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医中誌からのお知らせ

NLM/PubMed 最新情報 18

2011年9月13日更新

NLM前館長カミングス博士が90歳で死去

1964年から1984年までNLMの館長を務めたカミングス博士(Martin M. Cummings)が8月末に90歳で死去した。

カミングス館長はコンピューター時代の到来した1960年代後半から1970年代にかけてNLMを世界最大の生物医学分野の図書館・情報センターに育て上げた。
コンピューターによる大規模な医学文献検索システムMEDLARSが1964年にスタートし、それをベースとしたオンライン検索サービスMEDLINE(MEDLARS Online)を1971年に実現させた。
また彼は国際的な情報交換にも力を注ぎ、MEDLARSセンターを各国に設置した。

カミングス館長の大きな功績は医学図書館援助法(Medical Library Assistance Act)の制定の実現とそれの実行であろう。
この法律を基盤に米国内の医学図書館のネットワーク(National Network of Libraries of Medicine: NN/LM)が構築され、医学図書館、医学図書館員への各種の財政的援助が可能となった。
また、NLMの研究開発部門であるリスターヒル生物医学コミュニケーション・センターの創設も計画・実現し、ここでの研究開発の成果がインターネットによる文献検索サービスPubMedとなるのである。
そして1984年に現館長リンドバーグ博士に引き継がれた。

http://www.nlm.nih.gov/news/cummings_death_notice.html

なお、NLMの175年の歴史については下記のサイトに年代順にまとめられている。
http://apps.nlm.nih.gov/175/milestones.cfm