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医中誌からのお知らせ

NLM/PubMed 最新情報

MeSH 2013年版が公開される

2012年11月7日更新

PubMedのシソーラス「Medical Subject Headings(MeSH)」は毎年改訂され秋に発表されるが、2013年度版のMeSHがNLMサイトに公開された。
MeSH2013には26,853語のディスクリプタが登録されたが、2012年版との大きな変更はなく、登録語数に大きな変動はない。

MeSH2013のTreeは、MeSHサイトのIntroduction to MeSHの中のTree Structures;Trees 2013 で、サブカテゴリーごとにTree番号付で見ることができる。

NLM前館長カミングス博士が90歳で死去

2011年9月13日更新

1964年から1984年までNLMの館長を務めたカミングス博士(Martin M. Cummings)が8月末に90歳で死去した。

カミングス館長はコンピューター時代の到来した1960年代後半から1970年代にかけてNLMを世界最大の生物医学分野の図書館・情報センターに育て上げた。
コンピューターによる大規模な医学文献検索システムMEDLARSが1964年にスタートし、それをベースとしたオンライン検索サービスMEDLINE(MEDLARS Online)を1971年に実現させた。
また彼は国際的な情報交換にも力を注ぎ、MEDLARSセンターを各国に設置した。

カミングス館長の大きな功績は医学図書館援助法(Medical Library Assistance Act)の制定の実現とそれの実行であろう。
この法律を基盤に米国内の医学図書館のネットワーク(National Network of Libraries of Medicine: NN/LM)が構築され、医学図書館、医学図書館員への各種の財政的援助が可能となった。
また、NLMの研究開発部門であるリスターヒル生物医学コミュニケーション・センターの創設も計画・実現し、ここでの研究開発の成果がインターネットによる文献検索サービスPubMedとなるのである。
そして1984年に現館長リンドバーグ博士に引き継がれた。

http://www.nlm.nih.gov/news/cummings_death_notice.html

なお、NLMの175年の歴史については下記のサイトに年代順にまとめられている。
http://apps.nlm.nih.gov/175/milestones.cfm

NLMの創設175周年サイトが新設される

2011年4月5日更新

NLMがその前身、軍医総監図書室から数えて今年が創設175周年を迎えることを祝って、記念のサイトが作られた。
このサイトには館長の挨拶、1836年からのNLMの歴史年表、NLMの歴史画像コレクションの紹介、 今年一年間の各種のイベント・カレンダーなどが掲載されて、過去から現在までのNLMの幅広い活動を知ることができる。

またページの中央にはNLMの歴史と現在の活動を示すビデオが用意されている。

NLM 175th

NATIONAL LIBRARY OF MEDICINE 175TH

NLMウェブサイトのデザインが一新される

2011年2月14日更新

2011年1月からNLMのウェブサイトのデザインがまったく新しくなった。
NLMのウェブサイトは1993年10月にスタートしてから何回かの改訂がされ、2004年が最新であったが、7年ぶりにそのデザインが一新し非常に見やすくなった。

サイトの中心にはNLMが提供している最新サービスでの注目の画像が表示される。
モバイルフォンで見ることが出来るようになった消費者用健康情報サービスMEDLINEplus、ゲノム情報サービス、そして医学史の資料として「華岡青洲の外科手術書」も出てくる。
この「華岡青洲」をクリックしてディジタル本を一ページづつめくると江戸時代の鮮やかな色の図版を見ることができる。

左側にはNLMの作成している色々なデータベースへのリンク、そして右側の「Find, Read, Learn」のカラムには、医学文献の探し方、医学用語(MeSH、UMLSなど)、病気の情報、臨床試験の情報、無料で入手可能な医学文献などについての案内が示される。
またNLMの諸活動、研究開発プロジェクト、図書館員への情報などについては下の段に示される。
また、最下段には今はやりのツイッターやフェイスブックといったソーシャルネットワークにつながるアイコンも用意されている。

NLMNIH

http://www.nlm.nih.gov/

PubMedに論文中の図表イメージが添付される

2010年11月22日更新

PubMedの検索結果に論文中の図表の画像データとそのキャプションが添付されることになった。
これらは論文のディジタルアーカイブPubMed Centralに蓄積されている約250万件の図表データである。

これによって、PubMed検索によって論文の抄録だけでなく、科学論文のエッセンスである図表を即座に見ることが可能となった。
二次情報から一次情報へダイレクトにアクセスできることになり、医学研究、教育の場で役に立つことになろう。

PubMed Display Enhanced with Images from the New NCBI Images Database

PubMed Display Enhanced with Images from the New NCBI Images Database

MeSHシソーラス 50周年を迎える

2010年10月5日更新

医学文献検索での必須アイテム、Medical Subject Headings(MeSH)が、今年、創刊50周年を迎え、NLMでは講演会などの行事が計画されている。

MeSHは1960年に創刊された当時、その名の通り件名標目表であったが、検索システムがMEDLARSからオンラインシステムMEDLINE、そしてWebサービスPubMedへ進化するとともに現在のようなシソーラスへと成長してきた。当初はディスクリプタの数も4,300と少なかったが、現在では約25,000と巨大になり、階層構造リスト(Tree Structures)も12段階までと深くなっている。医中誌のシソーラスもMeSHに準拠して作成されている。

下記のMeSH部門のページには、これまでMeSHに係わった人々の写真、歴史、年表、関連文献、などが記載されている。
http://www.nlm.nih.gov/mesh/mesh_at_50/mesh_at_50.html

なお、2011年度のMeSHがリリースされている。
http://www.nlm.nih.gov/mesh/filelist.html

MeSH 1964年版
MeSH 1964年版
MeSH 2004年版
MeSH 2004年版

PubMedの収録文献数が2,000万件に到達

2010年9月21日更新

世界中で最もよく使われている医学文献データベースMEDLINE/PubMedに2010年7月27日、2,000万件目の文献データが入力されたことがNLMから報告された。
くしくも同じ日には医学分野のフリーのディジタル・アーカイブPubMed Central(PMC)へのフルテキスト論文の蓄積数が200万件に達した。

PubMedが1997年に正式にスタートした当時は毎月60万件程度の検索数であったが、現在では年間10億回以上の検索が世界中の医師、研究者、そして一般の人々によって行われている。
このデータベースには約5,400タイトルの医学関連の学術雑誌から年間71万件(2009年度)の書誌データが入力されている。
また2000年に登場したPubMed Centralには650以上の雑誌からのオリジナル論文が蓄積され、無料でアクセスできる。

Two NLM Milestones: PubMed Adds 20 Millionth Citation, PubMed Central Logs 2 Millionth Article

PubMedなどの歴史については、以下を参照ください。

医学文献情報サービスから健康情報サービスへの展開

※野添 篤毅(愛知淑徳大学名誉教授)「医学文献情報サービスから健康情報サービスへの展開 ―MEDLARSからMEDLINE/PubMed,そしてMEDLINEplusへ」(「情報管理」50巻9号Page.580-593)

MLA大会での「NLM Update」プレゼンのスライドが公開される

2010年6月21日更新

5月下旬にワシントンD.C.で開催された米国医学図書館協会(MLA)大会では恒例の米国国立医学図書館(NLM)の活動報告、「NLM Update」が行われた。

ここではまず館長のD.Lindberg博士がNLMの将来計画について発表し、つぎに図書館運用部門のAssociate Director, Sheldon Kotzin氏がNLMの各種の活動を報告し、その後に臨床試験のサイト、Clinical Trails.govの責任者 D.Zarin博士がこのサイトの運用状況について説明した。

NLMの活動報告(以下のニュース内のLibrary Operationsの項)と臨床試験サイトの現状(ClinicalTrialsの項)についての報告のパワーポイント・スライドがNLMのサイトで公開された。

MLA 2010: NLM Update PowerPoint Presentations

MLA大会でのNLM展示でのプレゼンがネットで公開される

2010年6月21日更新

米国医学図書館協会(MLA)大会は5月21日から26日に渡り、ワシントンD.C.で2,000人以上の会員を集めて開催された。

毎回大会の展示会場の入り口に設けられる米国国立医学図書館(NLM)のブースでは、NLMの各種のサービスの最新情報が発表される(NLM Theaterと呼ばれる)。

今回のNLM Theaterでのサービス紹介(スライドつき)がNLMのサイトで公開された。
PubMedの最新情報、MedlinePlus(消費者健康情報サイト)のデザインの改訂、臨床試験Clinical Trials.gov, 統合型医学用語サイトUMLS、NCBIゲノムデータベースの紹介など、12のサービスについて20分前後の紹介がスライド画像と共に音声(キャプション付)が流れてくる。

MLA 2010: NLM Theater Presentations

PubMed画面のデザインが新しくなる

2009年11月2日更新

これまで慣れ親しんでいたPubMedホームページのデザインが一新され、10月27日から新しいバージョンに移行し、非常に見やすくなった。

新しい画面ではこれまでサイドバーにあった情報源への案内が、画面中央に移動した。
ここには、PubMedの利用法のサイト、PubMedの各種の検索ツール(Citation matcher, Clinical Queries, Topic-Specific Queries -各種の医学トピック・サイト)、その他の補助ツール(ニュース、PubMedチュートリアル、MeSHデータベース、雑誌データベース、臨床試験データベース)が配置されている。

また、画面の下部にはNCBIの作成しているゲノム関係のサイトが一覧されてアクセスしやすくなった。

PubMedの新しいデザインについては下記のサイトに説明がある。

PubMed Redesign

また、PubMedチュートリアルなども全て改訂された。最新のPubMedトレーニング・マニュアル(150頁)は下記サイトにある。

http://www.nlm.nih.gov/pubs/manuals/pm_workbook.pdf

新しい検索結果のページでは、右側に各種の参考情報が示される。たとえば、検索文献中のレビュー記事およびフリーのフルテキスト論文の数とリンク、検索対象の医薬品情報へのリンク(下記の例ではInterferon)、PubMed Centralに含まれるフリー論文へのリンク、ゲノムなどの他のデータベースへのリンク、そして過去の検索履歴などといった数々の関連情報が示される。
また、検索結果の表示法(ページあたりの文献数、抄録やMeSH用語の表示など)も上部のDisplay settingsから容易に行えるようになった。

検索文を入れると右側、"Also try"欄に、より特定性の高い検索例が示される。
図の例では、"interferon hepatitis"と入れるとシステムからは、"pegylated interferon hepatitis c"などの検索も試してみては、との関連するトピックスを与えてくれる。

PMCID

NCBIが迅速な研究情報提供サービス(RRN)を開始

2009年9月16日更新

NLMの下部機関である国立バイオテクノロジー・センター(NCBI)は8月、新しい緊急研究情報の提供サービス(Rapid Research Notes:RRN) を開始した。

RRNは最近の新型インフルエンザの流行に対応するために最新の医療情報をインターネットで迅速に提供することを目的とした研究成果の原論文サービスである。

当面提供される情報源はPublic Library of Scienceの開発したオープンアクセスのインフルエンザ研究に特化したオンライン雑誌PloS Currents: Influenza, PLoS Currents: Influenza である。ここに収録された研究論文は通常の査読は受けてはいないが、この分野の第一線の研究者によって掲載が妥当か否かのスクリーニングが行われている。
RNNは将来、他の緊急性の高い生物医学研究分野にそのサービスの範囲を拡大することを計画している。

(NLM Technical Bulletin, no.370, Sep-Oct. 2009)

NLM Launches 'Rapid Research Notes' Archive

つぶやき」コミュニケーション、ツイッター(Twitter)とMEDLINEplusが結ぶ

2009年9月16日更新

オバマ米大統領も愛用しているとして最近注目されている個人コミュニケーション・ツール、ツイッター(Twitter)がNLMの健康情報ポータル・サイトMEDLINEplusと結ばれた。

ツイッターに投稿された健康・医療関連の「つぶやき」medlineplus4you の回答としてMEDLINEplusに掲載されているウェブサイトにリンクが張られるようになった。

MEDLINEplusはNLMで評価された信頼できる健康・医療関連の情報源を提供し、世界中で消費者健康情報源として利用されている。
http://www.nlm.nih.gov/news/twitter_medlineplus.html

NIH Public Access Policy 関連のウェブサイトが新しく更新される

2009年4月2日更新

2008年4月から米国国立保健研究所(NIH)からの研究助成を受けた研究の成果論文はすべてNIHのディジタルアーカイブPubMed Central(PMC)に提出することが義務付けられました。
そしてPubMedの書誌データの抄録の後にPMC番号(PMCID)が付けられています。研究者は論文引用などの際に書誌データの最後にこのPMC番号を付けることが推奨されています。またPubMedではPCMIDでの検索も可能です。

NIH Public Access Policy に関するNLMの新しいウェブサイトが提供されています。このポリシーの解説、PMCへの論文登録のシステムなどの関連サイトが示されています。

http://www.nlm.nih.gov/bsd/public_access/resources.html

また、NIHからはPublic Accessについてのスライド、FAQなどの広報資料が提供されています。

Training and Communications

PMCID

(NLM Technical Bulletin, no.367, Mar-Apr. 2009)

PubMed検索ページにNIHのPublic Accessの広報

2009年2月9日更新

PubMed検索ページを開くと、検索ボックスのすぐ下にNIH(National Institutes of Health)からのpublic accessに関する知らせが出ていることに気づきます。

「あなたの研究がNIHからの研究助成を受けていますか?もしそうであれば,あなたの研究論文をPubMed Centralに投稿しなければなりません。」

この広報はNIHが進めている医学論文の電子デポシトリーPubMed Centralに研究成果の登録を勧めるものです。
昨年からNIHの研究助成を受けた研究成果の論文のすべてがPubMed Centralに収載されることになり、誰でもが最新の、質の高い医学研究論文に無料でアクセスできることになりました。

PubMedにはNIHからの研究助成を受けた年間約7万件(2007年)もの医学論文データが収録されています。これらの動きを背景に現在ではPubMedに収録される文献データのうち、2000年以降(蓄積文献数 約500万件)の収録論文の20%をデジタル版で無料で読むことが可能となっています。

Public Access

NLMから医中誌ホームページへメッセージが届きました

2008年12月9日更新

米国国立医学図書館(NLM)図書館運用部副部長 Sheldon Kotzin氏からNLM/PubMed最新情報欄の新設に際して、メッセージが寄せられました。

I was pleased to see the new JAMAS home page and delighted to see your inclusion of information about products of the National Library of Medicine (NLM). We are happy to have some of our databases featured on your site. For many years there has been a close relationship between JAMAS and NLM, especially in the areas of indexing and vocabulary development. We look forward to many more years of collaboration and the fruitful exchange of ideas.

Best Wishes,

Sheldon Kotzin
Sheldon Kotzin氏 (2008年11月21日 米国国立医学図書館にて)

Sheldon Kotzin
Associate Director for Library Operations
National Library of Medicine
National Institutes of Health

「私は医学中央雑誌の新しいホームページを見ることを大変うれしく思っています,またそこにNLMの色々なサービスに関する情報が含まれていることを喜んでいます。 われわれはあなたのサイトにいくつかのNLMのデータベースが取り挙げられていることに感謝しています。 医中誌とNLMは、索引業務や医学用語管理などの分野を中心として,長い期間に渡って密接な関係を保ってきました。 われわれは今後とも、より長い協力関係と実り深い意見の交換を期待しています。」

医薬品センサーがPubMed検索結果に表示される

2008年11月7日更新

Drug Sensorとは、検索質問に医薬品名が含まれているかを感知して、PubMedの検索結果の文献リストにその医薬品に関する質の高い関連情報を表示するセンサーである。
このDrug SensorはNLMの国立バイオテクノロジーセンター(NCBI)で開発された。たとえば日本人が発見したコレステロール値を下げる薬として有名なスタチン(Lovastatin)を検索すると、下のように画面の右側にスタチンの作用機序を説明する情報源が表示される。
現在は200の医薬品についてセンサーが働く。この情報はオレゴン健康大学Drug Effectiveness Review Project(DERP)のシステマティック・レビューに基づいている。

また文献データを開くとAbstractPlus画面の関連文献欄(Related Articles)の下に患者用医薬品情報(Patient Drug Information)が表示される。

Drug Sensor

Drug Sensor Added to PubMed Results Page

Patient Drug Information Available from PubMed

PubMedに研究協力者(Collaborators)の名前が入力される

2008年11月7日更新

大規模な臨床試験の研究論文などでは研究グループ名が著者として採用されることが多くある。PubMedには昨年末で約57,000もの団体著者名がみられる。
NLMでは研究に係わったすべて人々の情報へアクセス可能にするために論文に記載されている研究グループに参加した研究協力者(Collaborators)のすべての名前をデータベースに入力することになった。

これは医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors: ICMJE)のガイドライン「生物医学雑誌への投稿のための統一規定」(Uniform Requirements for Manuscripts submitted to Biomedical Journals)(http://www.icmje.org、日本語版はhttp://www.toukoukitei.net にあり)に従ったものである。

これによって論文の著者として記載されていない研究協力者についてもPubMedで検索が可能となった。PubMedの検索結果画面のCollaboratorsをクリックするとすべての研究協力者名が出力される。

collaborators

Study Collaborators Included in MEDLINE/PubMed

健康情報ポータルサイトMEDLINEplusが10周年を迎える

2008年11月7日更新

1998年にスタートした消費者向け健康ウェブサイトのポータルサイトMEDLINEplusはこの10月22日で創設10年を迎えた。

この健康情報ポータルサイトへは世界中の200ヶ国からこれまでに5億人の人々がアクセスし、毎月1,200万人もの利用者がある。
このサイトは一般の人々にとって健康情報に到達するために最良のものとされている。

ここには770の疾患・健康に関するトピックスについて信頼できる英語の情報源が掲載されている。
最近スペイン語版のMEDLINEplusが新設されるとともに、日本語を含めた世界の40の言語による翻訳版の健康情報も今年から追加された。

mplus_turns_ten
最新のサイトのトップページにはバースデーケーキが飾られている。
http://www.nlm.nih.gov/news/mplus_turns_ten.html

NLM/PubMed最新情報をお届けします

2008年11月7日更新

医中誌Webのリニューアルを機に、米国国立医学図書館(National Library of Medicine:NLM)の動き、PubMed/MEDLINEに関する最新情報をNLMの情報源から随時お届けします。

ここに掲載した情報についてのご質問は、までお願いします。(監修:野添篤毅)