例であった。インフルエンザウイルス分離は、AH1型が12株、AH3型が95株、B型が79株であった。シーズン前半はAH3型とB型がほぼ同じ割合で分離され、AH1型はシーズン終盤で分離された。

2008148585
医中誌Web
同一株のインフルエンザHAワクチンを2シーズン以上連続接種した乳幼児におけるHI抗体価の変動
Source:小児感染免疫(0917-4931) 19巻4号 Page375-387(2007.12)
Author:大熊和行(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 矢野拓弥, 中野貴司, 福田美和, 松村義晴, 荒井祥二朗, 神谷齊
Abstract:2シーズン以上連続して同一株のインフルエンザHAワクチンの接種を受けた乳幼児におけるHI抗体価の変動について検討した。A/ニューカレドニア、A/パナマ、B/山東のいずれの株においても、産生したHI抗体は1年にわたって維持されることはなく、感染防御のためには毎シーズンワクチン接種を行う必要がある。単位抗原量当たりの免疫の初期化(priming)効果は3株とも十分とはいえず、特にA/パナマとB/山東は不十分と推察された。また、A/パナマのワクチン接種量(抗原量)を増やすとHI抗体価の上昇傾向はA/ニューカレドニアに近づくことが示唆されたが、B/山東についてはこのような検討はできなかった。(著者抄録)

2008144715
医中誌Web
2006年度の日本脳炎、インフルエンザ、風疹、麻疹 感染症流行予測調査の概要
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 9号 Page78-82(2007.11)
Author:矢野拓弥(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 中野陽子, 赤地重宏, 岩出義人, 山内昭則, 永田克行
Abstract:2006年度に実施した感染症流行予測の概要を報告した。日本脳炎感染源調査は三重県中部地域で飼育された豚の日本脳炎ウイルス赤血球凝集抑制(HI)抗体保有の有無を調査した。2006年9月4日にHI抗体陽性率が60%となり、2-Mercaptoethanol感受性抗体は3頭(60%)で認めた。豚からのインフルエンザの分離を実施したが、ウイルスは分離しなかった。インフルエンザの流行動態及び規模に最も影響を及ぼす乳児から学童期の年齢層の各亜型の流行期前のHI抗体保有率は、A/New Caledonia/20/99は0~4歳35.1%、5~9歳69.0%、A/Hiroshima/52/2005は0~4歳13.5%、5~9歳62.1%、B/Malaysia/2506/2004は0~4歳0%、5~9歳13.8%、B/Shanghai/361/2002は0~4歳18.9%、5~9歳65.5%であった。風疹感受性調査での全年齢層におけるHI抗体保有率は86.3%であった。

2008144620
医中誌Web
2006/2007年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について
Source:札幌市衛生研究所年報(0917-0294) 34号 Page85-88(2007.11)
Author:菊地正幸(札幌市衛生研究所), 村椿絵美, 山本優, 吉田靖宏, 宮下妙子, 矢野公一
Abstract:2006/2007年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について報告した。市内医療機関(小児科10定点、内科4定点)を受診した患者から採取した咽頭拭い液等合計591検体(小児科502検体、内科89検体)を検査材料とした。インフルエンザの患者報告は、2006年第39週(9/25~10/1)以降散発的に報告されていたが、第51週(12/18~12/24)から患者報告数が急増した。第10週(3/5~3/11)には流行発生警報の基準値を超えて33.3となり、流行発生警報のレベルとなった。最終的に第23週(6/4~6/10)に1例の患者が報告されて以降患者報告数は0となった。昨シーズン(2005/2006)に続きAソ連型、A香港型およびB型の混合流行であった。

2008136853
医中誌Web
平成18年度感染症流行予測調査結果
Source:群馬県衛生環境研究所年報(1340-265X) 39号 Page63-68(2007.12)
Author:池田美由紀(群馬県衛生環境研究所 保健予防課), 高原力也, 塩原正枝, 森田幸雄, 加藤政彦
Abstract:日本脳炎と新型インフルエンザを想定した感染源調査(ブタ)及び、インフルエンザ、麻疹、風疹の感受性調査(ヒト)の結果を報告した。群馬県のと畜場に集められたブタから検体を採取した。55頭の豚の鼻腔拭い液についてインフルエンザウイルスの分離を試みたが、本ウイルスを分離できなかった。日本脳炎は、感染源調査したブタ115頭の赤血球凝集抑制(HI)試験による抗体価は10以下で、8月下旬採材分の1頭および9月下旬採材分の1頭が抗体価10であった。風疹では、全体的に抗体価32以上の保有率は、全年齢群で88.3%と、感受性者が多く存在することが推定された。麻疹では、0~1歳を除き、各年代とも高率に抗体を保有し、抗体価16以上の保有率は、全年齢群で92.5%であった。

2008109204
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
疫学 2006/2007年のインフルエンザ流行の特徴
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻1号 Page29-36(2008.01)
Author:安井良則(国立感染症研究所感染症情報センター)
Abstract:全国約5,000ヶ所のインフルエンザ定点医療機関からの患者発生報告に基づくインフルエンザの発生動向をみると、2006/2007年シーズンのインフルエンザの流行は2007年第3週から始まり、そのピークは第11週と例年よりも遅かったが、流行の規模は前シーズンを上回った。地域別では、九州および中部地域に流行規模の大きな県が多かった。ウイルス分離状況をみると、AH3亜型(A香港型)およびB型の混合流行であった。2007/2008年シーズンのインフルエンザワクチン株では、近年たびたび流行の主流となっているAH3亜型のワクチン株は変更されていない。今後ともインフルエンザの発生動向には注意が必要である。(著者抄録)

2008109202
医中誌Web MedicalOnline Medical e-hon
インフルエンザ研究のための動物モデル
Source:インフルエンザ(1345-8345) 9巻1号 Page11-19(2008.01)
Author:河岡義裕(東京大学医科学研究所 感染・免疫部門ウイルス感染分野), 新矢恭子, 迫田義博

2008107264
医中誌Web
インフルエンザワクチン接種後のHI抗体価の検討
Source:環境感染(0918-3337) 22巻4号 Page235-241(2007.12)
Author:板谷一宏(昭和大学 医学部臨床病理), 黒田高明, 山口文博, 安原努, 福地邦彦
Abstract:医療従事者に対する2005/2006シーズン用インフルエンザワクチンA/H1N1/New Caledonia/20/99,A/H3N2/New York/55/2004,B/Shanghai/361/2002の有効性を、それぞれのワクチン株のHI抗体価の変動を測定することで評価した。ワクチン接種前に40倍以上の有効防御免疫能を有した比率は、A/H1N1/New Caledoniaに対して65.0%,A/H3N2/New Yorkに対して32.5%,B/Shanghaiに対して48.4%、および2004/2005のワクチン株であるA/H3N2/Wyomingに対して42.0%であり、それらは、接種後4週後にそれぞれ92.2%,95.7%,76.6%,86.5%に増加した。接種後に4倍以上の有意の抗体価上昇を認めたのは、ワクチン接種前に40倍未満の有効防御免疫を有さない群に高率(p<0.001)であった。40倍以上の抗体価を有する比率は、16週後にそれぞれ89.6%,88.1%,70.1%,86.6%に、そして1年後にそれぞれ67.2%,62.5%,57.8%,50.0%に漸減した。このうちA/H1N1/New Caledoniaは接種前の比率と同レベルに低下したが、それ以外は接種前と比べ高率だった。11名のワクチン非接種群の検討において、典型的インフルエンザ所見を示したものは無かったが、そのうち4名が4倍以上の抗体価上昇を認め、不顕性感染の可能性を示唆した。接種群においてもインフルエンザ所見を示したものがいなかったため、感染防御効果は判定し得なかった。今回検討で示したA/H3N2/WyomingとA/H3N2/New Yorkの基礎抗体価の比較で明らかとなったごとく、インフルエンザウイルスの小変異という特性から考えて毎年のワクチン接種が推奨されると考えられた。(著者抄録)

2008086365
医中誌Web Medical e-hon
【インフルエンザを取り巻く治療・予防の現状と課題】 スペインかぜから今日まで 100年間どのような変遷を経ているのか
Source:Progress in Medicine(0287-3648) 27巻10号 Page2259-2264(2007.10)
Author:岩附研子[堀本](東京大学 医科学研究所感染・免疫部門ウイルス感染分野), 河岡義裕

2008064088
医中誌Web
宮城県におけるインフルエンザ抗体保有状況
Source:宮城県保健環境センター年報(0910-9293) 24巻 Page42-45(2006.11)
Author:沖村容子(宮城県保健環境センター), 菊地奈穂子, 庄司美加, 山木紀彦, 後藤郁男, 植木洋, 秋山和夫
Abstract:平成17年度感染症流行予測事業の一環として実施したインフルエンザ感受性調査結果を報告した。有効防御免疫の指標とされるHI抗体価40倍以上の抗体保有率を求めた結果、Aソ連型、A香港型、B型(山形系統)では、ワクチン接種率が全年齢群の中では比較的高く、集団で生活する機会が多いためウイルスの感染を頻繁に受けやすい10~19歳の年齢群の保有率が50~70%と高かった。Aソ連型は平成16年度シーズン初めの集団発生で検出される等、県内での流行を反映して平均抗体保有率は36.2%であった。A香港型は過去の流行による抗体保有者の蓄積もあって平均抗体保有率は50.9%と、対象とした4抗原の中で最も高くなった。B型(山形系統)は全年齢群で抗体を保有しており、平成16年度のB型県内流行が大規模であったことが推察された。B型(ビクトリア系統)は平成16年度の流行株でなかったことが影響してほとんどの年齢群が抗体を保有しておらず、B型ウイルスの動向によっては流行すると推測された。

2008061265
医中誌Web
【(新型)インフルエンザの現状と対策】 ウイルスの遺伝子変異と流行のメカニズム
Source:化学療法の領域(0913-2384) 23巻12号 Page1875-1882(2007.11)
Author:中島捷久(名古屋市立大学 大学院医学研究科ウイルス学)
Abstract:インフルエンザウイルスは抗原変異を起こしやすいウイルスとして知られている。この抗原性の変化が激しいゆえに、ワクチン株を毎年のように選定し直す必要がある。抗原変異にはドリフトとシフトの二種類が存在する。ドリフトは粒子表面上に存在する血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)タンパク質上の、抗原として重要な領域にアミノ酸変異が起こり、抗体による中和からエスケープすることにより起こる。シフトはA型インフルエンザウイルスでみられ、ヒトの中で流行していなかった抗原性を持つ新型のウイルスが出現し大流行を惹き起こす。シフトはトリウイルスが直接ヒトに侵入して起こる場合と、ヒトウイルスとトリウイルスの間で遺伝子交雑が起こり、トリの抗原遺伝子を持つウイルスがヒトに侵入して起こる場合が知られている。(著者抄録)

2008055479
医中誌Web
髄液よりインフルエンザA(H1N1)が分離された2例の臨床的検討
Source:日本小児科学会雑誌(0001-6543) 111巻10号 Page1329(2007.10)
Author:高橋朋子(高松赤十字病院 小児科), 松下正民, 稲井憲人, 須賀健一, 秋田裕司, 幸山洋子, 関口隆憲, 大原克明

2008044508
医中誌Web
【予防接種Q&A】 わが国のインフルエンザとインフルエンザワクチンの歴史
Source:小児内科(0385-6305) 39巻10号 Page1846-1849(2007.10)
Author:柏木征三郎(福岡県赤十字血液センター)

2008043722
医中誌Web
【ワクチン 感染症のコントロールに向けて】 予防接種の現状と対策 インフルエンザ流行株の分析とワクチン株の選定
Source:治療学(0386-8109) 41巻10号 Page1017-1021(2007.10)
Author:小田切孝人(国立感染症研究所 ウイルス第3部インフルエンザウイルス室)

2008028037
医中誌Web Medical e-hon
アマンタジンの耐性
Source:インフルエンザ(1345-8345) 8巻4号 Page289-294(2007.10)
Author:齋藤玲子(新潟大学 大学院医歯学総合研究科国際感染症医学講座公衆衛生学分野), 鈴木康司, 李丹娟, 菖蒲川由郷, 鈴木宏
Abstract:2005年以降、A型インフルエンザのアマンタジン耐性株がアジアを中心に急増し、2005/2006年は本邦でA/H3N2の耐性株増加が確認された。さらに2006/2007年はA/H3N2の耐性が持続しているばかりでなく、A/H1N1でもアマンタジン耐性株の増加がみられた。(著者抄録)

2008021960
医中誌Web
スペイン風邪病因の解明
Source:Virus Report(1349-6956) 2巻2号 Page96-100(2005.11)
Author:新矢恭子(鳥取大学農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター), 河岡義裕
Abstract:スペイン風邪は、1918年から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイルス感染症である。全世界的には死者数2,000万~4,000万人、日本においてもおよそ2,500万人が感染し、38万人が死亡したといわれている。私たちはリバースジェネティクス法を用いて、スペイン風邪ウイルスの赤血球凝集素(HA)および/またはノイラミニダーゼ(NA)を有する人工ウイルスを作成し、病原性に関わる因子の一つとして、ウイルスの赤血球凝集素(HA)蛋白質の関与を明らかにした。(著者抄録)

2008001480
医中誌Web MedicalOnline
胃瘻患者への短期間のたんぱく質強化による栄養介入効果とインフルエンザワクチン抗体価に及ぼす影響
Source:栄養-評価と治療(0915-759X) 24巻3号 Page307-314(2007.06)
Author:赤津裕康(さわらび会福祉村病院 長寿医学研究所), 松本光弘, 宮本圭子, 山本淑子, 芦田欣也, 高見正雄, 小橋修
Abstract:たんぱく質補給食品を用いて、低栄養を示す胃瘻患者に7週間にわたり28g/日のたんぱく質補給の短期間栄養介入を行い、栄養評価を行った。また、試験開始2週間後にインフルエンザワクチンを接種し、たんぱく質強化による抗体価への影響も検討した。その結果、たんぱく質非強化群では、総蛋白(total protein;TP)および血清アルブミン濃度(albumin;Alb)がそれぞれ6.6±0.5から6.2±0.9g/dl、3.4±0.4から3.2±0.7g/dlと試験開始前よりも低下した。これらに対して、たんぱく質強化群では、TPおよびAlbはそれぞれ6.4±0.7から6.6±0.7g/dl、3.1±0.6から3.3±0.4g/dlと試験開始前よりも増加し、その他の栄養指標値も増加した。インフルエンザワクチンのH1N1,H3N2およびB-1の各抗原に対する抗体価については、たんぱく質強化の効果は認められなかったが、たんぱく質強化および非強化の両群の試験終了時のAlbとB-1,H3N2抗体価には正の相関が認められた。(著者抄録)

2007347947
医中誌Web MedicalOnline
札幌市におけるインフルエンザウイルス分離状況
Source:臨床小児医学(0035-550X) 55巻3-4号 Page51-56(2007.08)
Author:藤田晃三(札幌市衛生研究所), 菊地正幸, 吉田靖宏, 山本優, 宮下妙子
Abstract:札幌市では1972年からインフルエンザウイルス分離検査を開始したが、病原体定点調査は1987年に、感染症発生動向調査事業に基づく病原体検査は1990年に開始された。さらに、2000年4月からは感染症新法に基づく本格的な病原体定点検査が開始された。感染症発生動向調査に基づく成績は、ほぼ全国的な調査に一致するものであり、2000年からの最近6シーズンではA香港型(AH3亜型)とB型は毎年分離され、Aソ連型(AH1亜型)は2005/06シーズン、3シーズンぶりに多く分離された。B型はシーズン後半に多く分離される傾向にあり、最近6シーズンでは山形系統株とビクトリア系統株が2年毎に入れ替わった。(著者抄録)

2007338881
医中誌Web
横浜市におけるインフルエンザの流行(2005年11月~2006年5月)
Source:横浜市衛生研究所年報(0912-2826) 45号 Page57-62(2006.12)
Author:川上千春(横浜市衛生研究所 検査研究課), 百木智子, 七種美和子, 野口有三, 佐々木一也, 鳥羽和憲
Abstract:2005/2006シーズンに定点調査で把握したインフルエンザ患者数は23300人で、昨シーズンの37707人を下回り、1999/2000シーズンの20217人とほぼ同等であった。シーズン中の患者数の推移をみると、12月下旬から増えはじめ、1月にピークとなっていた。集団かぜは132施設47学級で発生しており、中規模な流行であった。定点ウイルス調査では主にAH1N1型とAH3N2型が分離され、AH3N2型は1月、AH1N1型は2月に流行のピークがみられた。また、4月と5月の検体からB型ウイルスが分離された。AH1N1型ウイルスの抗原性状は、ワクチン株であるA/New Caledonia/20/99と類似していた。AH3N2型ウイルスの抗原性状は、今シーズンのワクチン株であるA/New York/55/2004と類似していた。B型ウイルスはVictoria系統のB/Brisbane/32/2002と抗原性状が類似していた。

2007336047
医中誌Web
腎疾患患者に対するインフルエンザHAワクチン接種によるHI抗体産生と副反応
Source:小児感染免疫(0917-4931) 19巻2号 Page147-155(2007.07)
Author:大熊和行(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 矢野拓弥, 中野貴司, 福田美和, 松村義晴, 荒井祥二朗, 中山治, 神谷齊
Abstract:7~16歳の腎疾患患者23人を対象にインフルエンザHAワクチン接種によるHI抗体産生と副反応の調査を行った。ステロイド剤や免疫抑制剤の治療終了後または治療中の患者において、A/ニューカレドニア/20/99(H1N1)、B/山梨/166/98では1回接種で良好な抗体産生がみられたが、2回接種による追加免疫効果はA/パナマ/2007/99(H3N2)を含めみられなかった。副反応は、局所副反応がやや高い発現率を示したが、問題となるようなものではなかった。(著者抄録)

2007332968
医中誌Web
2005年度の北海道におけるインフルエンザの疫学調査
Source:北海道立衛生研究所報(0441-0793) 56号 Page75-78(2006.11)
Author:伊木繁雄(北海道立衛生研究所), 地主勝, 佐藤千秋, 長野秀樹, 奥井登代, 岡野素彦
Abstract:2005年度の北海道におけるインフルエンザの疫学調査について報告した。道内の10保健所管内から167件のインフルエンザ様疾患患者のウイルス分離用検体(咽頭ぬぐい液34件、鼻汁132件、うがい液1件;検体)が送付された。2000年度以降の道内におけるインフルエンザの流行は、2004年度を除き小規模に推移した。これは、ワクチン接種率の向上を始め、抗インフルエンザ薬による早期治療が功を奏しているものと考えられた。平成18年度はB型ウイルスの流行に対するワクチン効果は期待できなかったが、A型ウイルスに対しては十分な効果があったことが推測された。

2007318788
医中誌Web MedicalOnline
けいれん発作がなくとも前頭葉障害を認めたインフルエンザ脳症における画像所見と知能検査の検討
Source:臨床小児医学(0035-550X) 55巻1-2号 Page3-9(2007.04)
Author:市川光伸(旭川厚生病院 小児科), 小久保雅代, 梶野真・ , 沖潤一, 五十嵐加弥乃, 土田悦司, 野原史勝, 大久保淳, 雨宮聡, 高瀬雅史, 白井勝, 坂田宏, 丸山静男
Abstract:インフルエンザA型(H1N1)によって発熱、多弁後の傾眠傾向、怒りっぽいといった感情コントロール不良をきたした3歳女児例を経験した。入院時(第3病日)の頭部CTでは、両側前頭葉に低吸収域、脳浮腫像があり、翌日の拡散強調画像では両側前頭葉皮質下に線状の高信号域、右中心前回に円形の高信号域を認めた。脳波は全汎性高振幅徐波、99m Tc-ECD SPECTでも、両側前頭前野で集積低下が顕著だった。回復期に反響語がみられ、独歩が可能となった第17病日以降も、落ち着きがなく、感情も不安定だったが、経過中けいれん発作は出現しなかった。4歳4ヵ月時のSPECTでも両側前頭前野のトレーサーの集積低下が顕著であり、5歳9ヵ月時のWPPSIはFIQ58、言語性IQ61、動作性IQ58と知的障害を示した。7歳になった現在も、集中力に欠け、多動が残存している。また、平仮名、数字を唱えるものの、文章の意味や数の概念を理解することはできなかった。WISC-III(7歳5ヵ月時)の下位検査評価点では、算数1、言語理解2、絵画配列1であり、情報の蓄えや統合的機能といった前頭葉と関連する項目が低値であった。本症例は発症前の運動・言語発達には異常なかったことから、けいれん発作がないインフルエンザ脳症でも、多動、集中力低下、文章や数の概念の障害といった前頭葉症状が出現し、脳葉性浮腫、拡散強調画像で皮質下の線状高信号域を呈することを示した例である。(著者抄録)

2007312190
医中誌Web
ビフラボノイド-シアル酸配糖体の抗インフルエンザウイルス活性の検討
Source:日本薬学会年会要旨集(0918-9823) 126年会巻4号 Page187(2006.03)
Author:永井隆之(北里大学生命科学研究所), 三木和彦, 佐々木寛朗, 桜井裕美, 木下薫, 小山清隆, 高橋邦夫, 古畑公夫, 山田陽城

2007312189
医中誌Web
ビフラボノイドのインフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性
Source:日本薬学会年会要旨集(0918-9823) 126年会巻4号 Page187(2006.03)
Author:三木和彦(明治薬科大学), 永井隆之, 佐々木寛朗, 坂本圭代, 木下薫, 小山清隆, 山田陽城, 高橋邦夫

2007258196
医中誌Web CiNii J-STAGE
伝統的な漢方薬麻黄附子細辛湯の、ワクチン接種後の抗体価への影響 プラセボ投与を対照実験とした二重盲検試験(Effect of a traditional Chinese medicine, maobushisaishinto, on the antibody titer after influenza vaccination: A randomized, placebo-controlled, double-blind trial)
Source:Journal of Traditional Medicines(1880-1447) 24巻2号 Page59-66(2007.04)
Author:TerashimaYoshihiro(富山医科薬科大学和漢薬研究所 臨床利用), HamazakiKei, ItomuraMiho, HuanMingming, ShibaharaNaotoshi, KobayashiSatoru, HamazakiTomohito
Abstract:漢方薬の一種である麻黄附子細辛湯はインフルエンザワクチンに対するアジュバント効果をもつという報告が動物実験等から得られている。麻黄附子細辛湯のアジュバント効果を精度の高い臨床試験で調べた。20~71歳の健康な男女47名を無作為に2グループに分け、一つのグループ(n=23)には1日1.68gの麻黄附子細辛湯を2週間投与し、もう一方のグループには対照実験として同量のプラセボを投与した。その後インフルエンザウイルス(A/H1N1、A/H3N2とB)に対するワクチンを接種し、0,1,2,4,12週後に採血して血清中抗インフルエンザウイルス抗体価を測定した。3種いずれのインフルエンザウイルスに対しても、麻黄附子細辛湯投与グループとプラセボグループで抗体価に有意差は得られなかった。

2007255975
医中誌Web
松本市におけるインフルエンザ(2005/2006年期)の疫学的・病因的調査 迅速診断、培養分離に基づいて
Source:日本小児科学会雑誌(0001-6543) 111巻4号 Page623(2007.04)
Author:松岡伊津夫(松岡小児科医院), 松岡明子, 松岡高史

2007230604
医中誌Web
ウイルス感染と宿主応答・ウイルス側の要因 脾臓における細胞死誘導はインフルエンザウイルスA/PR/8の症状に関連する(Induction of cell death in the spleen is correlated to the symptoms of influenza virus, A/PR/8)
Source:日本免疫学会総会・学術集会記録(0919-1984) 36巻 Page201(2006.11)
Author:SatoKayoko(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター バイオリソース部門), FujikuraDaisuke, TakadaAyato, KidaHiroshi, MiyazakiTadaaki

2007186624
医中誌Web
新型インフルエンザパンデミックに備える 「新型」登場の背景
Source:日本医事新報(0385-9215) 4332号 Page81-84(2007.05)
Author:加地正郎(久留米大学), 加地正英

2007161454
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2005/2006年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 47号 Page67-71(2006.12)
Author:川向明美(島根県保健環境科学研究所), 糸川浩司, 飯塚節子
Abstract:今シーズン(2005/2006年)のインフルエンザ様疾患の流行状況と原因ウイルスを把握するため、感染症発生動向調査事業による患者発生報告および学校等での集団発生の情報を解析し、2005年10月から2006年6月にかけて患者検体からのウイルス分離・同定を行った。今シーズンの島根県の流行は、過去10シーズンでは4番目に少なく、中規模の流行であった。2005年第42週から2006年第26週までの総報告数は6667例、定点医療機関あたり175例であった。学校等でのインフルエンザ様疾患集団発生状況は、第3週に県内全域から一斉に報告があり、翌第4週には患者数が1500例を越えて今シーズン最多となった。ウイルス培養検査によりシーズン中121株のインフルエンザウイルスを分離した。型別の分離割合はAソ連型(H1N1)6%、A香港型(H3N2)84%、B型10%であった。

2007160071
医中誌Web
感染症流行予測調査事業(2005/2006) インフルエンザ感受性調査、感染源調査
Source:京都府保健環境研究所年報(1341-4232) 51号 Page33-37(2006.11)
Author:太田真由美(京都府保健環境研究所), 江崎久雄, 石崎徹, 岡本裕行, 山本篤仁, 尾関伴彦, 本庄了, 石倉秀紀, 富田良典, 中村清康, 森垣忠啓
Abstract:京都府における感染症流行予測調査事業のうち、2005/2006シーズンのインフルエンザ感受性調査(人における抗インフルエンザウイルス抗体の保有調査)と感染源調査(インフルエンザ様疾患患者からのウイルス分離・同定)について報告した。インフルエンザ感受性調査については、2005年5月から9月にかけて府内3ヶ所の病院で、来院者および病院関係者から採血した血清304検体について、抗インフルエンザ抗体の保有率を調べた結果、抗A/ソ連(H1N1)型抗体は、就学年齢から50代までは比較的良好な保有率であったが、乳幼児と60代以上の保有率が低かった。そのほか、A/香港(H3N2)型抗体は、全年齢層で比較的良好な保有率で、抗B型抗体は、抗B/上海抗体において20代から40代で良好な保有率であった。また、インフルエンザ感染源調査については、2005年11月から2006年4月までに採取された咽頭ぬぐい液(うがい液)201検体について検査したところ、A/ソ連型27株、A/香港型22株およびB型2株の計51株を分離しており、流行の主流がA/ソ連型とA/香港型の混合であるなど、全国傾向との一致がみられた。

2007142922
医中誌Web
愛知県で2005~2006年に分離されたインフルエンザA型(H1N1)ウイルスのHA遺伝子の配列特徴(Sequence Characteristics of HA Gene in Influenza Type A (H1N1) Virus Isolated during the 2005-2006 Season in Aichi Prefecture, Japan)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 59巻3号 Page209-211(2006.06)
Author:HataMami(愛知県衛生研究所), TsuzukiMasako, SakaeKenji, MinagawaHiroko, KimuraTakashi, MiyazakiYutaka
Abstract:愛知県においてインフルエンザ監視プログラムを通じて2005~2006年に得られたインフルエンザAH1ウイルス分離株の抗原および遺伝的特性を述べる。インフルエンザ患者の咽頭スワブ検体を採取した。ウイルスDNAを培養上清から抽出し、HA1遺伝子の完全コード配列を増幅させ、その増幅フラグメントの直接シークエンシングをDNAシーケンサーで行った。2005~2006年においてこれまでに確認された70のAH1分離株のうち、14株のHA1遺伝子のヌクレオチド配列を決定した。分離株は2つのクラスターa群、b群を形成し、b群はAichi/168/2005を含む早期の分離株が含まれていた。分離株の同一性は99.1~100%であり、予測されるアミノ酸配列に変化はなかった。同時期のワクチン株の1つであるA/New Caledonia/20/99株もb群に含まれ、b群のAichi分離株はこのワクチン株とヌクレオチド配列の同一性が98.1~98.4%であった。一方、a群の分離株はb群よりも遺伝的にA/New Caledoniaと離れていた。A/New Caledonia20/99からのアミノ酸変化は、b群の代表株であるAichi/168/2005様ウイルスにおいて計5つ検出された。一方、a群の代表株Aichi/21/2006様ウイルスは11の予測変化が検出され、そのうち3つのみがAichi/168/2005様ウイルスと共通していた。抗原分析により配列分析結果が更に確認され、Aichi/168/2005様ウイルスはA/New Caledoniaと抗原的に同類であるが、Aichi/21/2006様ウイルスはA/New Caledoniaと抗原的に異なっていた。

2007131776
医中誌Web MedicalOnline
【2006-2007インフルエンザ対策】 インフルエンザ治療薬の薬理と使い方 ザナミビル
Source:綜合臨床(0371-1900) 55巻12号 Page2871-2876(2006.12)
Author:平松久弥子(日本医科大学 内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門)
Abstract:インフルエンザウイルスはオルソミクスウイルス科に属するウイルスで、A,B,Cの3型があるが、流行を起こすのはA,B型であり、A型にはさらにH3N2(ソ連型)、H1N1(香港型)などの亜型がある。感染したインフルエンザウイルスは、感染24時間後から急速に増殖し、発病2日目にはウイルス量はピークとなり、以後減少する。症状の重症度は、この増殖したウイルス量に比例するとされており、インフルエンザウイルスの増殖を抑えるのがインフルエンザ感染症の治療の根幹である。(著者抄録)

2007131775
医中誌Web MedicalOnline
【2006-2007インフルエンザ対策】 インフルエンザ治療薬の薬理と使い方 オセルタミビル
Source:綜合臨床(0371-1900) 55巻12号 Page2864-2870(2006.12)
Author:松本慶蔵(伴帥会愛野記念病院)
Abstract:インフルエンザの予防治療を著しく変貌させたのは第一に1997年末、香港での高病原性鳥インフルエンザの発生と、それより感染したヒト発症例18名と、うち6名の死亡という衝撃的な事実、それに対応する日本の厚生省のアマンタジンの再認可(抗インフルエンザA薬)、それに続く、von Itzsteinがすでに報告(1993年)していたノイラミニダーゼインヒビター;ザナミビルの開発(吸入薬)、それに続く同様作用機作の経口薬オセルタミビルの開発があった。それに刺激され、インフルエンザウイルス迅速診断薬の急速な進歩発展がみられ、インフルエンザへの関心が高まった。上記高病原性鳥インフルエンザは日本へも79年振りに入り、地域によっては鶏に猛威を振るったものの、ヒト感染症の発生はなかった。しかし高病原性鳥インフルエンザはH5N1型を中心に2003年以後急速に東南アジアに伝播し、中国の青海湖では元来水禽に共生していたウイルスは、水禽に病原性を発揮するなどの変異を遂げつつ、中近東、トルコ、アフリカにその感染は鳥類を中心に拡大している。現在ヒトのH5N1A型発症感染死は150名程度であるが、H3N2香港A型ウイルスは1968年以降、大変異せずに流行し、H1N1ウイルスは1977年に出現したものの、1956年頃のウイルスと変わっていないこともあり、H5N1ウイルスがヒトレセプター、SA-α2,6-GALに変異して新型ウイルスに変異する可能性が強く懸念されている。以上、時系列に現状を述べたが、日本ではアマンタジンも、2剤のノイラミニダーゼ阻害薬も世界的に最大数用いられ、迅速診断薬も世界第一に使用されている。筆者はこれまでザナミビルを中心に臨床的研究も進めてきたが、オセルタミビルにも多数の臨床経験をもち、高い関心を持続し、深く文献上も考察しているので、その位置づけを明らかにしながら記述することにする。(著者抄録)

2007131772
医中誌Web MedicalOnline
【2006-2007インフルエンザ対策】 小児期の脳症 診断と治療
Source:綜合臨床(0371-1900) 55巻12号 Page2850-2854(2006.12)
Author:富樫武弘(札幌市立大学 看護学部)
Abstract:毎年冬になるとインフルエンザが流行する。最近は1968年に登場したA(H3N2)香港型、1977年に再登場したA(H1N1)ソ連型にB型の3つのウイルスが単独であるいは複数で流行を繰り返している。このインフルエンザの流行中に、高熱出現からきわめて早期に意識障害を呈する小児の存在が1995年頃から報告されはじめ注目されてきた。その臨床症状の特徴とその後の症例の蓄積の結果、この疾患は「インフルエンザ脳症」と称され、全国くまなく発症しており、その数は一年に100~300例発症することがわかった。いったん発症するとその症状は急速に進行して、しばしば昏睡に陥り死亡に至る例が多い。厚生労働省は科学研究「インフルエンザ脳症の発症因子の解明と治療及び予防方法の確立に関する研究」班(通称インフルエンザ脳症研究班、班長森島恒雄岡山大学教授)を組織してこの疾患の解明にあたらせた。この研究班は平成17年11月「インフルエンザ脳症ガイドライン」を作成し全国の日本小児科学会会員に配布した。この中にはインフルエンザ脳症の初期対応(図1)、診断指針と治療指針などが含まれている。本稿では小児期に発症するインフルエンザ脳症につきその診断と治療を概説する。(著者抄録)

2007130638
医中誌Web J-STAGE
ミャンマーのヤンゴンにおけるインフルエンザウイルス感染の疫学研究(EPIDEMIOLOGICAL STUDY OF INFLUENZA VIRUS INFECTIONS IN YANGON, MYANMAR)
Source:Tropical Medicine and Health(1348-8945) 34巻1号 Page3-6(2006.03)
Author:HasegawaGo(新潟大学 医歯学総合研究科分子細胞病理学), KyawYadanar, NewHla Myat, DanjuanLi, SaitoReiko, SuzukiHiroshi, EbeYusuke, ChoTin Maung, NaitoMakoto
Abstract:ミャンマー、ヤンゴンの3ヶ所の監視サイトにおいて2003年9~2004年12月にインフルエンザ感染の調査を行った。インフルエンザ様症状のある患者616名の喉または鼻スワブを採取し急速診断テストキットとウイルス単離により調べた。2003年9~10月にB型インフルエンザウイルスが6名から検出された。A型インフルエンザウイルスは2004年6~9月に133名から検出され、72の標本から単離された51のA型インフルエンザウイルスはA/H3N2であった。インフルエンザ感染はミャンマーのヤンゴンでは雨季に発生したが継続的な調査が必要である。

2007109262
医中誌Web MedicalOnline
【インフルエンザ 診療のすべてと新型インフルエンザ対策】 スペインインフルエンザの恐怖再び?
Source:臨牀と研究(0021-4965) 83巻12号 Page1765-1769(2006.12)
Author:加地正郎(久留米大学)

2007104306
医中誌Web
インフルエンザ流行予測調査
Source:富山県衛生研究所年報(0917-0707) 29号 Page101-106(2006.10)
Author:堀元栄詞(富山県衛生研究所 ウイルス部), 小原真・ , 岩井雅恵, 長谷川澄代, 滝澤剛則, 永井美之, 田中桂子, 朝野芳明, 中澤保文, 米道暁彦, 宮田英喜
Abstract:2005/2006シーズンの富山県におけるインフルエンザ流行予測調査として、ウイルス感受性調査と感染源調査(ウイルス検索)を行った。感受性調査は県内住民295名を対象に、流行期前(6月~9月)の抗体保有状況を調べた。方法は、ワクチン株4種に対してそれぞれ血球凝集阻止価40倍以上の抗体を保有する人の割合を算出し、結果、A/New Caledonia/20/99(H1N1)株が34.2%、A/New York/55/2004(H3N2)株が41.0%、B/Shanghai/361/2002株(山形系統)が37.6%、B/Hawaii/13/2004株(Victoria系統)が5.8%であった。感染源調査は流行期(12月~5月)に県内インフルエンザ様患者から採取された121検体についてウイルス検索を行った。結果、分離されたインフルエンザウイルスはAH1型が38株、AH3型が67株、B型が9株で、シーズン前半はAH3型が多く分離され、その後やや遅れてAH1型が分離された。B型はシーズン終盤に分離された。分離株の抗原解析を行ったところ、AH1型とAH3型はワクチン株とほぼ同じ抗原性を示したが、B型はいずれもワクチン株とは抗原性の異なるVictoria系統株であった。

2007094233
医中誌Web
新規抗インフルエンザウイルス剤T-705 抗インフルエンザウイルス作用ならびに阻害メカニズム
Source:カレントテラピー(0287-8445) 24巻12号 Page1102-1105(2006.12)
Author:古田要介(富山化学工業)

2007094217
医中誌Web
【人獣共通感染症としてのインフルエンザ パンデミックへの対応】 インフルエンザウイルスのエコロジー 地球におけるインフルエンザウイルスのゲノムプール
Source:カレントテラピー(0287-8445) 24巻12号 Page1022-1026(2006.12)
Author:喜田宏(北海道大学 大学院獣医学研究科疾病制御学講座)

2007074246
医中誌Web MedicalOnline
インフルエンザ迅速診断キットを用いた陽性反応時間の比較検討
Source:医療と検査機器・試薬(1347-0434) 29巻5号 Page451-457(2006.10)
Author:新井恵里子(東京都保健医療公社大久保病院 検査科), 佐藤しのぶ, 村岡良昭
Abstract:2005~2006年のインフルエンザシーズンに市場で使用された主な9種類のインフルエンザ抗原検出キットについて、市販のAソ連型(H1N1)株、A香港型(H3N2)株およびB型株それぞれのインフルエンザウイルスを含む抗原液(低濃度、高濃度)を検体としたときの検査開始から陽性反応を呈するまでの時間(陽性反応時間)を秒単位で記録し、各キット間での値を比較した。比較検討に用いたインフルエンザ抗原検査キットは、いずれもイムノクロマトグラフィーの原理に基づく、A、B鑑別タイプのキットである。イムノクロマト反応を開始してから目視判定で陽性ラインの出現が認められるまでの時間(陽性反応時間)を比較し、キットにより平均時間として2分~9分の差が見られた。

2007062383
医中誌Web
1999/2000~2002/2003年の三重県における幼児に対するインフルエンザHAワクチンによるHI抗体産生と副反応
Source:小児感染免疫(0917-4931) 18巻3号 Page239-254(2006.10)
Author:大熊和行(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 松村義晴, 矢野拓弥, 杉山明, 中山治, 中野貴司, 神谷齊
Abstract:1999/2000~2002/2003年の4シーズンにわたって行われた三重県における幼児に対するインフルエンザHA(Hemagglutinin)ワクチンの有効性と安全性に関する研究で得られた調査データをもとに、HAワクチン接種による赤血球凝集抑制(Hemagglutination Inhibition:HI)抗体産生状況と副反応発現状況についてワクチン株および接種回数別に総合的に検討した。その結果、A/北京/262/95(H1N1)とB/山梨/166/98の2株は、1回接種後より2回接種後のほうが良好な抗体価上昇を示し、A/ニューカレドニア/20/99(H1N1),A/シドニー/5/97(H3N2),A/パナマ/2007/99(H3N2),B/山東/7/97,B/ヨハネスバーグ/5/99の5株は2回接種後より1回接種後のほうが良好な抗体価上昇を示した。また、抗体価2管以上の上昇に影響する要因を単変量解析(Wilcoxon順位和検定、χ2検定)および多変量解析(多重ロジスティックモデル)により検討したところ、年齢(1歳児、2~5歳児)とワクチン接種前の抗体の有(10~20倍)・無(10倍未満)がかなり影響していることが明らかとなった。年齢については、1回目の接種では、1歳児よりも2~5歳児のほうが2管以上の抗体価上昇を良好に示し、2回目の接種では、1回目の接種とは逆に2~5歳児よりも1歳児のほうが良好な上昇を示した。また、ワクチン接種前の抗体の有・無については、1回目の接種では、抗体非保有者よりも既保有者のほうが2管以上の抗体価上昇を良好に示し、2回目の接種では、1回目の接種とは逆に抗体既保有者よりも非保有者のほうが2管以上の抗体価上昇を良好に示した。これらの結果から、1歳児はもとより、2~5歳児もワクチン接種は2回必要であり、2回接種によってもA/北京/262/95(H1N1)(2~5歳児)、A/シドニー/5/97(H3N2)(1歳児)、B/山東/7/97(1歳児、2~5歳児)のように感染防御水準とされる40倍以上に上昇する割合が50%にも満たない株があることも明らかとなった。しかしながら、ワクチン接種量(0.2mL・0.25mL)については、高用量群で良好な抗体価上昇が期待されたが、0.25mL接種群の例数が少なかったためか両群間に有意差はみられなかった。(著者抄録)

2007056518
医中誌Web
【かぜ流行期の高齢者肺炎にどう対応するか】 ワクチンの効果と問題点 インフルエンザワクチン
Source:感染と抗菌薬(1344-0969) 9巻4号 Page375-379(2006.12)
Author:鈴木幹三(名古屋市港保健所), 林嘉光
Abstract:高齢者におけるインフルエンザワクチンの抗体産生能および前向きコホート研究により、高齢者のA型インフルエンザ(H3N2)に対するワクチンの臨床的有効性は明らかである。寝たきり患者あるいは経管栄養患者においても、ワクチンの抗体産生能が認められている。現行のインフルエンザワクチンは、A型(H1N1)およびB型については、A型(H3N2)に比し抗体反応が弱く、今後の検討を要すると思われる。予防接種法においては被接種者本人の接種意思の確認が必要であり、認知症患者などへのワクチン接種は配慮が必要である。(著者抄録)

2007042088
医中誌Web MedicalOnline
基礎 スペインかぜウイルス
Source:インフルエンザ(1345-8345) 7巻4号 Page273-276(2006.10)
Author:新矢恭子(鳥取大農学部附属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター), 河岡義裕
Abstract:スペインかぜは、1918年から翌年にかけて世界的に流行したH1N1型のA型インフルエンザウイル感染症である。世界的には2,000万~4,000万人、日本においても約38万人が死亡したといわれている。1999年に開発されたリバースジェネティクス法を用いることで、解読されたスペインかぜウイルスの塩基配列から当時のウイルスを再現し、そのヒトへの病原性の発現機構を探索することができるようになった。現在、H5N1ウイルス感染時にみられている状況には、スペインかぜ流行当時の記録にあるパンデミック前の状況との類似点が多い。近未来に予想されるパンデミックを未然に防ぐためにも、スペインかぜの解析は重要である。(著者抄録)

2007036006
医中誌Web CrossRef
ゲンチアナ紫(GV)およびGV染色綿によるインフルエンザA型ウイルスの不活性化とこれらの薬剤の殺菌作用(Inactivataon of Influenza A virus by gentian violet (GV) and GV-dyed cotton cloth, and bactericidal activities of these agents)
Source:Journal of Infection and Chemotherapy(1341-321X) 12巻2号 Page73-79(2006.04)
Author:NagayamaAriaki(福岡大学 医学部微生物学免疫学)
Abstract:高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)感染予防では抗ウイルス薬および型特異的ワクチンを作製しなければならないが、公衆衛生においてはフェイスマスクの使用など簡便かつ効果的な様々な予防法が必要である。また、細菌感染について考慮すると、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、バンコマイシン耐性Enterococci(VRE)および多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MDRP)においても解決しなければならない重要な問題がある。本研究では、インフルエンザA型(H1N1)ウイルスに対するゲンチアナ紫(GV)およびGV染色布地の抗ウイルス活性を調査した。時間-殺菌試験を実施し、ウイルス力価を50%組織培養感染量(TCID50)に基づいて決定した。細菌に対するGVの最小阻止濃度も決定し、GV染色布地の殺菌活性を生存細胞数で判断した。電子顕微鏡によりGVが即座にインフルエンザA型ウイルスを死滅させたことが判明した。また、GVおよび銅を併用染色した布地は優れた抗ウイルス活性のみならず顕著な殺菌作用も示した。

2006312845
医中誌Web
2005~2006年のシーズンに神奈川県川崎市で最初に分離されたインフルエンザBウイルス(First Isolation of Influenza B Vires in Kawasaki City, Kanagawa Prefecture, Japan in the 2005-2006 Season)
Source:Japanese Journal of Infectious Diseases(1344-6304) 59巻2号 Page143-144(2006.04)
Author:ShimizuHideaki(川崎市衛生研究所), OkuyamaKeiko, HiraiYoshie, OgawaMasayuki
Abstract:69歳女.主訴は39度の発熱,関節痛,筋肉痛,食欲低下であった.2005年12月13日に採取した咽頭拭い物は市販の迅速診断キットでインフルエンザウイルスB型に陽性を示した.咽頭拭いサンプルをMadin-Darbyイヌ腎臓細胞に接種し,血球凝集抑制(HI)価を調べた.その結果,B/Brisbane/32/2002抗血清に対して5,120,B/Shanghai/361/2002抗血清に対して20のHI価を示したが,A/New Caledonia/20/99抗血清及びA/NEW York/55/2004抗血清に対するHI価は10以下であった.インフルエンザA/H3N2は2005年11月15日,A/H1N1は2005年11月28日に川崎市で分離されていたため,このシーズンはインフルエンザBも共に流行していることが分かった

2006304572
医中誌Web
補中益気湯エキスの抗インフルエンザワクチン抗体産生効果に関する検討
Source:漢方と最新治療 15巻3号 Page235-237(2006.08)
Author:公立陶生病院感染防止対策委員会(公立陶生病院)
Abstract:著者等の施設の40歳以上の職員(医師・看護師・医療技師・事務職員)41名を対象に補中益気湯エキスの抗インフルエンザワクチンの抗体産生効果に及ぼす影響について検討した.対象を補中益気湯エキス服用群19例(A群)と非服用群21例(B群)に分けて比較した.ワクチンはインフルエンザHAワクチンを0.5ml摂取し,A群ではワクチン接種3日前から摂取4日後まで7日間ツムラ補中益気湯エキス顆粒7.5g/日分3で服用した.HI抗体測定はワクチンと同様にA(H1N1,H3N2),B抗原で行った.その結果,摂取前後における抗体保持率(HI40倍以上)の抗体を持つ例数は両群間に有意差を認めなかった.以上より,今回の結果からは補中益気湯エキスの抗インフルエンザワクチン抗体産生効果は認められなかった

2006183735
医中誌Web
2004年度の日本脳炎,風疹,インフルエンザ,麻疹流行予測調査の概要
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 7号 Page86-90(2006.03)
Author:矢野拓弥(三重県科学技術振興センター 保健環境研究部), 中野陽子, 赤地重広, 岩出義人, 山内昭則, 杉山明
Abstract:2004年度の流行予測調査の概要を報告した.日本脳炎ウイルス赤血球凝集抑制(HI)抗体保有豚は,8月4日30%,9日70%(IgM:43%),18日50%(IgM:60%),23日50%(IgM:40%)と推移していた.年齢別風疹HI抗体保有率は0~4歳84.2%,5~9歳100%,10~14歳100%であった.A/swine/Saitama/27/2003(H1N2)に対するHI抗体保有豚2頭確認した.全年齢層でのHI抗体保有率(40倍以上)は,A/NewCaledonia/20/99(H1N1)は47.2%,A/Wyoming/03/2003(H3N2)では41.5%,B/Shanghai/361/2002では23.6%であった.年齢別麻疹PA(Particle Agglutination Test)抗体保有率は,0~4歳92.1%,5~9歳100%,10~14歳100%であった

2006103217
医中誌Web
インフルエンザワクチン株と流行株の適合
Source:薬事新報(0289-3290) 2400号 Page34-37(2005.12)
Author:福沢正人(松本歯科大学附属病院)
Abstract:わが国のインフルエンザワクチン株と流行株の適合について検討した.感染研の感染症情報センターに,インフルエンザワクチン株の選定経過等についての過去のデータを照会し,回答があった内容を検討した.データが検索できた過去8シーズン中,A(H1N1)型は2シーズン,A(H3N2)型は5シーズン,B型は1シーズンでインフルエンザ流行株とインフルエンザワクチン株が適合した.インフルエンザワクチンに含まれる全ての株が流行株と適合していたシーズンはなかった

2006049619
医中誌Web J-STAGE
免疫療法施行下の各種腎疾患患児に対するインフルエンザワクチンの有効性について
Source:日本小児腎臓病学会雑誌(0915-2245) 18巻1号 Page21-25(2005.04)
Author:工藤雅庸(大館市立総合病院 小児科), 小沼俊一, 神尾卓哉, 遠藤泰史, 田中完, 高橋義博
Abstract:免疫療法施行下の各種腎疾患患児に対するインフルエンザワクチンの有効性について検討した.対象は,平成13・14年度が少量ステロイド薬および免疫抑制薬内服中の腎疾患患児10例(6~16歳,ネフローゼ症候群5例,全身性エリテマトーデス2例,その他3例)で,腎疾患以外の11例(2~16歳,気管支喘息5例,他疾患4例,基礎疾患なし2例)を対照とした.一方,平成15年度は中等量ステロイド薬内服中の腎疾患患児4例(5~14歳,IgA腎症3例,ネフローゼ症候群1例)で接種後の抗体価を比較した.その結果,1)少量内服群,対照群ならびに中等量内服群のワクチン接種後のHI抗体価80倍以上獲得はA型H1N1で100%,91%,100%,A型H3N2で91%,91%,100%,B型で44%,44%,0%,HI抗体価2管以上の上昇はA型H1N1で91%,55%,100%,A型H3N2で44%,36%,50%,B型で64%,44%,75%であった.2)各群とも接種による副作用や原疾患の修飾は認めず,インフルエンザ罹患は平成15年度に3例が認められた

2006004605
医中誌Web
劇症I型糖尿病で意識障害をきたした摂食障害の1例
Source:県立会津総合病院雑誌(0913-4492) 20巻 Page25-32(2004.03)
Author:飯塚美伸(福島県立会津総合病院 内科), 浅井淳, 宍戸昌一郎, 齋藤美和子, 宗像源之, 玉川和亮, 石橋克之, 黒沢正喜, 新妻一直, 浜田明子
Abstract:26歳女.患者は15歳頃からうつ傾向があり,過食症を併発した.20歳時には扁桃腺を摘出した.今回,発熱,吐き気,全身の筋肉痛を主訴とし感冒と診断され,解熱鎮痛剤を投与されたものの改善が認められず入院となった.血液ガス分析では著明なアシドーシスを示し,代償性過換気状態にあると考えられた.ウイルス検査ではインフルエンザA(H1N1)IgG抗体,ムンプスIgG抗体が陽性であった.第2病日目に37度台に解熱し,著明な高血糖を認めた.インスリン点滴等の治療を行ったが,意識レベルは急激な低下を来した.だが,第3病日目より意識レベルは急速に改善し,午後にはほぼ正常化した.そして第5病日目には完全に平熱となった.以後,第45病日目より精神科通院のため,同じ都市にある糖尿病専門外来のある病院へ紹介となった.尚,インスリン投与量は多少の変動はあったが,開始時の投与量に落ち着いた

2005261991
医中誌Web
不活化インフルエンザワクチンのA(H3N2)HI抗体に対する交差反応
Source:感染症学雑誌(0387-5911) 79巻5号 Page348-349(2005.05)
Author:小島原典子(東京女子医科大学 衛生学公衆衛生学(II)), 前田章子, 山口直人
Abstract:不活化インフルエンザワクチンのA(H3N2) HI抗体に対する交差反応を検討した.対象は,通院中の39名(男性20名,女性19名・平均年齢64.6歳)で,2004年3月採取の保存血清より市販インフルエンザ赤血球凝集素(HA)抗原と自家増殖抗原を用いHI価を測定した.2003~4シーズンのインフルエンザHAワクチン接種群(26名)では,同シーズンのワクチン株A/New Caledonia/20/99(H1N1),A/Panama/2007/99(H3N2),B/山東/7/97のHI抗体価が有意に高価で,かつワクチン株にないA/Wyoming/3/2003(H3N2)も有意に高価であった.40倍以上の抗体価を有していたのは,接種群ではA(H3N2)/Panama 22名(84.6%),Wyoming 21名(80.8%),非接種群ではそれぞれ5名(38.5%),5名(38.5%)で,両群とも同シーズンの発症者はなく,A(H3N2)/PanamaとWyomingの交差反応およびワクチン接種によりPanama株による抗原連続変異株Wyomingの抗体誘導が示唆された

2005233247
医中誌Web
2003年度の日本脳炎,風疹,インフルエンザ,麻疹流行予測調査の概要
Source:三重県科学技術振興センター保健環境研究部年報(1346-9517) 6号 Page88-91(2005.03)
Author:矢野拓弥(三重県科学技術振興センター), 西香南子, 山内昭則, 久保晶, 杉山明, 中山治
Abstract:2003年度の流行予測調査の概要を報告した.三重県中部地方で飼育された豚では最近の感染があったことを示す2-ME感受性抗体は保有する豚は認められなかった.動物インフルエンザに対するHI抗体保有も120頭のすべての豚で認められなかった.人のインフルエンザHI抗体保有率はH1N1は25.5%,H3N2は49.5%,B/Shandon/7/97は5.5%であり,特にH1N1型は成人層,高齢者層での抗体保有率が低く,B型はすべての年齢で抗体保有率が低かった.麻疹の抗体保有率は全年齢の総計で男性は94.6%,女性は96.2%と高かった.風疹の抗体保有率は0~19歳では男女差はなく,全体では男性は77.0%,女性は87.0%であった

2005165920
医中誌Web
無熱けいれん重積で発症したインフルエンザ感染後脳炎の6歳女児例
Source:小児科(0037-4121) 46巻1号 Page148-151(2005.01)
Author:津留智彦(松戸市立病院小児医療センター 小児内科), 矢田扶友美, 奥村恵子, 西村智美, 鈴木一広, 上瀧邦雄, 平本龍吾, 松本康俊, 星まり, 小森功夫
Abstract:6歳女.患者は鼻汁の抗原迅速検査にてインフルエンザA陽性で,リン酸オセルタミビルを5日間内服していたが,左上下肢を強直させ,左偏視して意識を失うけいれん発作が生じ,約30分持続して自然に消失した.そして,その後,入院となった.所見では,右脳半球に棘波を混ずる徐波や棘徐波複合が連続しており,第2病日に頭部MRIのT2強調画像で右前頭側頭頭頂領域の白質に異常高信号域があり,同部位はT1強調画像で不規則な造影効果が認められた.第8病日には,覚醒時脳波において両側頭頂,後頭,側頭部優位に高振幅徐波を認めた.入院時髄液の単純ヘルペスウイルス1型,2型ともにPCR陰性で,アシクロビルを中止した.血清抗体価はインフルエンザA(H1N1)1280倍,インフルエンザA(H3N2)20倍,インフルエンザBは10倍であった.インフルエンザ感染後脳炎と診断した.退院後1年以上,外来経過観察中であり,けいれんなどの症状は認められていない

2005155092
医中誌Web
感染症流行予測調査事業(2003/2004) インフルエンザ感受性調査,感染源調査
Source:京都府保健環境研究所年報(1341-4232) 49号 Page62-66(2005.01)
Author:太田真由美(京都府保健環境研究所), 石崎徹, 谷口知子, 南和代, 山本登, 富田良典, 中村清康, 上古純子, 森垣忠啓
Abstract:2003年7月から12月にかけて,公立南丹病院,国立病院機構南京都病院及び公立山城病院において来院者及び医療関係者から採血した血清計349検体について,インフルエンザA/New Caledonia,A/Panama,B/Shandong,B/Shanghaiの各抗原に対する抗体価を測定した.2003年11月から2004年5月にかけて,京都府内の小,中学校で集団発生したインフルエンザ疾患患者より得られた54検体及び検査定点で採取した230検体の合計284検体の咽頭ぬぐい液について,ウィルス分離及び同定を行った.抗A/ソ連(H1N1)型抗体は,就学年齢層で比較的良好な保有率を示し,高年齢層になるほど低下する傾向があった.抗A/香港(H3N2)型抗体は0-4歳を除き良好な保有率であった.抗B型抗体は,抗B/Shanghai抗体が15-19歳で比較的良好な保有率を示した以外はおおむね低い保有率であった.咽頭ぬぐい液284検体から,A/香港(H3N2)型52株を分離した

2005023364
医中誌Web MedicalOnline
生ワクチンの経験と今後の期待
Source:インフルエンザ(1345-8345) 5巻3号 Page243-247(2004.07)
Author:宮崎千明(福岡市立西部療育センター 小児科)
Abstract:3価低温馴化温度感受性弱毒生インフルエンザA(H1N1),A(H3N2),B混合ワクチンはそれぞれ弱毒親株と流行株との遺伝子再集合体であり,流行株のHAとNAをエンベロープ上に表現しており,経鼻的に接種されるので局所粘膜免疫を付与することができる.2003年米国FDAが5歳から49歳までの健康小児と成人への使用を承認し,それを受けてCDCのACIPや米国小児科学会は同対象に対して接種を勧告した.今後,世界的に使用が広がっていくと考えられる

2004271234
医中誌Web MedicalOnline
動物での粒子介在型遺伝子銃による口腔粘膜の免疫感作(Oral Mucosal Immunization with a Particle-mediated Gene Gun in Animals)
Source:Oral Medicine & Pathology(1342-0984) 9巻1号 Page13-18(2004.03)
Author:WangJun(自治医科大学 歯科-口腔外科), ItohHiroto, JinbuYoshinori, KusamaMikio, HakamataYoji, TakahashiMasafumi, MurakamiTakashi, KobayashiEiji
Abstract:粘膜表面の直接免疫感作による粘膜性免疫の誘導はDNAワクチンを含むワクチン法が考えられている.粒子介在型遺伝子銃システムをハムスター,ウサギ,イヌの口腔に用い,口腔粘膜への外来遺伝子輸送に適した条件を調べた.その結果,口腔粘膜におけるマーカー遺伝子(グリーン蛍光タンパク質遺伝子およびルシフェラーゼ遺伝子)の発現は皮膚に比べ十分に高かった.インフルンザA/WSN/33(H1N1)赤血球凝集素cDNAをマウスインターロイキン-18と共にDNAワクチン接種した.イヌモデルでの結果はこの方法が臨床応用に関して安全なことを示していた

2004218332
医中誌Web MedicalOnline
軽度脳低温療法+CHDFにて神経学的後遺症を残さず救命しえたインフルエンザ脳症の1例
Source:ICUとCCU(0389-1194) 28巻2号 Page129-134(2004.02)
Author:松平宗典(長崎市立市民病院 小児科), 橋口順康
Abstract:3歳女児.発熱により外来受診した.兄がインフルエンザAと診断されていたため,オセルタミビルを投与され一旦帰宅となった.初診時には意識清明で嘔吐もなく,神経学的にも異常を認めなかった.約6時間後,呼びかけに反応なく全身痙攣をきたしたため再来した.来院時体温39.8℃,意識レベルJCS300,頻拍,多呼吸,上下肢の腱反射亢進,バビンスキー反射陽性,両側瞳孔散大し,対光反射を僅かに認めた.ジアゼパムの静注後も処置による刺激で容易に強直間代発作が誘発される状態であった.頭部単純CTでは出血・梗塞は認めず,軽度の脳浮腫を認めるのみであった.入院時と1週間後の血清で,インフルエンザA(H1N1)の抗体価の上昇が確認された.脳低温療法と持続濾過透析(CHDF)に加え,抗インフルエンザ薬・抗生剤等を使用した.治療開始30時間後頃より改善がみられ,CHDFは54時間,脳低温は72時間施行後復温した.治療後の神経学的回復は速やかで,脳波,頭部MRI上も異常を認めず退院となった.現在1年6ヵ月経過しているが,精神運動発達は正常で神経学的異常も認めていない

2004206716
医中誌Web PierOnline
【インフルエンザ研究の最前線】 インフルエンザの疫学 インフルエンザ株サーベイランスから見た世界のインフルエンザの流行
Source:最新医学(0370-8241) 59巻2号 Page248-256(2004.02)
Author:小田切孝人(国立感染症研究所 ウイルス3部)
Abstract:世界各地で分離されたインフルエンザ流行株の解析結果から見た最近の流行の特徴は,2001/02シーズンにA/H1N1(ロシア型)とA/H3N2(香港型)との遺伝子再集合体A/H1N2が出現し世界各地に広がったこと,B型ウイルスの流行の主流が山形系統からVictoria系統に替わったこと,更にこれら2系統間で遺伝子再集合が起こり,最近分離されるVictoria系統株のNA遺伝子は山形系統から由来していることなどが挙げられる.そこで,米国,英国,オーストラリア,日本のWHOインフルエンザ協力センターから得られた情報に基づいて,最近の世界のインフルエンザ流行株について紹介した

2004189488
医中誌Web
感染症流行予測調査事業 インフルエンザ感受性調査,感染源調査
Source:京都府保健環境研究所年報(1341-4232) 48号 Page61-65(2004.03)
Author:石崎徹(京都府保健環境研究所), 太田真由美, 森垣忠啓
Abstract:2002年7月から12月にかけて公立南丹病院,国立療養所南京都病院,公立山城病院における来院者(有症者)から採血した血清207検体を供試検体として,インフルエンザの各抗原に対する抗体価を測定した.A/ソ連(H1N1)型は集団生活年齢層で高く,それ以外では低かった.A/香港(H3N2)型も同様の傾向にあった.B型に対する感染防御抗体保有率は,15-19歳を除いては低く,流行の恐れがあった.咽頭ぬぐい液278検体から,A/香港(H3N2)型46株,B型47株のインフルエンザウイルスを分離した.府内における流行は全国的な流行状況と同様にA/香港(H3N2)型,B型による混合流行であった.2002-2003シーズンのインフルエンザの流行は,2002年12月から始まり,2003年3月末には終息した.また,インフルエンザ様疾患患者報告数は2001-2002シーズンと比較して,その流行規模はわずかに大きかった

2004187199
医中誌Web
細胞培養分離株 A型(H1N1)インフルエンザウイルスのニワトリ赤血球凝集能の低下
Source:医学検査(0915-8669) 53巻4号 Page604(2004.04)
Author:今村宜寛(久留米大学 医学部ウイルス学), 高井良美智代, 神野智美, 佐藤悦子, 沼田早苗, 高橋明子

2004156354
医中誌Web MedicalOnline
老健施設でのインフルエンザワクチン一回接種前後の抗体価の変化
Source:日本医事新報(0385-9215) 4148号 Page28-30(2003.10)
Author:岡成寛(さとう記念病院 老人保健施設), 平山宗宏, 稲田洋
Abstract:老健施設入所者47名について標題の変化を調査した.ワクチン接種により血中抗体価感染防御濃度40倍以上を獲得した割合は,抗体別に,Aソ連型H1N1が54%,A香港型H3N2が87%,B型が23%であった.これまで老人のワクチン接種は1回で十分とされてきたが,今回の結果から施設内の限られた空間にB型やAソ連型H1N1のウイルスが侵入した場合には流行を引き起こす可能性もあると考えられた

2004133969
医中誌Web
平成14年度感染症流行予測調査結果
Source:群馬県衛生環境研究所年報(1340-265X) 35号 Page89-97(2003.10)
Author:池田美由紀(ねんりんピック事務局), 齋藤美香, 赤見正行, 長井章
Abstract:平成14年度感染症流行予測調査結果を報告した.感染源調査ではインフルエンザは2001/02シーズンに得られた咽頭ぬぐい液から,日本脳炎ウイルス(JEV)はブタ血清中のJEVに対するHI抗体調査からそれぞれの流行を予測し,感受性調査は提供された血清914検体について行った.分離されたインフルエンザウイルスの総数は90株(AH1型5株,AH3型60株,B型25株)であった.HI抗体保有率はA/ニューカレドニア/20/99(H1N1)株では29.6%,A/パナマ/2000/97(H3N2)株では54.3%,B/山東/7/97株では9.8%であった.日本脳炎ではJEVのHI抗体保有のブタは1頭も確認されず,HI抗体保有率は31.6%であった.風疹のHI抗体保有率は81.2%,流行性耳下腺炎では70.0%,麻疹では94.8%であった

2004086795
医中誌Web MedicalOnline
不活化インフルエンザワクチンの1回半量接種
Source:インフルエンザ(1345-8345) 4巻4号 Page349-356(2003.10)
Author:堀江正知(産業医科大学産業生態科学研究所 産業保健管理学), 菅谷憲夫, 宇都宮千春, 佐・ 薫, 深澤糾
Abstract:日本人の就業者において,不活化インフルエンザワクチンの通常重の半量を1回接種する方法によって通常重の1回接種と同等の免疫が獲得されるかどうかについて検討した.H1N1型,H3N2型,B型全てについて,両群共にインフルエンザHI抗体価は有意に上昇し,幾何平均値及び4倍以上上昇した者の割合には差を認めなかった.公衆衛生や集団における費用便益を重視する観点からは,限られたワクチンを多くの対象者に使用し,なるべく安価で効率的にインフルエンザワクチンを接種するために,不活化インフルエンザワクチンの通常重の半量を1回接種する方法を検討することには意義があると考えた

2004001065
医中誌Web
インフルエンザ様疾患の流行状況(2001/2002年)
Source:島根県保健環境科学研究所報(1347-2860) 43号 Page115-119(2002.12)
Author:武田積代(島根県保健環境科学研究所), 川向明美, 糸川浩司, 飯塚節子, 板垣朝夫
Abstract:インフルエンザ様疾患の流行状況と原因ウイルスを把握するために島根県内での2001年10月から2002年6月にかけて患者検体からのウイルス分離・同定を行うと共に感染症発生動向調査事業による患者発生報告及び学校等での集団発生状況等の情報をまとめた.今期は前期に続いて過去10年間で2番目に流行が小規模であった.定点での総報告数は2372名で定点医療機関あたり62名であった.今期の流行の主体はAソ連型(H1N1)ウイルスであったが,昨年についでA香港型(H3N2)とB型も分離され,混合流行を示した.Aソ連型の分離頻度は全体の62.4%で1~3月が流行の中心であったと考えられた

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