医中誌News
 

医中誌News目次
 
新サービスへの取り組みについて

新年を迎え皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は「医学中央雑誌データベース」(以下、医中誌データベース)をご利用いただき誠にありがとうございます。また、本法人の事業推進に対しましては格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
年頭にあたり、本年度に計画しております「医中誌データベース」作成上の改良点と「医中誌Web」検索上における機能の充実について、その概要をご案内いたします。

1.「医中誌データベース」作成上の改良点
(1)収録誌の編集・作成の順位付けについて
網羅性を重視した編集・作成の基本方針の下、全収録誌(2,271誌)の実態調査、採択基準などの見直しを行い、収録誌ごとに編集・作成の優先順位を検討して作成フローに反映します。

(2)「診療ガイドライン」のタグ付けについて
主に国内の学会などによって作成され、学会誌に掲載されている「診療ガイドライン」を対象に、タグ付けを行い、1999年以降のデータより検索ができるように取り組みます。医中誌Webでのデータの提供開始は3月末頃を予定していますが、これにより、わが国の「診療ガイドライン」の凡その作成状況が把握でき、利用上のお役に立つものと確信いたします。
なお、エビデンスレベルの高い国内医学文献につきましては、既に、1999年から「メタアナリシス」、「ランダム化比較試験」などの4つの研究デザインに該当する原著論文に対してタグ付けを行い、検索可能になっています。

(3)著者抄録の利用促進について
タイムラグ短縮の対策として、昨年より著者抄録の利用を促進しています。著者抄録の利用にあたって、その権利の許諾交渉を行っていますが、学会や医書系出版社各位には特段のご配慮を賜り、許諾の交渉は順調に進んでいます。本年は、より本格的に取り組んでまいる所存でありますので、関係各位のご理解とご協力の程をお願い申し上げます。

(4)「医学用語シソーラス」第6版の作成について
医学・医療の進歩に沿った医学用語の整備の重要性は日毎に増しています。そこで、「医学用語シソーラス」(以下、シソーラス)の作成に限らず、「医中誌データベース」利用者の要望を幅広く審議するための「医学用語委員会」を新たに設置いたしました。本委員会で審議されたコンセプトを踏まえて「シソーラス」が作成され、登録された用語は、毎年追加収録される30数万件の文献に検索語として付与され、かつ、既に「医中誌データベース」に蓄積されている約530万件の膨大なデータを瞬時に検索する上で貴重な役割を果たします。
また、それはMEDLINEのMedical Subject Headingsを基調として構成・作成される「シソーラス」であることから、その利点を活かしたグローバルな視点を考慮して作成し、2007年データからの反映を予定しています。

2.「医中誌Web」バージョンアップ

(1)リンク機能について

国内の一次資料(原論文)オンライン提供サービスや、国立情報学研究所のポータルサイト「GeNii」など、外部サービスと「医中誌Web」とのリンクを推進し、「医中誌Web」を検索した後、速やかに原論文が閲覧出来るシステムを構築します。
また、各館のOPAC(所蔵検索システム)や、「WebCatPlus」へのリンクにより、図書館における原本入手を支援する機能を追加します。

(2)その他の修正や新たな検索機能の追加
より使いやすいサービスの実現を目指して、修正すべき各点への対応を行うとともに、利用機関ごとに最適な環境設定を可能とするなど、新規機能の追加を行います。

3.抱負
最近、鳥や豚、SARS、BSEウイルスによる感染対策が国際的な課題として取り上げられています。また、医療の場においては、院内感染や医療ミス、医薬品の副作用問題などがマスコミで報道され、医療の質の向上に対する期待は、患者や家族に限らず国民共通の関心事となっています。こうした情報は、様々なメディアを通して大量に伝達され、洪水の如く世間に溢れていますが、一方では、わが国の医学・医療関係者の学術文献を、国民誰もが直ちに利用できる環境作りが求められています。私どもの「医中誌データベース」と必要な一次資料情報を併せて、より多くの皆様にご利用いただくための方途を模索することは、本法人設立の趣旨に適い、医学関連情報を担う一機関としての社会な役割であると考えています。
本年も、「医学中央雑誌」創刊時の編集方針に学び、今日的な要望にお応えした「医中誌データベース」の構築と提供サービスに全力で取り組んでまいりますので、尚一層のご支援をお願い申し上げます。

特定非営利活動法人医学中央雑誌刊行会副理事長
宮野昌明

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著者抄録の活用について

1.はじめに
2003年10月より医中誌データベース中への著者抄録の採用に積極的に取り組んでおります。著者抄録とは、医学・薬学・歯学などの分野における論文の著者自らが作成した、その内容についての要旨・要約、またそれに準ずるものを指しており、以前より当データベースで採用している第三者抄録(著者ではなく、各分野における専門家が第三者として作成した要旨・要約)と比べて、データの作成までの時間が短縮されるという利点があります。その取り組みを紹介させていただきます。

2.従来の抄録作成の問題点
社会のIT化に伴い、情報流通の速度は飛躍的にアップしました。さらに、データ回線のブロードバンド化などにより、インターネット環境は日々より快適なものとなっています。そういった背景の下、「医中誌Web」に対するお客様のさらなるご要望として、よりダイレクトでよりフレッシュな情報をいち早く利用したいという声が近年ますます多くなってきております。 これまでの第三者抄録の作成工程では、文献の受け入れ・採択処理の後、文献に記載されている標題、著者名などの書誌事項を入力業者に委託して電子データを作成するまでに 1 ヶ月かかります。この時点での電子データは Pre 医中誌データとして、インターネットサービス上で配信されています。この工程と同時進行で、受け入れ・採択処理された文献について、その論文の各分野における専門家へ抄録作成の依頼をしています。依頼された抄録の原稿が完成・校正を経て受け入れるまでに平均 3 週間、さらにデータのインデックス作業に同じく平均 2 週間ほどを要しています。(ただし文献によっては、さらに長期間または短期間で処理されるものもあります。)
当データベースで作成している年間の抄録の総数は2004 年では、54,334 件でした。これだけの抄録作成について、相当の時間がかかっている現状では、お客様の求める情報のスピードアップというニーズに十分にお応えすることができません。

3.著者抄録の活用
そこで当会では、タイムラグ短縮のために、従来から取り組んでいる抄録作成フローの見直しともに、より抜本的な方策として、著者抄録の活用へ動き出しました。
著者抄録の場合は、抄録原稿の作成依頼・校正といった工程が省略されるので、データ完成までの期間を 1 ヶ月から 1 ヶ月半へと大幅に短縮することが可能となります。


4.現在のタイムラグ
これまでの取り組みにより、現在のタイムラグ ( 原本受け入れから、医中誌 Web で検索可能となるまでに要する時間 ) は、平均 3 ~ 4 ヶ月にまで短縮されました (「Pre医中誌」データは約 1 ヶ月 )。今後、著者抄録の採用数を更に増やしていくことで、一層の短縮が見込まれています。

5.医中誌 Web での表示方法
第三者抄録と区別するため、著者抄録については、末尾に「( 著者抄録 )」と明示しています。
なお、「著者抄録 /AB」と入力して検索すると、著者抄録が採用されている文献のみを検索することができます。2005 年 1 月現在で、2,443 件となっています。

6.おわりに
ご協力のお願い 現在、当データベースに掲載されている雑誌を刊行している学会・出版社から著者抄録の利用許諾を得るための交渉を進めています。
現在、すでに多くの学会・出版社の皆様にご理解をいただき、利用させていただいております。この場を借りて御礼申し上げます。今後も全国の学会・出版社を対象に、著者抄録を数多く掲載しているところから随時交渉を進め、著者抄録採用の件数を増やしていきたいと考えています。
以上、著者抄録活用の取り組みは編集業務改善の一つではありますが、その他のアプローチも含め、データ作成をより一層迅速化することでタイムラグを短縮し、データベースの質の向上に努めていきたいと思います。
( データ管理課 渡辺剛史 )

医中誌 Web の検索結果:著者抄録の場合、Abstract(抄録)の末尾に「著者抄録」と表示される。
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研究デザインタグ「診療ガイドライン」新設のお知らせ
1.はじめに
EBM(Evidence-based Medicine)を指向した医中誌データベースの改良を目指し、4つの研究デザインのタグ「メタアナリシス」「ランダム化比較試験」「比較臨床試験」「比較研究」を設け、付与を開始して2年が経ちました。
一方、数年前から、医療界では臨床現場におけるEBMの普及・推進が求められ、その一環として「診療ガイドライン」の作成が推奨されるようになりました。その影響で、専門家委員会や学会などが主体となって作成された「診療ガイドライン」が続々と単行本や雑誌で発表されるようになりました。最近になって、「雑誌で発表された診療ガイドラインを「医中誌Web」で簡単に検索できないか?」という声が聞かれるようになりました。

というのも、現状では「医中誌Web」で「診療ガイドライン」のキーワード検 索を行うと、さまざまな診療ガイドライン関係の文献が膨大にヒットし、学会などが作成した「診療ガイドライン」を手早く見出すことが難しいからです。
そこで、当会では、2004年秋に、「診療ガイドライン」のタグ新設に関して検討会を開き、タグ新設を決定しました。
直ちに試験的に付与を開始すると同時に、東邦大学医学メディアセンターがホームページ上で公開している「診療ガイドライン」のリストを、了解のもとに参考にさせていただくことにしました。
1ヶ月ほどの試験的タグ付与後、定義や付与ルールなどの見直しと確認を行い、インデクサーに対する研修会を実施し、2005年データより本格的に付与を開始しました。

2.タグ「診療ガイドライン」の付与ルール
(1)定義
タグ「診療ガイドライン」の定義は、米国で提唱され始めた時の定義(注)や専門家の先生のご意見を参考にし、次のように定めました。 「医療や公衆衛生上の判断を支援する目的で、日本において、主に学会などにより作成された文書。(個人や一病院で作成したガイドラインは含まない)」

(2)付与対象文献
先行の4つのタグ「メタアナリシス」「ランダム化比較試験」「比較臨床試験」「比較研究」は、ヒトを対象とした研究で原著論文のみと限っていますが、「診療ガイドライン」は以下の例のようにヒトに限りません。また、論文種類は原著論文ではなく、解説です。

3.バックファイルメンテナンス
先行の4つのタグと同様に、1999年作成データまで遡って「診療ガイドライン」のタグを付与します。メンテナンスの方法は2つです。一つは、東邦大学医学メディアセンター作成の「診療ガイドライン」リストの中で日本の医学雑誌に掲載されたガイドラインを参考にします。もう一つは、「医中誌Web」でタイトル検索やキーワードの「ガイドライン」「診療ガイドライン」の検索を行い、原報を確認後、該当する文献にタグを付与します。

4.利用者へのサービス開始
2005年3月末より、「医中誌Web」で、タグ「診療ガイドライン」を利用した検索ができるようになる予定です。他の研究デザインタグと同様、「絞り込み検索」と「一次検索」が可能になります。
2004177339 生理学領域における動物実験に関する基本的指針 (平成13年3月30日改訂)(Guiding principles for the care and use of animals in the field of physiological sciences)(英語) Author:, 日本生理学会 Source:日本生理学雑誌(0031-9341)66巻2号 Pagevii-xiii(2004.02)
論文種類:解説
「絞り込み検索」は、喘息などの特定主題の検索前にあらかじめチェックするか、特定主題の検索後「絞り込み検索画面」でチェックして行います(図 2)。
特定主題を限定せずにタグ付与された「診療ガイドライン」だけを直接検索する「一次検索」は、検索語入力欄に「診療ガイドライン /RD」と入力して行います。
また、医中誌ホームページ上で、見出した「診療ガイドライン」すべてを一覧できる文献リストを作成し、公開する予定です。サービス開始時点で該当する文献は 300件ぐらいが見込まれます。


5. おわりに
学会などによりさまざまな疾患の「診療ガイドライン」が作成されると、単行本として出版されるものもありますので、医学雑誌を情報源とする医中誌データベースに収録される「診療ガイドライン」文献はそう多くはありません。それでも、1 年に 30 件程度しか発表されていない「メタアナリシス」文献よりは多くなりそうです。 この新たなタグ「診療ガイドライン」がお役に立つことを願うとともに、リストを参考にすることを快く承諾してくださった東邦大学医学メディアセンターに厚く御礼申し上げます。
(編成課 佐久間せつ子)
注:「特定の臨床状況において、適切な判断を行うために、臨床医と患者を支援する目的で系統的に作成された文書」(米国 Institute of Medicine, 1990)


●診療ガイドラインの例

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「医中誌Web」2005年度のバージョンアップについて
1.はじめに
本年で「医中誌Web」はサービス開始以来5年目を迎えます。その間、ご不便をおかけすることもありましたが、何度かのバージョンアップやシステム増強を行い、現在はデータベース検索サービスとして備えるべき基本的な検索機能、また検索レスポンスについては一定のご評価を頂けるまでになりました。 そこで次のステップとして期待が高いのは、「WWW上の他のサービスとの相互リンク」です。昨年、このリンクサービス、あるいはその他の項目に関するニーズの把握を目的としたヒアリング(対象は「医中誌Web」契約機関の担当者)アンケート(対象は「医中誌パーソナルWeb」契約者)を実施しました。そこで頂いた内容の分析や、関係機関との調整等を経て、現在、開発に着手しています。ここでは、リンク機能を中心に今後の「医中誌Web」バージョンアップ内容についてご案内します。


2.リンクについて
(1) OPAC (Online Public Access Catalogue)へのリンク
管理者用登録画面にて、「OPACのURL」と「表示するアイコン画像のURL」を登録すると、医中誌の検索結果にそのアイコンが表示され、そこをクリックすると該当文献のISSNによるOPAC検索結果が別画面で表示されます。
「図書館に所蔵されている雑誌の文献のみにアイコンを表示」「すべての文献にアイコンを表示」のどちらを希望するかお尋ねしたところ、回答はほぼ半々でしたので、双方のケースに対応可能とする予定です。後者を希望する理由として「登録作業が煩雑」との回答とともに、「所蔵が無い場合は、ILL(相互貸借)の申込フォームに進むようにしたい(フォームに医中誌の書誌が自動的に埋め込まれるようにする)」との希望もありました。医中誌からOPACへは、ISSNだけではなく、書誌データ全体を引き渡すので、OPAC側でその機能を実装していれば、このご要望も実現します。なお、OPACに引き渡すデータのフォーマットはOpenURLを予定しています。
また、同様の仕様にて、「S・F・X」等のリンクリゾルバへのリンクも可能となります。

(2) 国立情報学研究所(NII)のポータル「GeNii」との相互リンク
本年4月に正式サービスが開始される、国立情報学研究所の学術コンテンツ・ポータル「GeNii」(http://ge.nii.ac.jp/)との相互リンクです。

【医中誌から「CiNii」へのリンク】
医中誌から、「GeNii」が包含する、論文情報のポータルサイト「CiNii(NII論文情報ナビゲータ)」への文献単位でのリンクです。これにより、「CiNii」からナビゲートされる「NII-ELS(NII電子図書館)」のフルテキストへのリンクが(「CiNii」の書誌経由で)実現します。

【医中誌から「Webcat Plus」へのリンク】
大学や病院では、ILL(相互貸借)の際、所蔵館を検索するために「Webcat」が頻繁に利用されています。「Webcat」は平成17年度中に「Webcat Plus」に統合される予定とのことですが、その「Webcat Plus」へリンクします。これにより、医中誌検索結果に表示される「Webcat Plus」アイコンをクリックすると、該当文献のISSNによる「Webcat Plus」検索結果が別画面で表示されます。ただ、このサービスは司書の方のみが利用する性質のものなので、どのようなデザインとすれば良いか(アイコンの置き場など)を現在検討中です。

【「GeNii」から医中誌へのリンク】
「GeNii」が包含する「CiNii(NII論文情報ナビゲータ)」の書誌情報から、医中誌の書誌情報への文献単位でのリンクです。「医中誌Web」ご契約の場合、医中誌の抄録の閲覧、また医中誌書誌経由でOPACへ、などが可能となります。

(3)「Medical Online」へのリンク
(株)メテオインターゲートの国内医学雑誌の全文PDF配信サービス「Mecical Online」へのリンクを行います。2003年発行の文献データの分析によれば、「医中誌Web」で提供される会議録を除いた原著論文・解説 などの文献のおよそ2割に「Medical Online」のフルキストがリンクされることになります。



(4)「PubMed」へのリンク
事前に取得したPubMedIDによって、PubMedにリンクします。1999年~2004年の6年分の医中誌データについて調査したところ、34,000件がPubMedに収録されていました。そのうちの相当数がフルテキストにリンクされているので、これらについては医中誌の検索結果からPubMed経由でフルテキストに辿り付くことが出来ます。(日本の医学雑誌のMEDLINEへの収載状況については、「日本の医学雑誌のMEDLINEへの採録状況と国際化現象」(P.10)をご参照下さい。)

(5)「CrossRef」へのリンク
事前に取得したDOI(Digital Object Identifier)によって、CrossRefにリンクします。その文献の収録誌の電子版を購読している場合は、フルテキストの閲覧が可能となります。
上記以外にも、いくつかの国内電子ジャーナルとの相互リンクについても検討を進めているほか、「収載誌検索」(医中誌収載誌に関する情報、例えば発行元の連絡先などを提供するサイト)など、医中誌のホームページのコンテンツとの連携も図っていきます。

3.リンク機能以外のバージョンアップ内容

(1)ユーザー固有の設定を可能とする
利用目的により最適な設定が異なる点については、固有の設定が行えるようにします。現在仕様に含めている項目は下記の5点です。

・リンク先アイコンの表示/非表示(「医中誌WebDDS」へのリンクも)
・OPACリンク先、及びOPACアイコンのURL
・ログアウト先のURL(図書館のホームページに戻すなど)
・タイムアウト時間の設定
・「会議録除く」のチェックをデフォルトに設定

上記については当面は「機関単位」での設定が可能としますが、「個人単位」での設定が妥当な内容は多くあります。特に「医中誌パーソナルWeb」利用者には必要なので、段階を踏んで対応したいと考えています。

(2)使い勝手の改善
下記に挙げた各点については、特に多くの方から指摘を受けました。
・検索結果(タイトル表示及び詳細表示)の各文献へのチェックが、ページが変わると無効となってしまうのを修正してほしい。
・「Advanced Mode」の検索履歴の編集を可能とし、不要な履歴を削除出来るようにしてほしい。
・ダウンロードデータへの検索式の出力については、最後の履歴だけでなく、検索履歴全てを出すようにしてほしい。(最後の履歴だけだと、「#1 and #2」などとなる場合があり、それでは出力しても意味が無い。)
・「印刷用表示」はあるが分かり難いのであまり利用されず、結局紙が無駄になることが多い。もっと分かり易いナビゲーションに改善してほしい。
・ダウンロードデータに含まれているタブが邪魔である。
・前の検索履歴の呼び出しが分かり難い。履歴自体をクリックすれば良い、など、改善してほしい。
・もっと「ADVANCED MODE」に入りやすいような工夫が必要では。いったん慣れると、「BASIC MODE」より使いやすいのに、今のナビゲーションでは初めて利用する人は自然に「BASIC MODE」に行ってしまう。(実際の検索ログの集計によると「BASIC MODE」と「ADVANCED MODE」の利用割合は、6:4)
・ガイダンス機能の改善。HELPへのリンクをより分かり易くするなど。
・シソーラス閲覧が出来るのは良いが、略語(アルファベット3文字など)を入力すると、リストアップする同義語が多すぎて見づらい。

(3)新規機能

ご要望が高い下記の各点については、優先的に備える予定です。
・PubMedの「Citation Matcher」のような、書誌確認用の画面を用意する(書誌確認に医中誌Webを利用することは非常に頻繁に行われているので、是非必要との声が多かった)。
・検索式の登録を可能とする。更に、データ更新時にE-mailで登録した検索式の結果が自動配信されるようにする。
・PubMedのように、Clipboardにデータを貯めて、後でいっぺんにダウンロード等が行えるように。
・筆頭著者名のみを対象とする検索を可能とする。

(4)「エンドユーザーサーチ」へのより抜本的な対応
昨年の調査の中で、司書による代行検索は、病院ではまだある程度実施されているものの、大学ではあまり行われていないことが分かり、今や医中誌の利用の主たる層はいわゆる「エンドユーザー」に完全に移行していることを再認識しました。更に、昨年は数件ではありますが公共図書館にご契約頂くなど、「検索のプロではない」のみならず、「医学のプロでもない」方々による利用の増加も予想されます。この方々に「医中誌Web」を有効に利用していただくための工夫が今後の大きな課題です。

4.おわりに
上記の各点のリリースは、本年9月から順次行い、2005年度末までにほぼすべてを実現する予定です。日程、及びバージョンアップ内容の詳細は、追ってホームページなどでご案内申し上げます。
また、近々に「医中誌Web」契約機関の担当者様に、上記内容に関するアンケートをお送りする予定です。お忙しい中恐縮ですが、ご回答のほどお願い申し上げます。 最後になりましたが、昨年のヒアリング・アンケートにご協力いただいた皆様に、この場を借りてあらためて御礼申し上げます。
(電子出版課 松田真美)
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著者の讃岐美智義先生は、麻酔科の専門医として臨床・研究・教育に携わる傍ら、長年にわたり、EndNoteの利用による文献整理法など、実践的なパソコンやインターネット活用法の啓蒙・普及に取り組んでこられました。
その集大成ともいうべき「研究者のための文献管理PCソリューション~PubMed/医中誌検索から論文執筆まで~」が上梓されます。発刊にあたり著者のコメントをいただきました。
本書は2つの目的を持っています。一つは、文献検索から論文執筆に至る過程において使用する様々なPC活用のソリューション(解決策)を紹介すること。もう一つは、無駄に何度も同じ文献検索を行なうのではなく、いろいろな場面(研究を始める、研究中、学会発表前、論文作成時など)で、時間をかけずに文献を活用するために、自分の収集した論文をきちんとPCで管理する方法を紹介することです。PC活用のコツと文献管理を理解し、頭の中も整理することができれば、文献検索から論文執筆に至る時間を無駄にすることなく、本当の意味で内容の充実に専念できます。
文献検索や文献整理が苦になって学会発表や論文作成時に文献の孫引きでごまかしている事例を目の当たりにしてきました。また、ちょっとしたことでPC操作につまづき、時間を無駄にしている場面も何度も目撃しました。本書によりそれらの障害を少しでも取り除くことができれば望外の喜びです。これまでに、文献検索から論文執筆までのPCソリューションを解説した書籍はなく、私としても初めての試みで読者の皆さんの評価が楽しみです。
本書の紹介とサポートを兼ねたホームページも作成しましたので、下記をご覧いただければ幸いです。(讃岐美智義)
「研究者のための文献管理PCソリューション~PubMed/医中誌検索から論文執筆まで~」
http://msanuki.com/pubmedichu/

●目次
Part 1 文献検索の基礎
1章 PubMedインターネット文献検索
2章 医学中央雑誌Web検索
3章 Google検索
Part 2 文献管理ソフトウェア
4章 EndNote
5章 GetARef
6章 RT2
Part 3 文献検索・整理のステップアップに必要なPC知識
7章 検索ツールとしてのPC管理術
8章 PDF/Word/テキスト書類の文献管理術
9章 文献整理のためのWebページ印刷
Part 4 論文を読み書くための道具にこだわる
10章 辞書環境の構築
11章 Word/秀丸/Jedit Xの要点

目 次
○著者:讃岐美智義○出版社:秀潤社
○256頁(予定)、B5変、オール4色
○予価:3,780円(税込)
○発売予定: 日本集中治療医学会(2月24日より)で発売開始、3月初旬より書店販売予定

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医中誌FAQ

★ 医中誌Webの検索ガイド(マニュアル)はありますか?
A. 医学中央雑誌刊行会のWebサイトからPDFファイルで医中誌Webの検索ガイドをダウンロードすることができます(冊子体の検索ガイドは有料で販売しております。1冊105円(税込))。また、医中誌Web検索画面上部からHELPサイトへリンクがあり、データ更新の情報等が随時アップされておりますので、こちらもご利用ください。
○医学中央雑誌刊行会Webサイト
URL:http://www.jamas.or.jp/

★ ログアウトせずに検索画面を閉じてしまいました!
A. ログアウトせずに検索画面を閉じると、10分間はログインした状態が続き、1アクセスを占有します。10分経過すると自動的にタイムアウトしますが、検索が終了したら、必ず検索画面の「終了」ボタンをクリックしてログアウトの操作をしてく ださい。なお、次期バージョンでは、ご契約機関ごとに、タイムアウト時間を設定出来るようにする予定です。

★ 検索しようとすると「認証エラー」となり、「終了」ボタンをクリックしてログアウトしようとすると、「ログアウト不要、ログインしていません」と表示されますが?

A. お使いのブラウザの設定が、「Cookieを受け入れる」になっているかご確認ください。医中誌Webでは、Cookieを使ってサーバー間で認証情報の確認をするので、 Cookieを受け入れない(オフの)設定になっていると、認証ができず検索することもできません。ブラウザによっては、セキュリティレベルを上げたときに自動的にCookieがオフになってしまう場合がありますのでご注意ください。

★ パーソナルWebで検索した文献のフルテキスト(全文)は手に入りますか?
A. はい、もちろんご入手いただけます。医中誌パーソナルWeb DDSでは、医中誌Webの検索結果(「2004091790」のような10桁の文献番号)を使ってインターネットから簡単にお申し込みいただけます。ご利用料金は文献や発送方法(FAXもしくは郵送)により異なりますので、詳細は下記URLをご参照ください。なお、お支払い方法はパーソナルWebと同じクレジットカード決済なので、新たなユーザー登録等の手間もありません。

○医中誌パーソナルWebDDS
URL:https://order.jamas.or.jp/personal/

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知らない事を書く/朝日生命成人病研究所 名誉所長 藤井 潤

日本医学図書館協会の機関誌「医学図書館」の 1994 年、41巻3号に、当時の開原成允会長(東大名誉教授)が「Index Medicus に収載されている日本の医学雑誌」という調査報告を載せておられます。その時の Index Medicus には 122 誌の日本の雑誌が採録されていました。この状況に関して協会は日本医学会の各分科会に意見を求め、集まった意見を総合して NLM へ提出した、その詳細が報告されています。
さて、その後10年を過ぎ、日本の医学雑誌の採録はどのようになっているかを調べてみました。結果は、Index Medicus の収載雑誌リスト 2004 年版での発行国別リストの日本の項目を見ると、122 誌から 16誌が削除され、40 誌が新規に採録されていました。しかし、日本には分類されていないが、日本の学会の機関誌が11誌もありました。さらに印刷体索引誌 Index Medicus ではなく、オンライン・データベー
日本の医学雑誌のMEDLINE への採録状況と国際化現象 医中誌の抄録作成をはじめてさせて頂いたのは1954年でした。老年病学を勉強してくるようにと東大冲中内科から浴風会病院に派遣された時ですので、もう50年になります。
当時は大学を卒業して3年経ったばかりの若輩でしたので、先輩の先生から手解を受けて抄録作成をはじめました。尼子富士郎先生が医中誌を刊行されていることは知っていましたが、先生ご自身が新前の私が作成した抄録を添削されているとは思いませんでした。先生は浴風会病院医局の隣にある医長室でお仕事をされており、昼食と午後のお八つの時間には医局に来られて私共の雑談に耳を傾けられたり、お得意の話題を披露されました。抄録作成をはじめて間もない頃でした。私の作成した抄録の中の誤字を先生がご指摘下さったので、先生が抄録を添削されていることを知りました。それからは、抄録を作成するときには辞書を手元に置くことにいたしました。
尼子先生のご指示で抄録の中では外国人の名前や術語は片カナではなく原語で書くことになっていました。あるとき、尼子先生から『君の書いた抄録の中にB-toxinと書いてあるが、何のことか。』とご下問がありました。論文の中では片カナでビー・トキシンと書いてあったので抄録作成時にB-toxinと書いてしまいましたが、どんなトキシンか知りませんでした。『知りません。』とお答えすると『それはbee-toxin(蜂毒)だよ』と教えてくださり、赤面の至りでした。つづいて先生から『知らないことをよく書けるね。』とお小言を頂き、身に沁みました。その後に分かったのですが、先生はこのような問答を通して若者を試しておられました。試すというより“からかう”という方がぴったりするかもしれません。お小言を頂いた若者が右往左往するのを先生は楽しんでおられるご様子でした。
手紙や論文を書くときには知らないことを書くことはありませんが、抄録作成は知らないことを書くのが宿命のような作業です。知らないことでもペンを取って文章に仕上げると、単に眼で読んだ以上の残像が脳に刻み込まれるのではないかと思います。断片的ではありますが抄録作成時に取得した専門外の知識が思いがけない場面で役立ったことがありました。これからもこの余得にあずかりたいと願っております。

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topics 日本の医学雑誌のMEDLINE への採録状況と国際化現象

日本医学図書館協会の機関誌「医学図書館」の 1994 年、41巻3号に、当時の開原成允会長(東大名誉教授)が「Index Medicus に収載されている日本の医学雑誌」という調査報告を載せておられます。その時の Index Medicus には 122 誌の日本の雑誌が採録されていました。この状況に関して協会は日本医学会の各分科会に意見を求め、集まった意見を総合して NLM へ提出した、その詳細が報告されています。
さて、その後10年を過ぎ、日本の医学雑誌の採録はどのようになっているかを調べてみました。結果は、Index Medicus の収載雑誌リスト 2004 年版での発行国別リストの日本の項目を見ると、122 誌から 16誌が削除され、40 誌が新規に採録されていました。しかし、日本には分類されていないが、日本の学会の機関誌が11誌もありました。さらに印刷体索引誌 Index Medicus ではなく、オンライン・データベー スである MEDLINE のみに採録されている日本の学会の機関誌が8誌も見つかりました。もっと詳しく調査すると、より多くの日本の医学雑誌が採録されているのかもしれませんが、私の今回の調査では 165誌が MEDLINE に収載されていて、単純に比較すると43誌が当時より増えていることになります。注目すべきは、新規に増えた雑誌のほとんどが英文雑誌であり、外国出版社によって刊行されている学会機関 誌が数多く見られたことです。たとえば Neuropathology は日本神経病理学会の機関誌ですが、BlackwellPublishing 社より刊行されていて、MEDLINE でのこの雑誌の発行国はオーストラリアとなってしまっているのです。国際化現象というのでしょうか。
MEDLINE は、ご存知のように、米国の国立医学図書館で編集されていて、今日世界で最も多く利用されている医学文献データベース(収載雑誌数 約 4,780 誌)、そのインターネット版で、無料しかも自分の情報を登録する必要もなく毎日 24 時間利用できる PubMed はあまりにも有名です。一方、印刷体のIndexMedicus は 2004 年末をもって 125 年の歴史を閉じています。医中誌は既に印刷体各号版を廃止し、インターネットを介した Web 版を主軸に据えていますから、同様な道を辿っているわけです。
日本の学会機関誌が外国出版社から外国籍で刊行される国際化現象に加えて、複数の異なる国の類似学会が協同して編集している医学雑誌もあり、それぞれの学会の機関誌としている例もあるのです。たとえば、Digestive Surgery という日本消化器外科学会が機関誌としている雑誌は、オランダやギリシャ、ヨーロッパの消化器外科学会と協同して Karger 社(オランダ)から刊行されていますし、日本形成外科学会の機関誌は Scandinavian Journal of Plastic and Reconstructive Surgery and Hand Surgery であり、スカンジナビアの2学会と協同して Taylor & Francis 社(英国)から刊行しています。これもまた国際化現象と言うのでしょうか。これらの雑誌は各主題領域で一大勢力となったわけで、もちろんMEDLINE に採録されています。
さて、日本の医学会が単独であれ、外国の類似学会との協同であれ、編集し、外国出版社から刊行される雑誌には、日本人学会員の論文がどの程度掲載されているかは興味がそそられる問題でありましょう。
二、三の雑誌の目次を垣間見ただけですが、単独に編集している雑誌であっても、外国からの論文が多くなってきているように感じました。ある学会に問い合わせたところ、論文投稿は学会員である必要はなく、
定めている学会員と同じ投稿料を支払えば良いとのことでありました。

(裏田 和夫 編集アドバイザー)


 
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